Xiaomi(小米)、海外進出強化のため中国国外のサーバに移行

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中国の携帯電話会社で、現在国内で圧倒的価値を持つスタートアップとされているXiaomi(小米)が本日、世界進出に踏み出すための新たな計画を発表した。サーバーをグローバル化するという。XiaomiのバイスプレジデントであるHugo Barra氏はFacebookを通じて計画を発表し、サーバーのグローバル化は3段階になると述べた。

  • Xiaomiのeコマースプラットフォームを北京のデータセンターからカリフォルニアとシンガポールにあるAmazonのAWSデータセンターへ移行する作業はすでに始まり、作業は今月末までに完了する予定。
  • Mi Account、Cloud Messaging、Mi Cloudサービスなどを含むMIUIサービスは、北京からオレゴンとシンガポールにあるAWSサービスへ移行し、作業は2014年末までには完了する見込み。
  • Xiaomiの計画として、2015年にローカルサーバーをブラジルやインドなどAmazonのAWSサービスが利用できない各地で開始・拡大する予定。

Barra氏によると、サーバーを北京の外へ移行した理由は、とりわけ中国以外にいるユーザに対してXiaomiのユーザ体験を最適化する点にあるという。同氏は、この移行によってインドのユーザでは200%超の読み込み速度の向上のほか、台湾、香港、シンガポールでは30%高まっていると述べている。また、MIUIサービスを中国外のデータセンターに移行することで、このサービスにアクセスする国際ユーザに対し、待ち時間を相当削減することが期待されている。

しかしこの移行には別の意味合いもあるだろう。まず、Xiaomiのユーザデータのセキュリティ問題に対する懸念を和らげる可能性がある。今夏、論争になった問題だ。

セキュリティソフト会社のF-Secureが、北京のサーバ―に携帯メールを含む多くのXiaomiユーザのデータが送られていた事をレポートで発表した後、Xiaomiはユーザに対し、無効化する方法を提供した。

しかし、それでも自分の情報が北京で保存されることに不安を覚えるユーザがいるのは明らかなため、サーバーを海外に移すことで、今後北京で情報が保存されなくなることを確実にできる。一旦、Xiaomiの海外サーバー経由で中国国外のMIUIサービスが運営されれば、Xiaomiフォンを使っても、北京のサーバーに接続されることはなくなるのだ。

また今回の戦略が明らかに示していることは他にもある。Xiaomiの海外展開計画はまだ完了していないということだ。

Barra氏の投稿メッセージには具体的なことは何も記載されていなかったが、大きな成功を収めた企業は、その勢いを維持するために新しいマーケットに参入していくことは当然であり、また高速で国際化に対応したサーバーアーキテクチャを構築することで事業基盤が整い、効果的に目標を達成することが可能になる。

特にXiaomiは、同社ウェブサイトの専用窓口からしか入手できないスマートフォン等、直接オンラインで限定販売するモデルに注力しているようなので、そのことを考慮すると、新しいモデルが発売された際に大規模なトラフィックにも対応する高速で回復力のあるサーバーが必要になる。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia
【原文】

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