病院に行くことなく患者に合った医療オプションが比較できるサービス「Medeel」

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medeel

インドおよび、その他のほとんどの国において、病院が異なれば医療サービスも治療費も異なり、例え同じ病気の治療であっても、ある病院で受けた医療サービスが他の病院のとは大きく異なることがある、という現実がある。

インドのスタートアップMedeelは、患者が自分の医療記録をオンラインで複数の病院に提示し、治療オプションの入札を求められるようにして、この問題を解決しようとしている。つまり、医療記録を提示すれば、家から出ることなく自宅で待っていれば、病院からの治療パッケージが届くということだ。

このサービスによる患者のメリットは明らかだ。同サービスは基本的に、ユーザ自身が受ける医療に公の入札を求めることができるようにするもので、(ユーザ自身もリサーチをすることが前提だが)最も安い治療費で最高の治療が受けられるように支援するというサービスだ。

Medeelは、病院にとってもメリットがあると言う。病院は同サービスを利用することで、より多くの患者にアクセスできるようになり、このサイトがなければ遠くて行こうと思わないところに住む地元以外の患者も引き寄せる可能性もあるからだ。少なくとも複数の病院が同サービスに賛同したようで、同サイトには6つの提携病院がリストアップされている。

リストには載っていないがまだ多くの病院があるとMedeelは言う。設立者のMohit Bahri氏に具体的な数字を訊くと、同氏は16の病院と契約を結び、その他にも15を超える病院と話を進めていて、そのほとんどがデリー地区の病院であると語った。

同サービスのプロセスには時間がかかる。病院は各患者の医療記録に実際に目を通さなければならないので、回答を得るには2~3日はかかるからだ。そのため、緊急を要する治療にMedeelは向かない。だが、時間に余裕のある患者にとっては、病状の説明と医療記録の提示のために自らの足を運んで各病院を回らなくても、複数の治療オプションを見ることができる良い手段となるだろう。

同サイトは分かりやすいレイアウトとなっていて、非常に簡単に状況を把握することができる。今のところ、Facebookの「いいね!」の数は100以下で、「利用者の声」も1件しかないので、患者の注目をまだあまり集めていないようだが、Bahri氏によると、既に2人の患者の治療を支援し、その他にも多くの患者にサービスを提供しているという。

同スタートアップは非常に新しいサービスで、数週間前にローンチされたばかりだが、すでに国外の患者からの問い合せも受けているので、利用者の数が増えるのは確実のようだ(「インドで、このような新しいコンセプトを確立するのには時間がかかります」とBahri氏は述べている)。同サービスが独創的なアプローチを採用し、現実の問題を解決しようと取り組んでいることを考えると、Medeelには成功してほしいと思う。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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