Pocketbookが個人の金銭管理を簡単に、同種のサービスMintより良質なサービスを提供か

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pocketbookオーストラリア発のスタートアップPocketbookは、個人の金銭管理を簡素化するソリューションを提供している。同スタートアップは最近、Optus Innov8プログラムの2期生として選ばれた。

私たちの多くは複数の銀行口座を持っている。小さい頃に親が作ってくれた口座、大学資金のための口座、そして、ひょっとしたらクレジットカードを初めて作る時に使う普通預金口座を持っている人もいるかもしれない。だが、銀行口座を持ちすぎて、時に自分の持っているお金の現状を把握するのが、面倒で苦痛になってしまうことがある。そこで登場するのがPocketbookだ。

Bosco Tan氏とAlvin Singh氏によって6か月前に設立されたPocketbookは、金銭管理を簡単にするアプリケーションだ。シドニーに拠点を置く同スタートアップのサービスは、ユーザの銀行口座、クレジットカード、ローン、特典プログラムの情報を収集し、お金の入出金の現状を一目で見れるようにするというもの。

Pocketbookが自分の銀行口座にアクセスできるようにすれば、1つのダッシュボードでお金の管理ができるだけでなく、何にお金を使っているのかが分かったり、すべての請求書をチェックすることもできる。ここ6か月間で構築された機能には、支払い期限の通知や、予測・分析ツール、そして予算組みなどがある。

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Pocketbookのベータ版がローンチされてまだ数ヶ月しか経っていないのだが、同社は最近、Optus Innov8 Seedプログラムの2期生に選ばれ、ユーザ数1万人獲得に向けて順調に進んでいる。

「ユーザ数が伸びていることとユーザからの素晴らしいフィードバックによって、私たちは取り組み甲斐のある問題を意義深い方法で解決している、と自信を深めています。ユーザの3分の1が週1回の頻度で利用し、支出を追跡したり切り詰めようとしています。私たちはまだモバイル展開さえもしていません!ですが、まもなくモバイル向けのサービスも始めるつもりです。」

と、共同設立者のBosco Tan氏は語る。

もちろん、個人の金銭管理と予算組みをするためのツールはずいぶん前からある。Mintのような企業はこの業界で非常に好調だ。Pocketbookはサービスの特徴としてシンプルさと使いやすさを誇り、データの手入力に時間を割きたくない人で、かつ会計知識のあまりない人を対象にして開発されている。

「Pocketbookは一般的な人を対象にして構築しています。なので、あまり考えることなくお金の管理を行うことができます。私たちは構築するものすべてについて、『どうしたら、とんでもなくシンプルにできるか』ということを考えています。シンプルでないものは構築しません。

ですが、Pocketbookに対する私たちのビジョンは、単に金銭出納データを扱うサービスではなく、はるかにそれ以上のものを目指しています。私たちは、個人の金銭管理をするならPocketbookというようなサービスにしたいのです。ソーシャルといえばFacebook、ビジネスパーソン向けのサイトといえばLinkedInというの同じことです。」

とTan氏。

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Optus Innov8プログラムへの参加に歓喜

Pocketbookは最近、Optus Innov8 Seedプログラムの2期生として選ばれた。Tan氏は同プログラムに参加できることを嬉しく思うと語ってくれた。

「OptusとSingtelは素晴らしいパートナーになると思います。両社はオーストラリアの消費者と中小企業全体に幅広いリーチ力を持っています。人々の日常生活を変える素晴らしいグローバル企業になることを目指している私たちにとって、非常に重要なことです。

SingTelのDigital L!fe GroupのCEOであるAllen Lew氏が記した戦略を見ると、彼らの成長戦略の基軸は、『消費者の暮らし・仕事・娯楽という側面において、日常生活を支援するデジタルソリューションを構築すること』とあります。私たちにすれば、それらすべての中核が金銭管理なのです。

個人の金銭管理をきちんとすれば、生活・仕事・娯楽への自由が得られます。ですから、Pocketbookは消費者1人1人を助けるための重要なツールなのです。これ以外では、私たちが今やっていることは時間とともにモバイル化されると思います。モバイルバンキングを活用する人が増えてきていますから。

それで、OptusやSingtelとの提携は、私たちがモバイルのエキスパートになるというポジショニングにおいて、非常に基礎的なものになると思います。」

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オーストラリアが拠点 ——スタートアップにとって、不利かチャンスか?

「私たちが構築しているサービスを考えると、オーストラリアは拠点に相応しい国だと思います。金銭管理はオーストラリア人にとって非常に大事ですし、国民性として貯金をすることが苦手で、オーストラリアは資産価格(例:住宅)の非常に高い国です ——世界でも最も高い国の1つでしょう。

これは若いオーストラリア人、特に大都市に住む人は、初めてのマイホームを買うのに奮闘し始めていることを意味します。私たちは、大きな変化を生み出すことができると心から信じています。

その他の点では、オーストラリアには素晴らしいインフラが整っています。銀行、保険、主要公益事業体がしっかりと確立していて、私たちが活用できる素晴らしいテクノロジープラットフォームを提供しています。このようなインフラ支援によって、私たちはこのプロダクトをはるかに簡単に提供できる手段が得られるのです。

そして、私たちが考えているのは、国内で素晴らしいことを成し、そのことから重要な確証を得た後に国外にサービスを広げ、最終的には、シンガポール、香港、そしてそれ以外の国々にサービスを拡大していこうと思っています。」

【via e27】 @E27sg

【原文】

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