中国大手のXiaomi、Kickstarter発のガジェット「Pressy」と同コンセプトの製品を発表


中国のスマートフォンメーカー「Xiaomi」が発表したスマートフォン用アクセサリー「MiKey」が業界で注目を集めるとともに、クラウドファンディングという仕組みにとっても大きな影響を与えている。

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このMikeyというガジェットは、XiaomiのHugo Barra氏が自身のGoogle+上で明らかにしたものだ。

MikeyをXiaomiが販売するスマートフォンのイヤフォンジャックに装着することで、写真撮影やライト点灯、着信の録音といった機能を、本体のロックを解除することなく起動できるアクセサリー。Mikeyのボタンには10種類の異なるクリック方法が用意されており、最大で10のアクションを割り当てられることができるという。

非常に面白いガジェットではあるが、注目を集めているのは機能やガジェットそのものではない。ほぼ同コンセプトのガジェットである「Pressy」というガジェットがKickstarterを通じたクラウドファンディングで昨年10月に目標を達成しているからだ。

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クラウドファンディングは優れたアイディアを形にする夢のような仕組みである一方、意図的な詐欺行為を目的としたプロジェクトも散見されるという問題も指摘されていたが、今回の問題はクラウドファンディングに出展する開発者側にとって、かねてから不安視されていた問題点が浮上した事例と言える。

クラウドファンディングはその仕組み上、プロジェクトの詳細を公開して支援を募り、プロジェクトが達成してから実際に入金されるまで、一定のタイムラグが発生する。そのタイムラグの間に同じアイディアをベースとし、同様の製品を先行して開発される可能性は以前から指摘されていた。

もちろんクラウドファンディング側も開発側も特許を取得しておくといった対策がないわけではない。しかし、そもそも自分のアイディアが世に受け入れられるかを問う場でもあるクラウドファンディングの段階で、そこまで鉄壁の対応を心がけるのも難しいだろう。

Pressyは一連の動きに対し、米Engadget宛てに「Xiaomiほどの大きな企業がこうした動きを取ることは予想していなかった。Pressyの機能やデザインに対して我々は知的財産権を有しており、この状況に対処するための次の動きを検討している」とのコメントを寄せている。

もちろん、人気のある製品は模倣や同様の製品が追従するというのはクラウドファンディングに限らない話ではある。同じことはハードに限らずソフト、コンテンツなどさまざまな業界で起きていることだろう。

だが、発表から開発までにタイムラグが発生するというクラウドファンディングならではの事情に加え、小規模体制のクラウドファンディングに対して大企業が同様の製品で追従するというのは非常に興味深い事例と言えるだろう。Pressyの今後の動きに要注目だ。

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