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なぜ世界を前提としたプロダクトづくりがスタートアップにとって大切なのか、その理由と3つのアドバイス

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日本のスタートアップは世界を前提としたプロダクト開発をする必要があるのだろうか? もちろん答えはそのスタートアップのモデルや到達したい場所による。しかし「世界展開」は決してなんとなく言われているだけのことではない。 ブランドン・K・ヒル氏はアジアを中心としたクロスカルチャーのブランディングおよびマーケティングを提供するコンサルティングファーム「btrax」の創業者兼CEO。 北海道に生まれ、サンフ…

日本のスタートアップは世界を前提としたプロダクト開発をする必要があるのだろうか?

もちろん答えはそのスタートアップのモデルや到達したい場所による。しかし「世界展開」は決してなんとなく言われているだけのことではない。

ブランドン・K・ヒル氏はアジアを中心としたクロスカルチャーのブランディングおよびマーケティングを提供するコンサルティングファーム「btrax」の創業者兼CEO。

北海道に生まれ、サンフランシスコ州立大学在学時からウェブデザインやプログラマとして活躍、現在はbtraxが主催するSF New Tech Japan Nightなどの運営を通じて国内スタートアップの海外進出を支援している。

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本稿ではブランドン氏がMovida Schoolで起業家たちに語った、サービスを考える上で必要な世界展開の視点を次の4つに整理してお伝えする。

1:最初から世界を視野に入れたサービスづくりを考える理由
2:プロダクトを絞り込むことで高いユーザー体験を生み出す
3:マーケットによって異なるニーズの違いを理解する
4:「国内生産、海外展開」のチーム作り

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最初から世界を視野に入れたサービスづくりを考える理由

もしかしたらここに疑問を持っている起業家もいるかもしれないが、ブランドン氏はやはり「数の限界」を指摘していた。

「日本のITベンチャーとシリコンバレー等を中心とする世界的なスタートアップの違いはプロダクト構成にあります。当然、ひとつの事業にフォーカスした方が圧倒的に強い。 人やカネ、ノウハウといったリソースを集中的に投入できるからです。 絞って成功すれば大きな収益も大型株式公開も見えてくる」。

facebookにTwitter、はたまた最近100億ドルの評価を得たDropboxにAirbnbといった世界的なスタートアップはいずれもプロダクトを絞っている。

「一方、国内だけで進めると、会社がある程度の規模になったとき、どうしても人口の限界があるので、次の事業の柱を立てなければスケールが厳しくなってしまう。この例は楽天やサイバーエージェント、DeNAなどずらりと並ぶ」。

ブランドン氏によれば、最初からグローバルに展開を考えた場合、対象となるユーザー数はざっくりと日本だけを考えた場合に比較して10倍の差が生まれるのだそうだ。つまり世界展開には「なんとなくいいな」ではなく明確な理由がある。

では具体的にどうやったら世界に通用するプロダクトを展開できるのだろうか。以下にブランドン氏のアドバイスを続けよう。

プロダクトを絞り込むことで高いユーザー体験を生み出す

facebookやEvernote、TwitterにInstagram。全て日本のものじゃないけど使える。なぜ、そういう違いが日本のプロダクトと海外のものに生まれるのか。それはやはりひとつのプロダクトにフォーカスしているからだ。品質の追求にどうしても差が生まれる。

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「例えば私はお店探しにサンフランシスコでYelpを使うのですが、価格帯や席の空き具合、人数を指定するとすぐに該当店舗が出てきます」。

しかし、国内にはこの体験性を再現してくれるプロダクトはないという。市場が小さく、広告などのマネタイズを優先させるあまり、ユーザー体験を犠牲にしている可能性があるというのだ。こうなるとさらに海外には通用しなくなってしまう。

マーケットによって異なるニーズの違いを理解する

マーケットにあったプロダクトを展開しなければ他の地域で使ってもらうことは困難になる。例えばメッセージングであれば、アメリカにいるときはLINEではなくより多くの友人が使っているWhatsAppを使うし、中国であればWeChat、韓国であればカカオといった具合の話だ。

「マーケット毎にニーズが違うんですね。例えばアメリカでは電話というのはそもそも定額なんです。だから無料通話を押してもニーズはありません。一方で日本では1分いくら、という価格設定ですから無料通話を欲しいと思う人もいるでしょう」。

ローカルルールの熟知は当然の話だということがよくわかる。

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「国内生産、海外展開」のチーム作り

ブランドン氏が今回の話でもっとも難しいポイントとして挙げたのがチームビルディングについてだ。彼の話を整理しよう。

シリコンバレーの技術者は日本の4倍かかる

まず、シリコンバレーで最高の技術者を採用する、というのは馬鹿げた話なのだそうだ。理由は単純、既に大手に取られてるからだ。さらに技術者の価格高騰も優秀な人材に手を出せない理由のひとつになる。ブランドン氏の話には、初任給で1500万円なんていう数字も挙げられていた。

「それぐらい出さないと大学卒業して数年の経験しかない人でも雇えないんです。数千万から数億円という数字もあるんです」。

国内生産、海外展開の事例

一点、日本のスタートアップが有利になる方法があるという。それが「国内生産、海外展開」の方法だ。日本のチーム(特に開発)はコストがシリコンバレーに比べて安い。給料は倍、それなのに働く時間は半分。結局コストとしては4倍かかることになる。

日本にものづくりの拠点を持ち、資金はシリコンバレーで調達する。このスタイルに成功しているのがgengoやTokyoOtakuModeなどだ。ボードメンバーが世界で通用する人材を集めているのも共通している。

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最初から世界に向けて作ればいい

また、日本でうまくいった事業を世界展開する場合、リソースの配分が難しい。海外展開したとしてもすぐに成功するわけではないし、多くの場合は結局国内の事業が優先となり、いつの間にか海外向けのサービスが消えてしまうことにもなりかねない。

これに対するブランドン氏のアドバイスは「最初から海外向けに作ること」とシンプルだ。

「海外ユーザーに使ってもらうことを最優先に考えて、結果的に日本のユーザーもつけばよかったね、という展開を目指した方がいい」。

この判断はなかなかできるものではないが、自身のプロダクト、マーケット、そしてなによりどの高みを目指すのかで、決めるべきことなのだろう。

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プロダクトを通じて世界をどのように変えたいか–リバネス丸氏が語る「ベンチャーに必要な熱量と事業運営における考え方」

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社会にどれだけ変化をもたらすことができるかを考えることは、ベンチャーにとって必要な要素だ。自分が社会に対してどのような価値を提供できるか、自分のプロダクトが世界に広まった時に、どのような社会になっているのかを想像することで、活動のモチベーションにもつながる。科学教育と人材育成を行っているリバネス代表取締役CEOの丸幸弘氏は、サイエンスやテクノロジーが広まった新しい世界を作り出すためにさまざまなアイ…

社会にどれだけ変化をもたらすことができるかを考えることは、ベンチャーにとって必要な要素だ。自分が社会に対してどのような価値を提供できるか、自分のプロダクトが世界に広まった時に、どのような社会になっているのかを想像することで、活動のモチベーションにもつながる。科学教育と人材育成を行っているリバネス代表取締役CEOの丸幸弘氏は、サイエンスやテクノロジーが広まった新しい世界を作り出すためにさまざまなアイディアを生み出し、日々行動し続けている人物だ。

