中小企業を「経理地獄」から救った起業家、freeeの佐々木大輔氏

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freeeは会計業務をスピーディーに簡単にする目的で、代表取締役の佐々木大輔氏と取締役の横路隆氏によって2012年7月に設立された。アイデアは単純なようだが、これまで使いやすい(編集部注:オンラインの)会計ソフトを日本市場向けに誰も開発してこなかったようだ。

「日本では長らく『弥生』が会計ソフト市場シェアの60%以上を占めていたのです」と佐々木氏は語る。

「『弥生』は、多くのスモールビジネスにとって使い方が難しい上、小規模事業者にはあまり必要のない複式簿記を使っています。機能的には問題ありませんが請求書や銀行口座の集計まではできません。(小規模事業者にとって会計サービスは)エクセルをアップグレードした程度のもので十分なんです」(佐々木氏)。

比べるとfreeeはずっと魅力的に思える。freeeはクラウドベースで、どのウェブブラウザからでもアクセスできる。経理入力は高度に自動化されており、例えばソフトバンクに支払いをした場合、freeeはそれを自動的に仕訳伝票に変換し、支出を電話会社からの請求として分類する。会計士は支払いを承認するだけで済むのだ。

会計ソフト「freee_フリー_」|全自動のクラウド会計ソフト

また、freeeを使うと中小企業は数回のクリックで法人税の申告書を準備できる。自動化が可能なのは、freeeが日本の1,600以上の銀行と統合されているからだ。

「銀行口座の統合はすでに長年にわたって実施されていますが、ビジネス用に利用するのは当社が最初でした。中小企業は支出と請求書を気にするだけでよく、経理の仕事はソフトウェアに任せられるようにしたかったのです」(佐々木氏)。

佐々木氏は中小企業担当のGoogle社員だったが、日本の中小企業における技術リテラシーがかなり低いことを実感したという。今でも多くの中小企業が経理業務にペンと紙、ファックスを使用している。

「日本の中小企業市場は何かがおかしい。私は本当にこの問題を解決したいのです。市場には手頃な価格で中小企業を支援するテクノロジー製品がないんです」(佐々木氏)。

2013年3月の公式サービス開始以降、現在6万7,000社以上の中小企業がfreeeを利用している。 佐々木氏は有料ユーザ数については語らなかったが、freeeの利用料は個人事業主は月間980円、事業法人は月間1980円となっている。

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前途多難なスタート

会社設立当時、佐々木氏は2つの問題に直面した。まず、彼のチームが製品に情熱を傾けすぎて、見栄えばかりにこだわってしまったという。

「私たちは製品の見栄えについてとことん議論しました。しかしやりすぎてしまいました。最初の2カ月はまったく進展がなかったのです。そこで見栄えについての議論をやめ、意思決定を高速化したところ、いろいろ動き始めました」(佐々木氏)。

開発チームはローンチに向け、1日あたり15時間もコーディングし続けたこともあったそうだ。しかし、プロトタイプが仕上がった段階で佐々木氏は第2の壁に直面した。それは、市場からの否定的な反応だ。

「ローンチする前に一部の方々に製品を見ていただいたのですが、彼らは従来の経理の考え方で製品をみてしまい、当社が会計業界を席巻するのは不可能と思ったようです」(佐々木氏)。

否定的な声も多かったが、freeeは昨年3月にサービスを始め、これまで多くの反響を得ている。佐々木氏は、freeeに満足しているユーザがさらに他のユーザを呼び込んでくれているという。例えばあるユーザは、彼らの会計サービスにいたく感銘し、freeeを利用した税申告に関する本まで執筆したほどだ。

「当社が学んだこと。それは最初の反響が良好でなくても、とにかくサービスを開始し、実際のユーザが何と言うかを見極めることの重要性です。当社は好運に恵まれています。アーリーアダプターがインターネットで高い評価を与えてくれたので、他の人々も後に続いてくれました」(佐々木氏)。

Amazon_co_jp:_全自動_青色申告ソフト_freee(フリー)_個人事業主向け_一般/不動産__Mac(マック)・Windows・新消費税に対応__ソフトウェア

佐々木氏は非常にクリエイティブな方法でfreeeを広めている。クーポンをアマゾンで販売したのだ。佐々木氏によれば理由は単純、「アマゾンで会計ソフトを探している人たちがいるから」なのだそうだ。

また、freeeを使えばクレジットカードの利用履歴は自動でfreeeに取り込まれて全て記録される。つまり、クレジットカード利用の処理が楽になることになる。さらに利用を促進させようと、クレジットカード会社は積極的にfreeeをオススメしてくれる、ということに繋がっている。

別の方法としては、Squareのようなポイントオブセールス(POS)サービスやPOSソフトウェアを搭載したiPadと提携する方法があるという。 また、freeeはこれまでに300名もの税務アドバイザーと提携している。 「税務アドバイザーがfreeeは良いと言ってくれれば、その言葉が広まってビジネスにとってプラスの効果があります」と佐々木氏は語る。またfreeeは、アプリケーションやPOSがfreeeと統合しやすいようAPIを提供している。

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「私たちは中小企業100万社に当社製品を利用してもらい、freeeネットワーク内で簡単に取引ができる中小企業ネットワークを構築することを目指しています。また、当社の製品をグローバル化したいとも考えています。現在freeeは日本だけですが、製品がより安定すれば、可能であれば来年から他のアジア市場に参入したいと考えています」(佐々木氏)。

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