
<ピックアップ>Why you should raise more than you need
国内でもスタートアップ支援だファンドだと多くの活動がみられるようになり、資金調達の状況は悪くないと言えるのかもしれません。
一方、株式で資金を大量に集めようとするとどうしても評価額を上げざるを得ず、次の調達ラウンドで事業実体が伴わない、いわゆる「スタック組」の話もちらほら耳にします。最近ではこういう事態を避けるためにデット(融資)をうまく活用して調達している例もスタートアップであるので、ますますCFOの役割というのは重要になっているのではないでしょうか。
調達に関するテクニックで私がこれまでに聞いたものは大きく分けて「小さく刻んでやるべし」と「集められる時に集めとけ」の二つで、まるで正反対のアイデアです。前者はどちらかというとアーリーなステージ、後者はもう完全に前が見えた状態、というステージの違いが大きいですが、例えばGROUPONモデルなんかは最初からチキンレースがわかってましたので、圧倒的に後者の考え方で調達が動いていたのを覚えています。
このようにステージ以外にも「集められる時に集めとけ」の考え方は当てはまる場合があるようで、最近はノウハウ記事のたくさん載ってるTHE NEXT WEBに10項目ほどのアドバイスがまとまっておりました。少しご紹介しましょう。
- スタートアップは基本的にバイナリの結果、つまり成功するか失敗するか
- 企業価値をどれぐらい上げられるかという面で資金を考える
- ピボットに50万ドルを用意:発見プロセスにビギナー起業家、そしてバカみたいな決定のために
- 会社がうまくいけばグロースキャピタルは痛くもかゆくもない(しかも多いに助けてくれるはず)
- 100万ドル調達しても売上ゼロだったら長くは持たない
- ユーザー獲得にかかる回収期間は長く考えておく
- 経済というのは頭のおかしい叔父さんと思え、次に何がくるかなんてわかんない
- 次の調達は相当難しい
- 小さいエンジェルラウンドを大量に実施することは気が散るしやる気をなくす
- リーガルコストを考える
- さらにもうひとつ
それぞれのアドバイスはポーションも小さく読みやすいので原文チェックしてもらうとして、個人的に気になったのはやはりピボットに50万ドル用意しろっていう下りでしょうか。これは実は非常に深い話で、確かに何が当たるか分からない状況下で「いつまでに何回トライするか」というのは重要なポイントになります。
例えばメルカリの山田進太郎さんに過去インタビューした時、フリマアプリ以外にもいくつかトライしようとしていたアイデアがあったと聞いてます。もし、フリマアプリというアイデアが軌道に乗らなかったら、ピボットが必要でしょうし、それには50万ドルとは言わずともやり直しの資金が必要になります。
ただこれは彼のように実績のある起業家の話です。ファーストチャレンジの場合にこの余計な50万ドルを外部から調達することはなかなか理解されないでしょうね。やれることとしてはバーンを下げて本来1回しか打席に立てないところを2回立てるようにする、なんとか一回目である程度のところまで持っていく、そんな努力と工夫が必要になるのではないでしょうか。
via The Next Web
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