同氏が語る「ベンチャーに必要な熱量と事業運営における考え方」についてまとめた。

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研究者と一般の人の差を埋めたい

リバネスは、2002年に理工系大学院出身の15人で設立した、科学教育と人材育成のベンチャー企業だ。時代に合わせて技術は進化しているのに、教科書はまったく変わっていない。そのため、研究者と一般の人たちの間には最先端のサイエンスやテクノロジーに関する認知の差が生まれている。そこで、最先端の知識に精通している大学院生が教育現場に情報を届けることに、価値が生まれると考えたのがリバネス設立のきっかけだ。

サイエンスやテクノロジーに関わる人たちが活躍できる社会へ

企業理念は、「科学技術の発展と地球貢献を実現する」ことだ。リバネスの社員全員が修士号もしくは博士号を取得しており、サイエンスが好きという共通項をみんな持っている。出前実験教室を通じて、研究室にこもって研究に没頭していた大学院生らを小中学校に派遣し、コミュニケーション能力を育成することで他の研究機関から声がかかり、博士課程終了の学生が就職できないという社会課題を解決している。世界の研究所とリバネスが連携することで、新しい技術をもとにした開発支援ができ、人材育成と新規事業の創発を促すこともできる。サイエンスやテクノロジーに関わるすべての人たちが活躍できる社会にすることが、リバネスの大きな目的だ。

自分たちにしかできないことをやる

ベンチャーとして必要な要素がいくつか存在する。一つは、自分たちにしかできないことを事業の柱にすることだ。リバネスは、民間企業が参入できなかった小中学校、高校への出前実験教室を初めて提供した企業だ。サイエンスの素晴らしさを伝えたいという思いがあったからこそできた事業だ。今では学校現場とネットワークができ、リバネスの事業全体の基盤となっている。

ただの下請けにならないこと

二つ目は、ただの下請けにならないこと。自分たちの強みが活かせる仕事を選び、自信と誇りを持って仕事に取り組もう。そのためには、プロジェクトの発注者と対等な立場でゴールを目指す関係でいなければいけない。契約条件も細部まで主張し、時に高額な案件でもただの下請けになるのであれば断るくらいの気概を持とう。

長期的な仕事を選ぶ

三つ目は、短期的な仕事ではなく長期的な仕事を選ぶことだ。過去に、100件の論文を読んで報告書を書くという案件や、50人の研究者インタビュー記事を書くという案件があったが、このような仕事は、リバネスにとって価値のあるもので、その後のリバネスの活動の大きな下支えとなった。さまざまな案件をベンチャーはこなしていかなければいけないが、仕事を選ぶ際に気をつけておきたいことは、関係資産や自身の能力向上などにつながる仕事は、仮に安価であっても自身の活動にとって効果をもたらす。逆に、高額でも自身の活動にとって意味が生まれづらい案件は受けないほうがいい。ベンチャーにとって、金銭的価値以上に長期的な資産となる仕事を選ぶことが大切だ。

ベンチャーは儲からないことをやろう

四つ目は、ベンチャーは儲からないことをやろう。大手がやらないことをやるのがベンチャーだ。儲かる仕事は参入障壁が低く大手も参入してくるが、儲からない仕事は参入障壁が高く、大手は入りづらい。ベンチャーは、儲からない仕事を試行錯誤して儲けられる仕組みにすることで価値が出てくるからこそ、率先して儲からない仕事を選ぼう。

1円でもいいからお金をいただくこと

五つ目は、どんな案件でも1円でもいいからお金をもらうこと。無料はいつまでたっても無料のままだ。大事なことは、お金をいただいたという事実が、相手と次の関係を築くきっかけとなる。そして、お金をいただいたら、1万円の仕事でも100万円くらいの仕事の価値を提供することで、次の仕事を引き出すことができる。

大切なのは、楽しむこと

ベンチャーで忘れてはいけないことは、とことん楽しむことだ。自分の好きなことをやったほうが絶対いいし、世の中のためになることをやったほうがいい。自分自身が楽しく、そして世の中をあっと言わせることができるかどうか。そこに楽しさを見出して行動してもらいたい。

プロダクトそのものではなく、プロダクトを通じて世界をどのように変えるか

ベンチャーとしてなにより大事なことは、あなたのプロダクトが世界をどのように変えるかだ。あなたのプロダクトやサービスそのものが売れることではなく、あなたのプロダクトやサービスが拡がり、変える世界が大事なのだ。

世界を変えるビジネスは、たった1人の「熱」からうまれる、ということを胸に刻んで日々を過ごしてもらいたい。

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時代の半歩先を見据えて行動すること−−Retty武田氏が語る「ビッグピクチャーと徹底した実行力」

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事業を急成長させるためには、立ち上げる前の入念な準備と、定めた方向性に対する徹底した行動力が必要だ。 武田和也氏が運営する「Retty」は、現在ユーザ数150万人、17万店舗の情報と70万件以上の口コミが集まっている、実名型のグルメ投稿サービスだ。 同氏が語る、起業家に必要な「ビッグピクチャーと徹底した実行力」についてまとめた。 多くの人を幸せにするサービスを作りたい もともと起業しようと考えてい…

事業を急成長させるためには、立ち上げる前の入念な準備と、定めた方向性に対する徹底した行動力が必要だ。

武田和也氏が運営する「Retty」は、現在ユーザ数150万人、17万店舗の情報と70万件以上の口コミが集まっている、実名型のグルメ投稿サービスだ。

同氏が語る、起業家に必要な「ビッグピクチャーと徹底した実行力」についてまとめた。

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多くの人を幸せにするサービスを作りたい

もともと起業しようと考えていて、シリコンバレーに一年間滞在して事業を構想していた。当時、アメリカではスマートフォンやソーシャルメディアが普及しており、日本でも同様の現象が起きると考え、実名ユーザによる口コミグルメSNSのRettyを作ろうと決意し、日本に帰国して会社を設立した。

世界展開できる事業領域かどうかを考える

Rettyのビジョンは「食を通じて世界中の人をハッピーにすること」。人を幸せにするためには事業を成長させる必要がある。事業環境によってサービスがピボットしたとしても、事業領域そのものまで変わっては意味がない。スケールする市場としての事業領域をぶらさずにしっかりと定めるためにも、勝負する領域は慎重に選ばなければいけない。世界展開できるかどうか、日本が世界に誇る領域かどうかも考えなければいけない。その結果、日本が世界に先駆けてイノベーションを起こせるものとして、食という事業領域を選んだ。

長期的な視点を持った意思決定を行うこと

二人で創業した時点では、エンジニアもデザイナーもおらずチームができていなかった。システム開発を外注することもできたが、自分たちで時間をかけて勉強してプログラミングを学ぼうと意思決定した。日本におけるスマートフォンやソーシャルメディアの普及には、時間的な余裕があると考えたからだ。すぐに外注してリリースを早めるよりも、時間をかけて内製で作れるようにしたほうが長期的な成功につながるという確信があった。

人を巻き込むためには行動力が重要

相方がエンジニアリングの勉強をしている間、私はエンジニアやデザイナーを探し始めた。その時の目標は、いかに多くのエンジニアやデザイナーをオフィスに連れてくるかだった。最初の仲間探しは行動力が大切だ。いかに人を巻き込めるか。そのためには情報をオープンにして、自分たちの活動や考えを知ってもらうことだ。将来の話なども含めて思いを伝えることで人を巻き込むことができる。もちろん、失敗も数多く経験したが、人を巻き込むためのコツを掴むことができたため、その後の採用活動にも良い影響を与えることができた。

