リアルタイムコラボレーションが可能なビデオ会議ソフトウェア「VSee」、米国議会やNASAなども採用

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

ビデオ会議、共同作業、情報の安全かつ確実な伝達、シンプルな使い勝手。その答えは「Vsee」だ

ビデオコラボレーションツールといわれて頭に浮かぶのは?

主な消費者(例えば私やあなた)にとって、Skype(ある意味ではGoogleハングアウト)はお馴染みのツールだ。企業なら、PolycomWebExなどのビデオ会議システムが有名だ。

これらのビデオ会議ツールは、リアルタイムの映像と音声コミュニケーションで距離を取っ払うことを目的としている。では、ビデオコラボレーションソフトウェアのVSeeは、その他の同種のツールとは何が違うのだろう?VSeeは質の高いビデオと音声環境を提供し、シンプルな共同作業と、安全な情報伝達を特徴とする。

同プロダクトおよびその企業についてさらに詳しく知るために、VSeeのCEOであるMilton Chen氏にVSeeを通じてインタビューをした。

VSeeとその他のビデオコラボレーションツールの主な違いはシンプルな使い勝手

最も大きな違いは、ビデオ会議をしている時に行う共同作業のシンプルさにある。VSeeでは、クリックするだけで、スクリーンやどんなアプリケーションも共有できる。使い方が簡単なもう1つの機能は、「ドラッグ&ドロップファイル送信」だ。名前を聞くと大それた感じはしないが、インタビュー中にMilton氏の実演を見てこのプロダクトを大いに気に入った。

Milton氏は、1つのファイルをビデオウィンドウ(そう、そのビデオウィンドウ自体がフォルダーになっている)にドラッグ&ドロップするだけだと説明する。私がそのファイルを受け取るには、ファイルをビデオウィンドウから自分のデスクトップにドラッグするだけ。この他にも、クリック1つでスクリーンを共有する簡単な方法も見せてくれた。これらは、効率の良いビデオコラボレーションを可能とする魅力的な機能だと思う。

Milton氏は次のように述べている。

「VSeeでビデオ通話ができるのは当然。大切なのは話ができて、レポートや画像をワンクリックもしくはドラッグ&ドロップで簡単に共有できることです。VSeeは会話中のビデオの重要性を理解しています。私たちが他のサービスと異なる点は、ファイルなどの共有を通じて質の高いビデオ通話環境を提供していることです」。

Vseeの今年の大きな取組みはモバイルサービスを始めることだ。予備知識として、3G/4G ネットワークでのビデオストリーミングについて効率よくリサーチしてみてほしい。

エンドツーエンドの暗号を使って情報伝達の安全性を確保

アメリカの議会は、最近議会のファイアウォールの支援ツールとしてVSeeを承認した。Google、Skypeなどその他のビデオコラボレーションツールや、さらには大企業のCisco、PolycomやWebExすら議会での利用は承認されていない。アメリカ議会の他にも、NASAなど数多くの著名な政府関連クライアントを持つことからも、VSeeの情報伝達テクノロジーの安全性の高さが分かる。

その安全性の背景には、エンドツーエンドの暗号化を用いたテクノロジーがある。つまりVSee上での双方向ビデオ会話は暗号化されているため、通話をしている人しかアクセスできない。その他の人、それはVSeeでさえもアクセスすることができないのだ。このように安全性が高ければ、部外者に盗聴されているかもしれないと心配をする必要がなく会話ができ、より安心だ。

大手ユーザーとVSeeの主な用途

アメリカ議会、アメリカ海軍特殊部隊のシールズ、NASA、そして大手企業のIBMやPrimericaなどはVSeeが抱える大手クライアントだが、これらの組織がVSeeを利用する理由は主に次の2つにある。

1. 内部のチームワーク:チームのメンバーが異なるオフィスにいる場合、彼らとともに効率よく仕事をしたい。VSeeはそのようなチームにソーシャル性や親しみのある仕事環境を提供し、この問題の解決を目指す。

2.B2Bコミュニケーション/顧客との対話:VSeeの中でも大手のクライアントであるIBMは、顧客が簡単にIBMのソリューションスペシャリストの販売員と対話をし問題解決するためのコミュニケーションツールとして同サービスを利用している。

Milton氏は、VSeeが提供するソリューションの鍵はシンプルな使い勝手にあることを強調した。伝統的に、ビデオコラボレーションは手順が多すぎて非常に複雑だと思われている。ウェブページでワンクリックするだけで、質の高いビデオ、スクリーンの共有、ファイルの送受信などを可能にし、ビデオ対話をシンプルで簡単なものにしたVsee。彼らは従来のビデオコラボレーションに対する概念を打ち破っている。

VSeeのソフトウェアのみのソリューション vs 従来のハードウェアビデオ会議ツール

もし今回私たちが実施したようなインタビューを数年前に試みていたら、ビデオの質に対する問題が大きかっただろうとMilton氏は述べた。決して安くはない精密なハードウェアを購入しないと実現しなかった。さらにハードウェアツールの不便な点は、それを決まった所に配置されなければならないことだ。例えば、特定の「ビデオ会議室」などだが、会議を開くときには参加者全員が実際にその場所に足を運ばなければならない。

