男女の「共立」を実現し、働く女性を増やすことで日本の未来を変える [第3回Nadeshiko Venture Summit]

by Yukari Mitsuhashi Yukari Mitsuhashi on 2013.12.10

NVS-TokoShirakawa

今回で3度目を迎える「Nadeshiko Venture Summit」が、12月7日都内で開催された。これまでの「起業」というテーマを少し離れて、今回掲げたテーマは「共立」。女性がそれぞれ自立しながら、地域、勤め先、両親やパートナーなどと共に生きること。実際、今回のイベントには男性や子どもの参加も多く、イベント会場には、授乳室やオムツ室、キッズスペースも用意されていた。

男と女、多世代や地域、政治との「共立」

講演のトップバッターをつとめたのは、少子化ジャーナリストで作家の白河桃子さん。世に「婚活」という言葉を発信したことでも有名だ。個人的には、フリーのライターに成り立ての頃に読んだ白河さん著の「跡取り娘の経営学」が印象的。

結婚や妊娠が上手くいかない理由は、ズバリ仕事だと言い切る白河さん。出産後に仕事を続けられないなどの理由や不安が原因となって、養ってくれる人を求めて結婚が遅れる人も多い。また仕事との兼ね合いで妊娠の時期を先延ばしする人も多い。女性が働きやすい環境を作っていくためには、あらゆる共立が必要だと話す。男と女の共立。共に働く夫婦の共立。多世代や地域や、政治との共立。中でも、今回の講演は「男と女の共立」を中心に展開された。

日本が抱えるさまざまな課題

30年後の未来予測では、労働人口の減少はもちろん、日本のGDPは世界3位から8位にまで落ち込むとも言われている。働く女性が増えることは、GDP、貧困防止(日本の65歳以上の単身女性の2人に1人が貧困)、働き方の革命、少子高齢化などさまざまな問題の解消につながる。一昔前は、女性が働くから子どもを産めないというのが定説だったものの、時代は変わり、今は「上手く働けないから産めない」という時代。

「女性の専業主婦思考が増えているなんて話もありますが、実際のところは、大学を卒業した女子学生の5割から8割が早く結婚し、出産し、仕事を継続したいと考えています。この仕事と家庭の両立をいくつかのハードルが阻んでいます。」

仕事と家庭の両立を阻むハードルの数々

「妊娠の知識の不足」、「結婚しないと産めない」、「仕事と子育ての両立のしにくさ」といったいくつものハードル。実は、日本は世界でもナンバーワンの不妊大国。世界で最も不妊クリニックが多く、37人に1人が体外受精を選んでいる現状がある。子どもを産もうと思えばいつでも産めるといった考え、また職場での育成期と妊娠出産の適齢期が重なっているといったことが女性の出産を遅らせていると話す白河さん。

また、仕事を上手く続けることができないことは、結婚せずには出産できないことを意味する。共働きが難しく、経済的な理由からもパートナーを見つけなくては成り立たないから。仕事と、家庭・子育てを両立できないのではないかという漠然とした不安が、高まる未婚化につながっている。現に、日本では20代後半女性の6割が未婚だ。

長時間労働がもたらずパートナーの家事への非協力

当然、妊娠中もしくは子どもがいる状態での長時間労働は難しい。企業には、アデコのように従業員による一切の残業を廃止するような動きも増えているものの、まだまだオフィスに長くいることが評価される文化が根強い日本。これは、女性が本来望む「両立」を難しくするだけでなく、パートナーである男性の家事への非協力という結果ももたらしている。

「日本の男性は世界でも家事をする時間が一番短いという調査結果があります。男性パートナーの家事への非協力も、女性の両立を難しくする要因だと言えます。また同時に、女性が自分一人で頑張らなくてはと思ってしまう意識も問題ではないかと思います。」

時短も大いにあり、100人の100通りの働き方

前述の残業廃止を決行したアデコでは、残業廃止で生まれたお金を、同じ時間を働いてよりパフォーマンスが高く、成果を出した人に還元するような仕組みを取り入れている。また、最近増えているのが時短で働くママたち。今後、日本社会が女性の力を上手く活用していくには、オフィスにいる時間の長さではなく、達成した成果で評価される職場が望まれる。

「時短のまま、管理職になるような女性が増えればいいなと思います。これまで、正社員は無限定社員でした。逆に言うと、時間制限のある人は参加できない社会だった。もちろん、万全の保育体制を整えてバリバリ働く人や、マイペースに仕事を続ける人などさまざま。100人いれば100通りの働き方があるでしょう。」

企業側が、次世代の育成や柔軟な働き方を提供していくことで、大勢の人が労働市場に参戦できる形にすること。例えば、共働き家庭にインセンティブがある、またそういう取り組みをする企業にもインセンティブがあるような仕組みが今後ますます求められていく。

上手くやる人は、「助けて」と周囲に言える人

NVS-TokoShirakawa-speech

こうしたさまざまなハードルを乗り越えるために重要になってくるのが、今回のNadeshiko Venture Summitのテーマである「共立」。女性が働いて共働きになれば、パートナーである男性にも起業する、あるいは転職するといったチャンレジをする余裕が生まれるかもしれない。男女間の共立はもちろん、周りを巻き込んで助け合う仲間を作ること。

「仕事と家族・子育てを上手くやっている人は、「助けて」と言える人です。助けを求めることで、相手もいざという時に助けを求めてくれる。人にはたくさん助けてもらい、この循環を作ることも大切です。」

助けを求められることの他に、上手く両立して働く女性には、自身が働くための強い意志と良きパートナーがいることが共通点だと言う。女性を理解してサポートしてくれるパートナーは最強の味方。自立しながらも共立するスタイルが、今後日本でもっと増えていくことが望まれる。

今回登壇された白河さんに関する情報は、オフィシャルブログで確認できる。

(撮影: 高橋凛)

 

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