時代の半歩先を見据えて行動する

サービスリリース時は、メディアに掲載されて話題となった。ちょうどソーシャルメディアが日本で普及し始めたタイミングでもあったため、人とのつながりをもとにしたサービスということで注目された。アメリカで抱いた構想と、開発のタイミングの決断に意味があったと実感。時代の半歩先を見据えて行動することで、事業のタイミングやサービス認知・拡大のチャンスを掴みやすい。

長期的な視点をもとに、方針を定めること

シードファイナンスを経て、6名のフルコミット体制ができた。まずは日本一へのサービスの道のりとして、最初の2年間は口コミ集め以外やらず、マネタイズも考えないという決断をした。サービスとしての軸を定め、長期的な視点で一つのことにフォーカスすることで、急成長のための方向性を定めることは、スタートアップにとって大事なことだ。

話題性を作ること

サービスを急成長させるために、ユーザ拡大につながる施策を数多く実施した。Retty Nightなどのレビュワーイベントを定期的に開催し、ユーザ参加型というイメージを作り上げた。キャンペーンは2ヶ月に一回程度の期間で実施。「連れてってキャンペーン」では「連れてってボタン」が生まれて多くの人の興味関心を集めるなど、話題性があって投稿数の最大化につながるものを意識して実施した。キャンペーンの失敗と成功の経験のノウハウも蓄積した。プレスリリースは2週間に一本配信するなど、リリース初期の頃はいかに話題性を作るかを大事にした。

独自の成長エンジンを作り出すこと

招待機能の追加や大手企業との連携など、さまざまな手法を通じてユーザ拡大施策を実施した中で、口コミを投稿したソーシャルメディアのフレンド数に会員獲得の相関関係があることがわかり、ソーシャルメディアによる独自の会員獲得手法を編みだした。ユーザ獲得のための成長エンジンが明確になったため、会員数が安定的に伸びてきた。PRやSEO、ソーシャルメディアによるマーケティングなどさまざまな手法がある中で、ユーザ獲得のための注力すべきポイントがロジカルに説明できるようになり、1億円規模の資金調達を成功することができた。

スケールのための新しい取り組みを徹底的に行う

ユーザ数は順調に伸びてきたが、それまでの成長エンジンだけでは目標には到達しないと考え、新しい成長エンジンをつくるためにリニューアルで力を入れるポイントをシフトすることにした。App Store 内検索最適化(ASO)をいち早く実施したり、ソーシャルリクルーティングサービスのWantedlyではPV数をしっかりと定めて運用することで、社員やインターンの採用にも大きく影響を与えたりすることも分かった。お店探しの機能を強化するために、お店まとめ記事によるコンテンツマーケティングも実施した。

こうした施策を通じて、2013年12月でUU150万を達成し、急成長することができた。東京カレンダーとのコラボ書籍企画では、ブランド価値を高めることができるなどPRにも大きな効果をあげることができた。サービスとしてのスケールが見えてきたことで、3.3億円の資金調達を行うことができ、Rettyは次の成長フェーズへと移り始めてきている。

ビッグピクチャーを描き、強い信念を持ってやりきること

これまでの経験を通じて実感したことは、起業家は、初めにビッグピクチャーを描くことが大切だ。そのビッグピクチャーに対して強い信念を持ち、徹底的に実行していくことで事業が急成長しながら形になっていく。

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アイディアの実現にこそ価値がある−−Lean Startup Japan和波氏が語る「起業家が持つべき意識の変革」

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斬新なアイディアを着想するだけではなく、そのアイディアを実現可能な形に落とし込み、事業として継続する形へと作り上げることが求められる。そのためにも、アイディアをブラッシュアップしながら、どう無駄のないアクションを行うかが重要だ。 Lean Startup Japanの和波俊久氏は、日本におけるリーン・スタートアップの事例研究や普及活動を中心に起業支援を行っている。また、企業向けの新規事業開発のコン…

斬新なアイディアを着想するだけではなく、そのアイディアを実現可能な形に落とし込み、事業として継続する形へと作り上げることが求められる。そのためにも、アイディアをブラッシュアップしながら、どう無駄のないアクションを行うかが重要だ。

Lean Startup Japanの和波俊久氏は、日本におけるリーン・スタートアップの事例研究や普及活動を中心に起業支援を行っている。また、企業向けの新規事業開発のコンサルティングを通じて企業内にリーン・スタートアップの考えを浸透させ、日本社会に起業文化を広める活動をしている。

同氏が語る、起業家が持つべき意識変革についてまとめた。

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日本にシリアルアントレプレナーを増やすこと

世界には、シリアルアントレプレナーと呼ばれる2回目や3回目にチャレンジする人たちがいる。そして、2回目以上のほうがビジネスを作る能力は高くなる。日本では依然として起業率は低いため、起業家人口を増やすことは確かに大きな目的だ。しかし、人数を増やすことにも限界がある。一人の人間が複数回の起業ができるようになれば、さまざまな可能性を秘めている。そのためにも、アントレプレナーマインドを持った人を育てることが大事だ。

リーン・スタートアップの考えが浸透することで、起業の循環システムが広がる

失敗は誰もがするものだ。だからこそ、失敗を受け入れる仕組みが必要だ。そこにリーン・スタートアップの考えが必要になってくる。リーン・スタートアップを理解する企業が増えれば、リーン・スタートアップを経験した起業家は大企業から見ても価値のある人材だと認識される。それによって起業の循環システムが形成され、失敗しても再挑戦しやすい環境にできあがる。

変化するやりたいことに対して、適切な“やり方”と“はかり方”を見出すこと

リーン・スタートアップとは、やりたいことが決まっていない新規事業を成功させるためのプロセスだ。そのためには、やりたいことをいかに言語化するかが大事だ。往々にして、やりたいことは刻一刻と変化する。変化するやりたいことに対して、顧客開発やMVP(実用最小限プロダクト)、ピボット、スモール・バッチ、仮説検証、ユーザ・フィードバックなどの方法を模索し、KPIを設定し、それを明確に測定する方法を見出すことで、やりたいことの実現可能性を高めていく。やりたいことの実現のために、“やり方”と“はかり方”を作ることがリーン・スタートアップの考えなのだ。

失敗の経験は万人共有

いままでの成功者は自身の成功体験を述べるばかりだったが、成功方法は十人十色だ。エリック・リース氏の『リーン・スタートアップ』やスティーブン・ブランク氏の『アントレプレナーの教科書』は、共通する失敗や「こんなやり方はやめよう」といった今までとは違った視点から書かれた書籍だ。彼らは、失敗の経験はみんな同じであり、「成功する前に資源を使い果たしてしまう」と言及している。ベンチャーの最大資源はお金とモチベーションとサポート。これらの資源を長く保ちながら、まるべく早く成功へと導く、という二つの課題を叶えるための手法がリーン・スタートアップと言える。

事業アイディアはフリマ化しているからこそ、アイディアの実現に価値がある

クラウドとモバイルといった環境の変化が、リーン・スタートアップ普及のきっかけとなった。それまで、ウェブサービスを始めるためには、起業準備や環境整備のために莫大な資金が必要だったが、今やその多くが無料かもしくは安価で用意することが出来る時代へと移り変わった。この環境の変化により、アイディアを世に出すことに必要なコストが下がった。つまり、アイディア自体に価値がなくなった時代であり、「事業アイディアのフリマ化」と言ってもいい。だからこそ、そのアイディアを実現することや継続することに価値があるのだ。