今では、すべてのビデオ会議はソフトウェアソリューションを用いることで解決できる。VSeeが実現したビデオの質はかなり優れていると言わざるを得ない。これらすべての面倒を考えると、ハードウェア1つにつき2万米ドルも払う必要があるだろうか?会議の予定を入れ、ビデオコラボレーション会議に参加する前にその場所に行かなければならないのだ。

「ハードウェア、ソフトウェアから得られる質のレベルは逆転しました。これから5年、10年先に、巨大ハードウェア企業が廃れているだろうと私達が考えるのはそれが理由です。彼らの存在理由がなくなってしまうのですから」。

ビデオコラボレーションの未来

「VSeeチームは、ビデオコラボレーションの未来を非常に楽しみにしています」と話すMilton氏。彼は、現在私たちが使用している日常的なビデオ体験に関連付けることで、ビデオコラボレーションの未来を上手く描き出してくれた。

「ここカリフォルニアは現在もう深夜になるかというところですが、あなたがシンガポールにいるため私は家で仕事をしています。VSeeを使うことで、ユーザは世界の反対側にいる別のユーザと内容の濃い対話ができます。何かを見せたり、ファイルを共有したりすることも簡単です。VSeeは人々を繋げ、あいだにある距離をなくし、さらに自分の仕事を完了させるためのソーシャルネットワークテクノロジーなのです。そしてそれは相手がどこにいようと実現できるものです」。

Milton氏はまた、将来的にビデオを用いたアクティビティがさらに増えていくと付け加えた。現在これらの通信サービスは主に大手企業によって利用されており、その多くはテック関連のカンファレンスコールだ。カンファレンス開始前に、相手にパワーポイントのプレゼン内容を送信しなければならないとする。従来のビデオ通信方法では、カンファレンス前の準備や最中の作業が発生する。だがVseeなら、コール中に全ての作業を組み入れ、同時に行っていくことが可能なのだ。

Milton氏は、およそ5年から10年の間に、皆が常にオンラインでビデオコラボレーションを行うようになっていると予測する。それは人々にとって当たり前の行為となる。数十億米ドル規模のTelepresence、Polycom、Tandbergなど従来のハードウェアベースのビデオカンファレンス企業は、深刻な状態に陥っているはずだ。Vseeのようなソフトウェアテクノロジーを用いて実現するビデオの質を考えれば、複雑性を持ち合わせる面倒なハードウェアに2万米ドルもの資金を投入する必要などなくなるからだ。

「VSeeのようなテクノロジーが登場することで、TandbergやPolycomなどの数十億米ドル規模の企業はなくなっていくでしょう」。

遠隔チームワークが効率的になりえることを証明するVSeeチーム

企業としてのVSeeは世界に2つのオフィスを抱えており、一社はシリコンバレー、そしてもう一社はシンガポールにある。従業員の半数はインドやスペインなど世界に点在しており、米国では異なる州に分散している。チームメンバーの物理的な距離は離れているが、企業の効率性は高く維持されている。

チームは、遠隔チームワークが効率かつ有効であることを証明しており、同社の商品がその効率的な作業フローとコラボレーションを可能にしている。VSeeの設立時、その背景にあった主なモチベーションは、世界中に点在するチーム間で効率的な共同作業を実現する良質のツールを作り出すことだった。

Milton氏が指摘した傾向の一つに、企業が抱える「優秀なエンジニアの雇用」の難しさがある。人材確保の競争を繰り広げるテック企業は少なくない。一方、VSeeがそのような問題に直面することはない。効率の良い遠隔チームワークツールのおかげで、彼らは世界中からベストと言える人材を雇用することができ、彼らの場所に捉われることはないのだ。

Apple、Facebook、Googleなどの大手企業は古典的で、リモートの世界で人材を雇用することを恐れる。彼らは、リモート操作にて作業する人材を雇用した途端に生産性が危うくなると考えているのだ。チームメンバー間の信頼性と社会的なつながりもまた危ういものとなる。効率的なチームムワークのためのツールを持ち合わせていないため、メインオフィスから離れた場所にいる人材の雇用を避けるのだ。

Milton氏は、距離があるにも関わらず作業を上手く進めることで、同社と同社の文化に習う企業が他社をしのぐメリットを獲得し得ると考える。彼は5年から10年の間に多くの企業がVSeeのようなワークスタイルへと切り替えていると確信している。

シンガポールの午後3時(カリフォルニアの午後11時)に行われたインタビュー。VSeeを使用していた間、時間や距離を感じたことは一度もなかった。音声と動画の質は最高だったと言わずにいられない。

VSeeフリーダウンロードは、WindowsとMac共に対応している。iOSとAndroid版は間もなくリリース予定だ。

【via e27】 @E27sg

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