オンデマンド経済時代のフリーランスという生き方、そしてそこにあるチャンスとは

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<ピックアップ>The Freelance Economy

ユニオンスクエアベンチャーズの著名ベンチャーキャピタリスト、フレッド・ウィルソン氏のブログから。

会社に属さない、フリーランスという生き方を聞いてみなさんはどう思いますか?

私は30代後半で就職氷河期の経験者でもあるので、どちらかというとネガティブな印象があります。要は就職したくても出来なかった人という意味ですね。自分から率先してこの生き方を選ぶというよりは否応なくこの道を選ばざるを得なかったというか。私もその内の一人でもあります。

しかしこれからの時代は、国内外問わずこういう不安定な印象はなくなるのかもしれません。

フレッド氏はそのブログで、ポートフォリオカンパニー「WorkMarket」のCEO、Stephen DeWitt氏と電話で会話した時、彼から最近では10人中、3〜4人はフリーランスという生き方を選択していると聞いた時の様子を書いています。

またこの事実は、最近発表されたMary Meeker女史のInternet Trendリポートにも「合衆国の労働人口5300万人の内、34パーセントは個人事業主、もしくは短期労働やその他フリーランスについて検討している」と言及されており、結構な割合の人たちが自由な働き方を選択している様子が浮かんできます。

では、なぜ彼らはこういった働き方を選ぼうという気になってるのでしょうか?

その答えのひとつに挙げられているのが「モバイル-オンデマンド経済圏」です。米調査会社のCB Insightsにも未公開企業の資金調達状況として、2013年には54件に対して6億7200万ドルの資金調達状況だった同カテゴリが、1年後には41億2000万ドルにまで膨れ上がったと分析しています。

いわゆる「Uber」ライクなビジネスで、このカテゴリと働き方の関係性については広瀬隆雄氏のブログにこんな考察が掲載されていました。

それはサーチ・コストやインフォメーション・コストが高かったからです。いままでは「あーっ、終電乗り遅れた!」と思った時、(誰かアッシー君、やってくれないかなぁ?)と思っても、すぐにホイホイやってくる便利なヤツが思い浮かばなかったので、しぶしぶ元カレに電話したら思いっきり電話切られた…とか、そういう問題があったわけです。

参考記事:オンデマンド・エコノミーって、つまり終身雇用制度の賞味期間が切れたってコトだヨ
via Market Hack

スマートフォンの恩恵で私たちはいつでもどこでも検索して、その場所、その時間にオーダーを出せるような状況を手に入れました。広瀬氏の言う、サーチ・コスト、インフォメーション・コストが限りなくゼロに近づいた、という世の中です。

通常、マッチング(オーダー側と受託側)ビジネスは手数料モデルになります。当然このマッチングの精度で利益が出るわけですが、ここに少しでも余計な障壁があれば、ただでさえも利幅の薄くなりがちな利益が減るわけです。逆もしかりということです。

また、こういうビジネスはトラフィックの規模が求められます。Uberのようにサービスがヒットすれば必要とされるリソースも多くなり、フリーランスのように働く人たちにとって「今日のお仕事」が見つけやすくなる、という理屈です。もちろん安定はなかなか難しいかもしれませんが、そもそも会社員が安定していると盲信する時代でもないでしょう。こういった世の中であることを理解して渡っていける人の方が強いということかもしれません。

フレッド氏は最後にこんなことを書いてます。

When I got home last night for dinner, my son and his friend were checking out jobs on care.com. When I was their age, finding work was a manual process. Now you just pull out your phone, scan your feed, and get some work.
昨晩に家で食事を取った時、ウチの息子とその友人がcare.com(家事などの業務代行マッチング)で仕事を探してたんだ。私が彼らの年代だった時、仕事探しは手作業だった。今はちょいと電話を取り出して、フィード情報を検索すれば仕事が手に入る。

国内のオンデマンドビジネスについてはもう既に着手しているプレーヤーも多く、今後はこれを積極的に仕事として採用するフリーランサーたちが国内でも増えるのか、動向が気になるところです。

via AVC

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