アイディアに時間を費やすのではなく、作り始めることに時間を費やすほうが成功の確率は上がる。それが、リーン・スタートアップが必要とされる理由なのだ。

多くの人が自分事だと自覚できる病気を作り出すこと

多くの起業家は、薬という解決策を提示するだけで、その薬が何に効果があるのかを明確に提示していない、もしくは顧客がその薬の必要性を理解していないといったことが往々にしてある。顧客自身が持っているニーズを把握できていない状況では、どんなに素晴らしい薬を出しても意味がない。そこで、病気(マーケット)も同時に作り出すことで、顧客が気づいていないニーズを明確にすることで病気に自覚できるようになり、新しい顧客開発を行うことができる。

グルーポンの例をあげると、個人で購入していることが損をしている(病気)という課題を作り、共同購入(薬)という解決策を導き出したからこそ、成功への道筋を作り上げることができた。スタートアップの仕事は素晴らしい薬を作ることではなく、多くの人が自分事だと自覚できる病気を作り出すことでもあるのだ。

思い込みを捨てよう

思い込みを捨てて、顧客から学ぼう。自分のアイディアだけでは失敗するということを知ろう。さきほどベンチャーに必要ものの一つにモチベーションと述べたが、モチベーションは自身の思い込みによってその強さが左右される。しかし、思い込みが強ければ強いほど自身が持っている考えをそのままマーケットにぶつけても顧客からは理解されずらい。ビジネスは、自分の頭の中のものをいかにマーケットから欲しいと思わせるか。そのためのポイントを見出すことが事業を作ることだ。思い込みを捨て、顧客からのフィードバックに従ってプロポジションを修正することが求められる。

真のフィードバックを重視し、実験と検証を繰り返すこと

アイディアをどのように進めていくか。そのためには、徹底的に無駄を排除して実験と検証を繰り返すことだ。無駄がないと思える状態を、いち早く作り上げるための体制を作ることが、リーン・スタートアップの根底にある。自分に都合のいいフィードバックに惑わされることなく、自身の顧客との真のフィードバックを重視すること。そうでないと嘘で塗り固めた仮説検証ばかりすることになる。

アイディアから構築、製品、測定、データ、学習、そしてアイディアへといったリーン・スタートアップの循環を強く頭に刻み込むことが大切だ。

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起業家がすべきは事業価値を高めることだ−−East Ventures松山氏が語る「シードラウンドにおける投資基準と、起業家が持つべき経営判断」

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スタートアップの成長において、シード期の環境をどう作るかで、立ち上げの成功が大きく変わってくる。 松山太河氏は、ネットエイジ取締役やeグループなどを経て、エンジェル投資組合のクロノスファンドのパートナーや、日本やインドネシアを中心とした東南アジアのスタートアップを支援する投資ファンド兼シードアクセラレーターEast Venturesのパートナーを務めている人物だ。 同氏が語る、シードラウンドにおけ…

スタートアップの成長において、シード期の環境をどう作るかで、立ち上げの成功が大きく変わってくる。

松山太河氏は、ネットエイジ取締役やeグループなどを経て、エンジェル投資組合のクロノスファンドのパートナーや、日本やインドネシアを中心とした東南アジアのスタートアップを支援する投資ファンド兼シードアクセラレーターEast Venturesのパートナーを務めている人物だ。

同氏が語る、シードラウンドにおける投資基準と、起業家が持つべき経営判断についてまとめた。

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シード期に必要な支援を通じて、起業家を育てることがミッション

投資の判断軸として、まだプロダクトができていないスタートアップに対しては、起業家個人のことをよく知っていたり、過去にプロダクトを作って実績を作ったことがある人に投資している。しかし、ほとんどは動いているプロダクトを見てから判断し、投資を行っている。

投資額は大きな額ではないが、例えばEast Ventures アクセラレータープログラムやシリアルアントレプレナーのネットワークの提供を通じて、投資先のスタートアップの成長をサポートしている。East Venturesはインドネシアにも投資をしている。過去にインドネシアのスタートアップのシード期に投資をしていたが、現在では事業がある程度進んでいるミドル期の投資で成長を支援している。

まずは一つのプラットフォームで成果を出せ

アプリ開発で、iOSとAndroidのどちらから先に始めればいいかといった相談をされることは多いが、私は人的リソースがあるプラットフォームから先に開発したほうが良いと考えている。つまり、メンバーにiOSで開発できる人がいればiOSから始めればいい。始めから両方やるのではなく、まずは一つに絞ってからスタートしたほうが良い。iOSとAndroidのどちらにおいても、最低でも10万ダウンロードを初期に達成しなけばその後の成長は見込めず、別のプラットフォームに移動しても成功しない。

VCやCVCの違いを理解しろ

East Venturesなどの独立系VCは、運用額は小さいがシード期などの早い段階に対して積極的な投資を行なっている。事業会社が運営しているCVCは、億単位の投資を中心とし、ミドル期以降の大型投資を行うことが多い。CVCや金融系VCなど、会社組織が運営するVCからの投資を受ける際に気をつけるべき点は、担当者が途中で変わる可能性が高いことだ。投資先との癒着などが起きないように定期的に部門移動が起きるため、そうした企業内のサイクルを理解した上で、コミュニケーションを図っていこう。

リスクを背負う人に対してお返しをする意識を持て

エンジェル投資家やVCからの投資であっても、そのお金は借金で借りたお金だという意識で取り組むスタートアップのほうが、成功しているケースが多い。逆に、リスクマネーだと思っている起業家は、お金に対して責任を負っているという意識が薄いため、失敗することが多い。リスクを背負って投資をしてくれる投資家に対してお返しをする、といった感覚を持つことが、成功の要素の一つと言える。

初期の株主は、一生付き合っていくパートナーだと思え

社員を企業から外すことはできても、株主は一度企業の中に入ったら抜けさせることはほぼ不可能だと思ったほうが良い。それくらい社員と株主の性質は違う。ある程度成長段階が見えた後で、自身と考え方が違う人物が株主がいることは、新しい発想を見出したり違った業界とのネットワーク構築をしたりするのに有効だが、初期の頃は立ち上げ期を共に過ごす仲間であると認識し、一生付き合っていくパートナーだと思えるような相手を選ぶべきだ。

会社の価値を正確に把握し、提案すること

バリュエーションについては、自社の価値を正確に把握して提案しないと、投資家から信用を無くし、その後の経営に影響を及ぼすかもしれない。仮に今回は投資が断られたとしても、コミュニケーションを通じて信頼を得ることができれば、次のラウンドで投資をしてくれるかもしれないし、投資以外の協力が得られるかもしれない。投資家とのコミュニケーションにおいては、バリュエーションを意識しすぎるよりも、信頼関係を大事にしたほうが良い。

株の比率を意識するよりも、事業価値を高めることに力を注げ

株の比率を過剰に意識しすぎてはいけない。事業が成長した結果、時価総額1000億円規模で起業家が20%の株を所持していれば200億円となるが、時価総額が100億円しか成長せず、かわりに株の比率が50%だったとしても起業家の手元には50億円しか残らない。起業家がすべきことは、株の比率を気にすることではなく、事業にしっかりとコミットして売上を伸ばし、最終的な事業価値を少しでも高くするように経営することだ。

