1台で3Dスキャン、フライス加工まで可能な多機能3Dプリンタ「FABtotum」

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FABtotum
3Dプリンタ、3Dスキャナ、フライス盤。ものづくりに利用するデバイスは、以前に比べるとかなり低価格で利用できるようになった。しかし、こうしたデバイスを1台1台そろえようとするとたいへんなことだ。

そんな中、3Dスキャン、フライス加工、ミリング加工などが1台で行える、複合機的な低価格の3Dプリンタが登場している。「FABtotum」がそれだ。

FABtotumは2013年秋に、クラウドファンディングサイトのindiegogoにて量産化のための出資を募り、60万ドル近くを集めて話題となっていた製品だ。このたび、無事に出荷が開始されたという。

FABtotumの本体のサイズは366×366×366mmで、重さは12kgとデスクトップ型の3Dプリンタにしてはかなりコンパクト。本体カラーは、レッド、ブラック、ホワイトと三色のラインナップが用意されている。

FABtotum
3Dプリンタとしては、積層造形式の3Dプリント機能を持ち、PLAとABSのフィラメントに対応。最大造形サイズは214x236x242mm、最小積層ピッチは50μm。コンパクトな本体サイズの割に大きな造形物を高精細にプリントできる。プリントスピードも速く、300mm/秒の高速積層が可能だ。

3Dスキャナー機能も備え、立体物をスキャンしてデータ化することができる。多くの3Dスキャナが苦手とする、硬貨などの小さい物体や複雑な形のスキャニングもFABtotumでは可能だという。

加えて、フライス加工機能を備え、木材やアルミニウムなどの幅広い素材の面加工が可能だ。
FABtotum
電子基板用のミリング加工も可能だという。

このような3Dプリント、3Dスキャン、フライス加工、ミリング加工といった機能がコンパクトに一台で済むため、家庭工作用の3D複合機として便利そうだ。

さらにFABtotumのもうひとつの特徴が、全てオープンソースで公開されている点だ。そのため、部品を自分でサードパーティのものに交換して性能を拡張したり自由に改造することができる。

このFABtotumだが、現在、Webサイトで予約販売が行われている。通常価格は1299ドルのところ、1099ドルの割引価格で予約受付中で、出荷は2014年12月が予定されている。

FABtotum Personal Fabricator – 2013 Indiegogo Campaign from FABtotum on Vimeo.

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