SNSやモバイルなどのテクノロジーの進化によって、私たちはいまだかつてない量の言葉に接し、“書く”という行為を日常的に行っています。
より良く書くためのプロダクトを手掛けるのが、スペイン・バルセロナを拠点とする広告エージェンシー「HerraizSoto&Co」です。
彼らが、数年前にリリースしたテキストエディター「OmniWriter」は、私も個人的にお世話になっている優れもの。自然を思わせる静かなBGM、タイピングの音、うつくしい背景画像が、書くことへの集中力を高めてくれます。
書くこと、読むことをより楽しく
そんなチームが提供するもう一つのプロダクトが「Notegraphy」です。2013年10月のリリース以降、利用者数は30万人。無味乾燥なテキストにおしゃれなタイポグラフィーやデザインを加えることで、書くことや読むことをより楽しくしてくれます。
なぜNotegraphyというアプリケーションにたどり着いたのでしょうか。同社のクリエイティブ・ディレクターであるRafa Sotoさんはこんな風に話します。
多くのスタートアップが立ち上がる背景には、個人的なモチベーションがあると思う。それはお金かもしれないし、社会をより良くするためかもしれない。単なる美学かもしれない。
エージェンシーとして普段から言葉を扱う僕たちにとって、書くことはほぼ宗教のようなものなんだ。言葉の力で人と人のつながりを強めて、テキストで表現するウェブをより美しくしたいという思いが始まりだった。
無味乾燥なテキストそのものを美しく
手軽にテキストが共有できるTwitterやFacebook。その投稿のほとんどは文字で構成されているにも関わらず、テキストそのものを美しく見せようという発想はこれまでありませんでした。
SNSやウェブ全般で共有されるテキストは、整ってもいなければ美しくもない。むしろ、ごちゃごちゃしていて魅力に欠ける。人に見てほしくて共有しているのに残念だと思う。
デザイナーとして、僕たちにはウェブをより便利に美しくする責任がある。僕たちが覗くウィンドウ(窓)は、今やPCのスクリーンに取って代わっているのだから、その中の景色も美しくしなきゃ。
デザインへのこだわりを感じさせるNotegraphy。「デザインこそインスピレーションの引き金で、インスピレーションこそ全ての始まり」だと話すSotoさん。タイポグラフィーの数々は、外部のアーティストやデザイナーとのコラボレーションによって生まれています。
自分のなかの“ライター”を解き放つ
Notegraphyはさまざまな形で活用されています。思考や意見の共有といった一般的な使い方から、友人に子どもが生まれたことを伝えたり、プロポーズといったライフイベントを綴るような人もいるそう。
Notegraphyを使ってみることで、あなたの中に潜む“ライター”が顔をのぞかせるかもしれません。Notegraphyは、iTunesとGoogle Playからダウンロードできます。
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