定石に囚われず、自分の軸を持って事業を進めろ

起業の成功パターンは企業によってまったく異なるため、あまり定石や成功者の意見に左右されすぎてはいけない。これまでに成功してきた起業家をみても、方法論は起業家それぞれで千差万別だ。もちろん、ロールモデルを探して真似るのは大事だが、サービスや経営者の個性によって成功の道筋は違ってくるということを意識して、自分の中の軸を定めて行動して欲しい。

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成功のために最適な投資家を選べ−−セールスフォース倉林氏が語る「CVCとVCそれぞれの役割と価値」

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サービスを拡大していくためにも、投資が受けられるVCを知り、自身のステージやサービスに応じたパートナーを選ばなければいけない。 倉林陽(あきら)氏は、三井物産にて国内及びシリコンバレーのVC経験を経た後、Globespan Capital Partnersを経て2011年からセールスフォース日本投資責任者として戦略投資を推進している人物だ。 同氏が語る、アメリカのVCが持つ役割と価値、そしてCVC…

サービスを拡大していくためにも、投資が受けられるVCを知り、自身のステージやサービスに応じたパートナーを選ばなければいけない。

倉林陽(あきら)氏は、三井物産にて国内及びシリコンバレーのVC経験を経た後、Globespan Capital Partnersを経て2011年からセールスフォース日本投資責任者として戦略投資を推進している人物だ。

同氏が語る、アメリカのVCが持つ役割と価値、そしてCVCとVCの違いについてまとめた。

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起業家から投資家への道

アメリカでVCに求められるのは、過去のスタートアップの経営経験、自身が得意とする業種やジャンルの専門性、そして、誰とでもコミュニケーションが社交性だ。日本では大学卒業後に大手VC会社に就職すればすぐに投資担当になれるが、アメリカでは大学院で研究し、その後起業家や共同創業者となり、そこでビジネスオペレーションの実績を残してから投資家になるケースが増えている。

どういった人物がサービスに出資するかが、サービスの成長を左右する

Matt Cohler氏という人物は、イエール大学を卒業後マッキンゼーに就職し、初期のLinkedInに転職。その後Facebookに5番目の社員としてジョインした。同社の拡大に貢献した後、Benchmark CapitalのGeneral Partnerとして活躍している。彼が過去に投資を行ったスタートアップは、DropboxやInstagram、Asanaなどがあり、個人としてもPandoDailyやPathに出資、役員としてQuoraやCouchsurfingなどの経営に関わっている。ソーシャル系のサービスに多く出資しており、彼が目をつけるサービスは伸びる可能性が高い、と言われるようになった。どういった経歴の人物がどういったサービスに出資するかということも、スタートアップが成長する要素の一つとなっている。

起業と投資がセットになっている

優秀な人が起業を経験し、成功したらそのお金を元手に投資側に回る。こうして、起業と投資がセットになっているからこそ、スタートアップエコシステムが構築されやすい。投資家としてのポジションを作るためにも、自身が経験したスタートアップの業界や、特定の分野に関して精通していることも重要だ。ぜひ日本でもそうした人物が多く誕生し、投資に回ってほしいと願っている。

VCのビジネスモデル

VCのモデルは、個人出資家と、彼らのお金を管理運営者に託す投資ファンドから成立し、VCとはその管理運営者のことを指す。VCは、持っている専門知識や人脈をもとに投資判断を行ない、投資ファンドから年2%程度の管理報酬を受け取り、IPOなどによって資産価値が上昇すれば20%程度の成功報酬を受け取ることができる。

VCにとって、マーケットが最優先事項だ

VCがスタートアップに対して投資を判断する分析項目として、マーケット、プロダクトもしくはテクノロジー、ビジネスモデル、競合、チーム、そしてイグジットポテンシャルの6つの項目を注視する。

その中でも、マーケットが一番大事だ。VCによっては、スタートアップの成功にはマーケットが最も重要だという人もいるくらいだ。AppleやOracleなどに出資をしたDon Valentine氏がスタンフォード大学で講演した映像があるが、ぜひこれも観ていただきたい。マーケットを最優先する理由の一つとして、マーケットが大きいため勝機を見出しやすいということが言える。競合優位性がなくてもチャンスを得やすく、こうした大きなマーケットの波に乗ることもスタートアップの選択肢の一つだ。

オープンイノベーションを促進するためにCVC

最近はCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)が日本でも多く誕生してきている。その理由として、製品開発のイノベーションにおいて、もはや内部リソースだけではイノベーションは起こしにくいからだ。そこで、外部の企業やスタートアップと協働し、投資やM&Aなどを通じて知識や経験、技術などを持つスタートアップを獲得するためにCVCは動いている。ノウハウ共有や協働を通じた事業展開に重きを置いているのも特徴の一つだが、欧米のCVCではキャピタルゲインをしっかり出すことも重視している。

報酬体系の違いがCVCとVCの動きに影響を与える

米国では独立系VCが成功報酬等パフォーマンスに応じた給料体系を持つのに対して、CVCはフラットな給料体系で働いている。よってCVC担当者にとってキャピタルゲインを出すことによるrewardよりも、失敗した時のリスクの方が大きいため保守的な運用になり、結果として独立系VCに比べて投資ステージが遅く、他のVCとの共同投資を好む傾向があることが、近年の研究で明らかにされている。日本ではフラットな給料体系の独立系VCも多いため一概に米国の傾向を当てはめる事が難しいが、日本においてもこの傾向はある程度当てはまると言えよう。

CVCの投資による信頼の獲得

スタートアップがCVCから投資を受けるメリットとして、お金以外にも、販売チャネルや開発施設、顧客紹介などCVCの親会社のアセットを活用し、さまざまな事業展開が可能なことが挙げられる。さらに、スタートアップにとってはブランドエンハンスメント、つまりCVCが株主としていることによる信頼の獲得も大きい。

アクティブに活動しているCVCを見極めよう

良いCVCを見極めるポイントは、お金を積極的に回しているかどうかだ。起業家は、アクティブでないCVCとのミーティングに時間を使ってはならない。さらに、最近投資を行っていないCVCはトレンドを把握できていなかったり、マーケットを理解できていなかったりする可能性がある。また、スタートアップとのカルチャーの親和性は大事だ。CVCの親会社を含めて起業家に対して敬意を払っているか、そして事業シナジーが生みやすいかどうかを考えよう。

どのようなスキルやネットワークをVCに求めているかを明確にする

CVCは基本的に会社組織であるため、グループ会社を通じた販路開拓などに強い。逆に、元起業家が運営している独立系VCであれば、起業家経験を通じた経営のアドバイスなどに強い。VCそれぞれが持つスキルやネットワークを見極め、自身のスタートアップが欲しいスキルやネットワークを分析し、どういうVCとパートナーを組むかを考えよう。

R&Dが強いCVCを探そう

R&Dが強いCVCは技術や業界に精通していることも多く、また外部技術を吸収する力も優れているためスタートアップにとってシナジーを生み出しやすい。自社のプロダクトやテクノロジーを生かすためにも、関連した研究開発を行っているかどうかもしっかりとチェックしておくことだ。

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ベンチマークするサービスは、点ではなく線で観測しろ−−イセオサム氏が語る「事業としてのスマートフォンアプリの心得」

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スマートフォンの普及が進み、利用率が上がってきている中、どのようにしてスマートフォンアプリを事業化していくかは必須課題だ。 株式会社HALO Co-Founder 、株式会社オモロキCSO、PLAY株式会社CEOを務めているイセオサム氏は、顔文字アプリ「カオコレ」といったウェブサービスやスマートフォンアプリのプロデュースを行っている。また、共同運営のオモロキでは、写真で一言ボケるウェブサービス「ボ…

