コンサートなどのチケットをユーザー間で売買できるマーケットプレース「チケットキャンプ」を展開するフンザは6月5日、サービスのスマートフォン対応を発表した。近日中のアプリ化も予定しており、iOS、Androidへの対応を計画中としている。
チケットキャンプの公開は2013年4月末、リリース約1カ月のスタートアップ。従来からある同様のサービスや、ヤフオク!などと比較して、ユーザーのリクエストによる売買アイデアが特徴。
サイトを眺めると、今日現在で6,000枚近くのチケットが出品されており、ユーザーの反応は悪くないように見える。この点について運営するフンザ代表取締役の笹森良氏に話を聞いたところ、独自の仕組みでユーザー間のインタレストグラフを構築した結果、バイラルマーケティングがうまく機能している、と話してくれた。
一方で、まだこのあたりの仕組みについては実験している箇所も多く、詳しい情報については非公開なのだそうだ。
そして興味深いのはトラフィックだ。PC版対応しかしていなかったにも関わらず、実にユーザーの8割近くがスマートフォンからの利用だったのだという。今回のスマートフォンウェブ対応も他の機能追加を後回しにして優先させたというのだから、予想以上に急激な変化だったのだろう。スマートデバイスへのシフトはここでも語られていたが、実感できる話題が多い。
ちなみにチケットキャンプは先頃開催された招待制カンファレンスでピッチをしている。ここでの情報によれば一取引あたりのコンバージョン単価は25,000円ほどで、笹森氏によれば「チケットはペアでのやりとりが多く、平均すると1.6枚をやり取りしている」のだという。これが取引あたりの単価を引き上げる要因になっているのだ。
ところでチケット流通といえば、この記事でも取り上げたチケットストリートをはじめ、古参プレーヤーや巨大オークションサイトなどがライバルとなる。
「メンバーの一人がももクロの強烈なファンで、チケット売買で従来のサイトを使っていたんです。けど、よく見ると10年近く進化していないような状況で、スマートフォン対応もしていなかった。さらにプレーヤーの内、公開されているIR情報を眺めると大きな利益構造もある。これはチャンスと一気にプロジェクトを進めました」(笹森氏)。
運営するフンザのチームは元Zynga Japan。「ソーシャルゲームで培ったノウハウがここに活きている。これからはストック型のビジネスにチャレンジしたい」という笹森氏。スマートフォンシフトがどのような変化を巻き起こすのか興味深い。
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