アニメーション動画制作に特化した「Crevo(クレボ)」がオンライン動画をクラウドソーシングで変える

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2014.3.18

まずこのアニメーション動画をみて欲しい。1分ほどだ。

これが20万円を切る価格設定から作れてしまう。秘密はクラウドソーシングだ。

PurpleCowは3月18日、アニメーション動画に特化したクラウドソーシングサービス「Crevo(クレボ)」を公開した。クライアントはポートフォリオサイトから好みのクリエイターを指名し、アプリやサービス紹介、YouTube広告といった目的の動画素材をオリジナルのシナリオ、キャラクターで制作してくれる。単純なマッチングだけでなく、制作完了までクレボが責任を持って納品してくれるのも特徴のひとつになる。

価格帯は30秒から80秒程度の尺や依頼先の権利処理の方法によって18万円から49万円のプランに分かれ、都度見積りのオーダーメイドにも対応する。

PurpleCow代表取締役の柴田憲佑氏によれば、2012年頃から開始しているデザイン特化のクラウドソーシング「designclue」で構築した4000人ほどのクリエイターネットワークから、総勢200名ほどの動画制作関係者が既に登録をしている状況なのだという。

私たちは先日、動画特化のクラウドソーシングViibarについてお伝えした。彼らとの違いは「アニメーション特化」にある。

「アニメーション動画にフォーカスして実写はやりません。作り方が全然違いますし、特にコスト構造の違いは大きいです。実写ではスタジオからモデル、機材レンタルとコストが大きく、利益が出にくいのです」(柴田氏)。

逆にアニメーション動画は少ない人員で制作できるのでクラウドソーシングのモデルに合っている、というわけだ。用途も明確にプロモーション用の動画やYouTube向けの動画広告にフォーカスの中心を合わせてプランを提供しているのも分かりやすい。

クレボでは、ヒアリングからラフコンテ、キャラクターの制作、クライアントからのフィードバック反映などを経てアニメーション制作を実施、動画を完成させる。

どうやって低価格化を実現するのか?

気になるのはやはり制作工程だ。クラウドソーシングという名の下の単なるダンピングでは、下請けしているクリエイターは幸せになれない。「何を効率化して価格を安くしているのか」についてはクレボ側が提供してくれるこの図で説明すると分かりやすい。

プロジェクトチームの仕組み_Crevo.001

まず、クライアント側が選べるのは実際に制作にあたる動画作家(クリエイターと表記されているもの)とナレーター。作品の全体構成を考えるアートディレクターはクレボサイドで選択することになる。また、工程管理を実施するオペレーターはクレボサイドの人材だ。

やはり効率化のポイントは工程管理だ。そもそもオンライン上に仕事場をつくり、距離や時間、繁忙期などの調整をして制作サイドのリソースをうまく調整することで「空いた時間」を適切な価格で提供してもらうのがクラウドソーシングの魅力だ。しかし、どうやったとしても「制作そのものの工数」を削減することはできない。

一方で工程管理は効率化が可能だ。工程管理が最も圧縮できる工程であることはMUGENUPの事例が実証しているし、クレボでもツールの開発を進めているそうだ。

運営してきたロゴ制作特化のクラウドソーシング「designclue」では苦戦をしたものの「オンラインでデザイナーをマネジメントするノウハウは蓄積できた」という柴田氏。私もデモ動画をいくつかみさせてもらったが質は高い。彼らが制作実績を重ね、素材などの再利用でさらに価格が安くなれば、世の中のオンラインクリエイティブがもっと生き生きとしてくるのではないだろうか。

絞った分、マーケットの狭さは課題になるだろうが、それ以上に広がる可能性の方が魅力的に思える。

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