スマートフォンの普及が進み、利用率が上がってきている中、どのようにしてスマートフォンアプリを事業化していくかは必須課題だ。

株式会社HALO Co-Founder 、株式会社オモロキCSO、PLAY株式会社CEOを務めているイセオサム氏は、顔文字アプリ「カオコレ」といったウェブサービスやスマートフォンアプリのプロデュースを行っている。また、共同運営のオモロキでは、写真で一言ボケるウェブサービス「ボケて(bokete)」を開発している一人だ。

同氏が語った、事業としてのスマートフォンアプリの心得についてまとめた。

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ユーザのニーズに合ったサービスであること

ユーザが使っている姿をイメージできるくらい、アプリのユーザ像を明確にしなければいけない。あったらいいなではなく、なくてはいけないプロダクトとなるためには、ユーザのニーズをしっかりと掴まなければいけない。ネット業界にいると、アプリに対して偏った意見になりがちだ。一般の人たちに使ってもらうアプリを作るためには、多方面に意見を求めるべきだろう。

アプリのマネタイズ視点を始めから持っておく

アプリの事業モデルは、広告や課金、コマースなどがあげられるだろう。これらをどのように組み合わせるかが重要だ。運営しているボケては、今年から企業コラボを開始して8月に200万ダウンロードを突破した。どれくらいの規模になったら事業が成り立つのかを考え、KPIを設定しよう。

マネタイズを始める規模でアプリの成長は止まると言われているが、マネタイズは始めからやれば良いと私は考えている。クールすぎるUIにあとから広告が入ると違和感があるが、始めからプロダクトに広告があれば、改めて広告を意識することはない。資金があれば、サービスはさらに投資することができるため、マネタイズ視点を持つことは、事業にとって重要だ。

ユーザに近い場所で広告をする

最初から、広告費で数百万円を投資できるスタートアップはいない。非効率な広告に資金を費やすよりも、ユーザに近い場所に的確に広告を絞ったほうが良い。例えばレビューサイトなど、ユーザが普段から目にするメディアにアプローチしたほうが効果は高い。ユーザに近い場所でしっかりと発信していこう。

シェアされる仕組みを作ること

広告に頼らずにいかに自然流入を作るか。そのためには、アイコンとASO(アプリストア最適化)、そしてシェアされる仕組みを意識しなければいけない。アイコンは、ストア内で見られることを意識した目立つ工夫が必要だ。ユーザがアプリを使うまでに、ダウンロードしてスマートフォンのホーム画面に設置し、そこからタップして起動させるという手順があるため、これらのUXを途切れさせない設計が必要だ。ボケては、ネイティブアプリだがウェブサイトを持ち、各投稿毎にパーマリンクを設定してウェブ上でも拡散される仕組みを作り、アプリダウンロードへ誘導する情報設計を行っている。こうした情報設計を、始めから意識しておくことが大事だ。

ベンチマークするサービスは、点ではなく線で観測しろ

参考にしたりベンチマークしたいサービスは、しっかりと観測することだ。どこが変わったかを理解するために、できるだけ自分でリサーチすること。自身の五感で体験することでどこが変化したかを理解でき、言語化できればそのUXは実装することができるからだ。また、Growth Hackは伸びているアプリを真似することが一番効率的だ。日々の観測から、変化が見つけられたポイントにこそ、そのアプリが伸びている理由が潜んでいる。そのためにも、観測は点ではなく継続してチェックする線で観測する意識を持ち、変化に敏感になっておくことが大事だ。

お金をかけるところとかけないところを明確に

もちろん、勝負どころではブーストするために資金をかけてマーケティングすることも大事だ。例えば、Facebook広告はセグメントしたユーザに応じたコンバージョンの違いを理解することができ、その結果をUIに反映させるテストマーケティングとして有効だ。お金をかけるところとかけないところを明確にして、効率的に資金を活用しよう。

意味のある事業提携を結ぼう

提携が、どれだけ効果があるか意識しておこう。ボケての場合、エンタメ要素がYahoo!アプリに少なかったためボケてのコンテンツを通じてエンタメを提供でき、こちらもユーザ獲得が期待できると考え、Yahoo!と提携を行った。どこと組むか、どのように組むか、効果と目的を理解しておこう。

コミュニケーション型かコンテンツ型か

サービスを、Facebookのようなコミュニケーション型と、YouTubeのようなコンテンツ型の二つに分けて考えることができる。コミュニケーション型は、場合によって別のコミュニケーションサービスでシェアがひっくり返される可能性がある。コンテンツ型は、ストック式なので時間が立てば立つほど後続が追いつけない可能性がある。ボケては、この分類ではコンテンツ型だと考えている。自身のサービスが、コミュニケーション型かコンテンツ型かどちらのグループに属しているのかを考えた上で、どういった事業展開をすれば成長できるかを考えなければいけない。

全体最適の情報設計をすること

ただのABテストは、根本的な解決にならない。ダウンロード数が上がっても、アクティブ率が下がれば意味がないように、Growth Hackでは目先の数値の変化ではなく、もっと俯瞰した視点が必要だ。そのためには、事業全体におけるKPIの設定が合っていることが大事だ。その上で、部分最適ではなく全体最適の意識を持って設計していかなくてはいけない。

チームの役割を明確に意識すること

チームの役割が明確になっているかを考えよう。プロデューサーは、お金周りを含む企画制作に対して責任を持つ存在だ。ディレクターは、プロダクトの質、UXに責任を持つ存在であり、デザイナーはプロダクトのデザイン、UIに責任を持つ存在だ。エンジニアはプロダクトの構造、プログラムに責任を持つ存在といった区分けができる。兼務もできるが、立場に応じた別々の思考回路を持たなければいけない。

事業化する時は、採用をしっかりと行うこと

スケールするフェーズでは、事業化できる人間を早く採用することだ。また、エンジニアとデザイナーはコミュニティが分かれているため、それぞれのコミュニティに自ら足を運び、コミュニケーションしていくことで仲間を見つけることができる。

運用方法に応じたパートナーシップを考える

それでも、人を採用するのは難しい。ボケてでは、内部リソースを持たずに役員全員が別の会社を持ちながら、それぞれの得意分野を活かしてオモロキという会社を運用している。どういった運用方法が最適かを考え、しっかりとしたパートナーシップを組むことが大事だ。

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ユーザとの対話に真摯に応えること−−Zaim閑歳氏が語る「サービスのファンを増やすためのコミュニケーションと設計思想」

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技術的な視点よりも、いかにユーザに使ってもらえるデザインにするかを考えることが大事だ。サービスのファンを増やすためにも、ユーザ視点のサービス設計を心がけなければいけない。 家計簿サービスZaimを運営する閑歳孝子氏は、会社員時代に作ったサービスをもとに起業し、クックパッドから資金調達を行った。現在では100万ダウンロードを越え、サービスを拡充し、ユーザ数を伸ばしながらお金に関する新しい価値を提供し…

技術的な視点よりも、いかにユーザに使ってもらえるデザインにするかを考えることが大事だ。サービスのファンを増やすためにも、ユーザ視点のサービス設計を心がけなければいけない。

家計簿サービスZaimを運営する閑歳孝子氏は、会社員時代に作ったサービスをもとに起業し、クックパッドから資金調達を行った。現在では100万ダウンロードを越え、サービスを拡充し、ユーザ数を伸ばしながらお金に関する新しい価値を提供している人物だ。

