人工知能を用いたアクセス解析ツール「AIアナリスト」を開発するWACULがジャフコから約3億円の資金調達

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ウェブ改善コンサルティングの事業を行うWACULが、本日ジャフコから約3億円の資金調達を実施したと発表した。WACULは、2015年4月にウェブサイトのアクセスデータを自動で解析し改善策を提案してくれるツール「AIアナリスト」をリリースしている。

「AIアナリスト」は、Google Analyticsのアクセス解析データと連携することで、人間では集計困難な大量データを分析し、サイト内の課題を自動的に発見してくれるツールだ。

200ページほどあるサイトの場合、「デバイス」「流入元」「入口ページ」「経由ページ」が異なるアクセスを比較する際、その組み合わせの数は膨大な数になる。WACULは、こうした人間では集計に時間がかかる大量のデータを、人工知能を活用してさばこうとしている。

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多くのウェブサイトは、Google Analytics等のアクセス解析ツールを導入してデータを取得しているが、分析はできていない状態だ。「AIアナリスト」はGoogle Analyticsのアクセス解析データと連携するため、簡単に利用をスタートできる。導入後、対象サイトのパターン、過去の分析レポート、業界別データからトレンドなどのデータを学習していくことで、「AIアナリスト」の精度は向上していく。

利用は月額3万円の費用がかかる。これは一度登録すると毎月かかるといったものではなく、レポートを出した月だけ課金される仕組み。そのため、四半期に一度、レポートを確認する、といった使い方も可能だ。

WACUL代表取締役社長の大津 裕史氏は、現状、「AIアナリスト」は人間のウェブコンサルタントの判断を学習し、その再現を行っている状態だと語る。今後、AIの精度を向上させるべく、東京大学松尾研究室と共同研究を行い、人の判断よりも精度の高い改善案を出せる人工知能の開発に取り組むという。

大津氏「ウェブ担当やウェブマーケティングのチームを社内に抱えることが増えてきています。国外はそれが当たり前ですが、国内はようやく始まったところ。社内に体制ができてくると、コスト意識が生まれやすい。コストパフォーマンスの良いツールとして、「AIアナリスト」を利用してもらえたら、と考えています。また、解析に十分なリソースを割くことができないスタートアップのような、熱意があって小さなチームに「AIアナリスト」利用してもらいたいと考えています」

ツールが広まり、データを取得することは多くのプレイヤーが可能になった。それに伴って、取得したデータの見方を提供するサービスが登場し始めている。月額3万円から利用できる「AIアナリスト」は、多くの人に受け入れられそうだ。

WACULは、今回調達した資金を人材採用とプロモーションに充てる。導入が進んで取得データが増え、WACULの技術力も上がったとき、「AIアナリスト」はどのような改善案を私たちに提示してくれるのだろうか。

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