同氏が語った、サービスのファンを増やすためのコミュニケーションと設計思想についてまとめた。

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会社に所属しながらサービスを開発

2011年当時、ユーザローカルというアクセス解析の会社に所属し、BtoB向けの開発やディレクションをやっていた。そこで個人向けのアクセス解析という視点で、お金を管理をする家計簿に注目した。すでにある家計簿アプリは見た目が難しかったりと誰もが気軽に使えるものになっておらず、もっと簡単で便利にしたいと思ったのが開発のきっかけだ。リリース当時は会社員の傍ら開発を進め、2012年9月に法人化し、現在ではダウンロード件数も100万以上を超えるサービスとなった。

自分にとって、ちょうどよい問題を見つけること

何かを作るためには、思いがなければ続かない。自身の中で、お金は生まれてから死ぬまで関わる問題であり、自分のテーマとして飽きずにやれるちょうどよいものだった。アプリやサービスを作る場合は、自分が熱中できて解決したいと思えるちょうどよい問題を見つけ、取り組んだほうが良い。

開発前に、一般の人たちに意見を聞く

自分が作るならば、家族が気軽に使えるものにしたいという設計思想があった。そこで、ウェブ業界の人たちではなく、家族や主婦の友だちなど周りにいる一般の人たちにヒアリングをし、アプリ開発を行った。2011年当時、スマートフォンを持っている人はまだ少なかったが、今後スマートフォンが一般的に普及するだろうと考え、できるだけ一般の人目線のアプリを作ろうと意識した。当たり前に使われるサービスを目指すためには、開発のヒアリング段階では一般の人たちに意見を聞くようにしたほうが、結果的に良いものが生まれやすい。

メディアで注目されるためのひと工夫

多くはないが、すでに似たような家計簿アプリは存在しており、普通の家計簿アプリではリリースしても注目されにくいと考えた。そこで、「ソーシャル家計簿」と名づけてリリースをし、メディアで注目されるポイントを作った。機能として、自身のプロフィールに似た人の平均支出が分かる仕様にし、平均に比べて交際費は多めに使っているな、ということを分かるようにした。家計簿を一人で行うものから、ソーシャルで比較するものという特徴を持たせ、メディアに注目されるポイントを作った。

ユーザとの対話を心がけること

一番力を入れたのは、ユーザからの問い合わせに素早く真摯に答えることだ。リリース当時から、一日数十件程度の機能要望や不具合の指摘といった問い合わせがあり、そうしたユーザのコメントにはすべて回答するようにし、真摯に受け答えするように心がけた。その際に意識したのは「テンプレートではない回答をすること」だ。そうすることで、ユーザに対して真剣に対応していることが相手に伝わる。

いかにファンを増やす仕掛けを作るか

直接の対面ではないからこそ、ユーザとのコミュニケーションに重点を置いている。ユーザは、金額を入力するという機械的な作業を行うため、サービスから人の匂いや温もりを感じにくい。だからこそ、気軽に問い合わせができる環境を作り、コミュニケーションを通じて人の匂いが伝わるような要素を作ることで、ユーザに親しみやすいサービス設計にした。そうすることで、次第にサービスのファンが増え、口コミ効果で広がっていった。コミュニケーションを通じた人間的な体験を提供することが、ファンを増やす一つの仕組みだ。

デフォルトアプリに近い感覚のデザインを目指した

ユーザ層は初期は男性が多かったが、今では女性ユーザが多い。ユーザ数の上昇に伴い、必ずしもユーザリテラシーが高くないユーザも増えてしまう傾向にある。そのため、誰でも使えるような画面設計を心がけた。きれいすぎるアプリは、見た目は派手だが継続して自然と使ってもらうものにはならない。華美な装飾をせず、スマートフォンのデフォルトアプリのような仕様にした。ちょっと不格好なくらいのほうが、親しみやすさを持ちやすい。普段に溶けこむようなものを目指すならば、自然なデザインを意識しよう。

エンジニアは、最適解となる技術を選ぶ力を持とう

家計簿サービスは、複雑な技術を必要としない。エンジニアに問われるのは、人間力や仕様を読み解く力だ。ユーザのニーズに応え、そこに最も最適な技術を導き出す力こそがエンジニアには求められる。複雑な技術ではなく、最適解の技術を選ぶ力を持とう。

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目標を明確にしてコラボレーションの発想を持つこと−−電通小川氏中嶋氏が語る、電通とスタートアップのコラボレーションの方法

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スタートアップは、大手企業と組むことで事業を発展させることができる。大手企業との仲介として、スタートアップが広告代理店と接することでヒントを得ることは多い。 電通コミュニケーション・プランナーの小川晋作氏は、テクノロジーとアイディアを組み合わせ、クライアントに対してプロモーションを提案している人物だ。電通コミュニケーション・デザイン・センターの中嶋文彦氏は電通の事業開発やクライアントに対するプロモ…

スタートアップは、大手企業と組むことで事業を発展させることができる。大手企業との仲介として、スタートアップが広告代理店と接することでヒントを得ることは多い。

電通コミュニケーション・プランナーの小川晋作氏は、テクノロジーとアイディアを組み合わせ、クライアントに対してプロモーションを提案している人物だ。電通コミュニケーション・デザイン・センターの中嶋文彦氏は電通の事業開発やクライアントに対するプロモーションを提案している人物だ。

両氏がMOVIDA SCHOOLで語った電通とスタートアップのコラボレーションの方法についてまとめた。

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クライアントの課題に応えるソリューション・パートナー

電通コミュニケーション・デザイン・センターは、コミュニケーションデザインやメディア・コンテンツ、デジタル、プロモーション、クリエイティブなどを軸に、経営・事業・マーケティングなどクライアントが抱えるさまざまな課題に応えるソリューション・パートナーとしてサービス提供を行っている。先進的な事例を作り、横展開できるフレームワークを作りを進めている。

コンテキストを作ること

電通の一番の強みは、「コンテキスト」を作ることだ。日々、先端技術やテクノロジーを開発している人たちとコミュニケーションをする中で、技術をどのように活用するかを考えている。ユーザの利用シーンや状況を思考し、どのようなコンテキストにその技術を応用できるかを企画していきたい。

ユーザイメージが伝わるサービスは、コラボレーションの可能性は高い

クライアントの課題解決のためにスタートアップができることは多い。電通の中のさまざまなセクションを通じて、クライアントとスタートアップのコラボレーションを作ることができる。

コラボレーションの際は、サービスのユーザ規模が一つの判断軸となる。スマートフォン展開を目指すサービスやメディアであれば、1000万人程度の媒体規模が求められることがあるだろう。しかし、10万人規模でも特定のクラスタの人たちに利用されているサービスや、ニッチな分野で一番のものであれば可能性はある。1万人規模でも、細かなセグメントによってユーザのプロフィールが推定されるものであればサービスとしての価値が高く、企画しやすい。ユーザイメージがクライアントに伝わるサービスは様々な可能性を持っている。

テクノロジーを活用することで可能性は広がる

新しいテクノロジーは、使い方によって様々な分野に応用できる。例えば、テクノロジーをカスタマイズして野外イベントで楽しんでもらったり、B2B領域でのマーケティング効率化を行うツールは強いニーズがある。カメラアプリやサービスは激戦地帯だが、プロモーション領域で活用されることも多く、使われることも多いだろう。

地方の企業と組む発想を持とう

電通は、全国にネットワークを持っている。様々な都市に支社、関係会社があり、様々な地方の有力企業と取引をしている。そのため、電通は地方のクライアントとスタートアップがコラボレーションする機会を見出すことができる。広告プロモーションやサービスのツールだけではなく、クライアントの業務効率化や最適化に向けたツールなども提供する余地が多くあると考えている。地方の企業と組むという発想を持つと、サービスの新しい展開を見出すチャンスがあると考えられる。

継続してユーザとコミュニケーションをする意識を持つ

電通は、多くのネットサービスのマーケティング支援を行ってきた。特にネットだけで認知拡大やユーザ獲得を行うだけではなく、マスとネットを合わせた統合的なコミュニケーションでビジネスをドライブさせる知見がたまってきている。そのため、お手伝いできることは様々ある。

広告的な面だけを見ると、瞬間的な盛り上がりを作ることが求められることがあるが、最近は運用やCRMや継続的なユーザとのコミュニケーションにも非常に注力している。

スマートフォンは開拓の余地がある

電通でも、近年はスマートフォンに力を入れている。電通はPCからスマートフォンへの荷重を転換している途中だ。そういう意味ではPCメインでのプランニングも多い。スマートフォンにおける広告のあり方は、まだ多くの事業者も模索している。伝えるだけではなく、資料請求や購入といったコンバージョンにどのように結びつけるか。そのための方法として、スマートフォンの開拓の余地はある。

目標を明確にしてコラボレーションの発想を持つこと

電通とビジネスをするということで信頼を得られることも多い。そういう意味では、電通は投資ではなくアライアンスによる、スタートアップのサービスやテクノロジーを広告代理店が売りやすいようにカスタマイズし、サービス開発やパッケージ化することで、応援することは可能である。また多くのナショナルクライアントとのつながりがあるため、案件を実施した時に思ったよりも世の中にインパクトを与える力がある。

スタートアップは、ナショナルクライアントと組んだ実績づくりといった、ゴールを明確化してうまく電通と付き合ってほしい。スタートアップが持つ技術やサービスと、クライアントが持つ課題をマッチングさせ、両者に取って有意義なコラボレーションをするお手伝いをするのが私たちが目指す目標であり、それによって意味のあるコラボレーションを生み出していきたい。

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どんな事業であっても、必ず成し遂げる意志を持て−−グリー青柳氏が語る「企業に必要な組織づくりと強い意志」

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企業の立ち上げには、さまざまな苦労や試練が待っている。そうした過程の中から得られた教訓や、事業を成功させるという強い意志によって、スタートアップは成長を図ることができる。 グリー株式会社、取締役執行役員常務の青柳直樹氏は、大学卒業後、投資銀行のドイツ証券を経て、2006年にグリーに入社。米国子会社GREE International設立に携わるなど、グリーの成長を牽引している人物だ。 グリー青柳氏…

企業の立ち上げには、さまざまな苦労や試練が待っている。そうした過程の中から得られた教訓や、事業を成功させるという強い意志によって、スタートアップは成長を図ることができる。

グリー株式会社、取締役執行役員常務の青柳直樹氏は、大学卒業後、投資銀行のドイツ証券を経て、2006年にグリーに入社。米国子会社GREE International設立に携わるなど、グリーの成長を牽引している人物だ。

グリー青柳氏が語る、企業に必要な組織づくりと強い意志についてまとめた

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グリー社長の田中氏との出会いから入社

大学生の時、インターネット関連のスタートアップをやりたいと思っていた。しかし、自分はプログラミングが得意というわけではなく、周りにはたくさん起業家やITベンチャーを立ち上げる人がいて、自分はどうしようか考えていた。そこで、自分なりの強みを持とうと考え、外資系の投資銀行に就職した。グリーとの出会いは、社長の田中氏と副社長の山岸氏の二人でやっていた2005年頃で、SNSサービス「GREE」の中でつながり、飲みに行ったのがきっかけだった。そこで「CFOを探している」という話を聞き、自らグリーに入りたいと志願した。

人とのつながりは大きな価値だ

もともと田中氏との共通の友人は多く、互いの素性や人間関係も把握していたため、入社後のやりとりはスムーズだった。スタートアップに入ってくる人を見つけるのはとても難しいが、友だちが多いと自分の取り組みや思いに共感してくれる人は多く、仲間や応援してくれる人を見つけることができる。人をいかに巻き込むかという意味でも、友だちは多いほうが良い。友だちとのつながりから、アイディアが生まれたりすることもある。人とのつながりは、スタートアップにとって大きな価値だ。

チームビルディングこそ、組織において重要な要素

チームビルディングは大切だ。当初計画したプロダクトやビジネスモデルが変わることは多い。そのため、プロダクトも重要だがどういう人とやるかが重要となってくる。優秀なメンバーがいれば、戦略を変更しても軌道修正に迅速に対応できる。環境の変化にも即座に対応できるため、チャレンジも容易になる。どんなに素晴らしいテクノロジーやアイディアがあっても、足元の組織が固まっていなければ意味がない。チームビルディングこそ、組織において重要な要素だ。

プロダクトに集中しろ

プロダクトに集中することが、一番のPRとなる。プロダクトを磨いていけば次第にプロダクトの良さを知ってもらうことができ、メディアの取材やリクルーティングにも大きく影響を及ぼすことができる。事業を成長させるには、プロダクトに集中することだ。

mixiとの競争から得られた学び

グリー立ち上げの頃に、mixiとの成長スピードの違いに悔しい思いをした経験があった。mixiは会社を作り資金調達をし始め、すでに事業が成長し人材も揃い始めてきた頃だったが、こちらはまだそこまで揃っていなかったため、成長スピードに大きな差を付けられてしまった。差を付けられた経験があるからこそ、そこから得られた学びとしてグリーは採用に大きく力を入れた。悔しい経験から学びを得ることは重要だ。

新しい産業を作るくらいのビジョンを持て

世の中にインパクトを与えるには、最低でも時価総額1000億以上にならないと意味がない。新しい産業を作るという気概を持って事業を進めるためにも、上場を目的にするのではなく、上場の先の大きなビジョンを持たなければいけない。

資本政策におけるストックオプション制度の設計においても、上場してすぐに権利が発生するのではなく上場して一定期間を経てから権利が発生するように工夫した。上場したタイミングよりも、上場して数年後に大きな壁が待っているからこそ、大きな壁を乗り越えるためにベストなメンバーが揃っていなければならない。上場のその先へと進むためには、大きなビジョンを持ち成長し続けるための施策を取ることが大事だ。

役員は、採用に力を入れろ

プロダクトと採用について、役員は日々考えなければいけない。規模がまだ今ほど大きくはなかった時は、社員の一覧ページを作り、各社員のストーリーをそれぞれ表現して企業の雰囲気を伝えるなど、採用に結びつく活動を試行錯誤しながら取り組んでいた。役員は、時間の多くを採用活動に割くべきだ。資金調達は手段であり、人とプロダクトがあってこその企業だということを忘れてはいけない。

どんな事業であっても、必ず成し遂げる意志を持て

最後はメンバーを信じて、どんな事業であっても必ず成し遂げる意志を持つことが大事だ。事業計画が変わろうとも、優秀なメンバーと高いモチベーション、そして強い意志があれば、今が仮にうまくいかなくても次がうまくいくはずだ。どんな状況であっても仲間を信じ、常に攻める意識をもって経営を担ってほしい。

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