Appleが次にディスラプトする業界はなにか?ーーヘルスケアを重視する背景にあるジョブズの願い

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ピックアップ | Three More Industries Apple Could Disrupt

「Apple Watch」や「Apple Music」のリリース、米国で展開が進む「Apple Pay」など… Appleの新しいチャレンジは止まらない。Appleはまさに多くの人が予期していなかった分野をディスラプトしてきたし、今後も私たちを驚かせてくれるのではないかと思う。では、具体的にAppleがこれから変革を巻き起こす可能性のある業界はどこなのだろうか。

Appleの動向を長年追い続け、TIME誌などで執筆をしてきたアメリカ人テックコラムニストのTim Bajarin氏は、re/code上でAppleが今後ディスラプトする可能性のある3つの業界を挙げている。ちなみに、Tim Bajarin氏は3年前にもTIME誌上で『Appleが近い将来ディスラプトする可能性のある4つの業界』を発表。その業界として自動車、時計、テレビ、電化製品を挙げて、未来を予測していた。

Appleがヘルスケア分野を重視する理由

さて、今回Bajarin氏が挙げる業界の筆頭がヘルスケア業界だ。Appleはユーザーの持つヘルスケアデータとヘルスケアサービスを提供する医療機関などをつなぐ重要な橋渡し役になるだろうと予測する。そして、その背景として彼が指摘しているのはスティーブ・ジョブズが生前に抱いていた強い問題意識だ。

スティーブ・ジョブズが2000年代に入ってから病を患った際に、ヘルスケアシステムの現状に多いに失望していたと氏は述べる。ある医療機関で診断を受け、次にまた病状が変化した際に別の医療機関に行けば、以前の診断結果を見せろと言われる。だが、ある医療機関で保存されたデータを別の医療機関に引き継げる効率的なシステムが整っておらず、データの移行は面倒だ。そのストレスは病状が悪化し、診断結果とその保存先が増えるほど、高まっていく。「Appleこそ、こうした非効率なシステムに対する解決策を提供する必要がある」と感じたジョブズのミッションはApple社内に今も受け継がれており、だからこそヘルスケア分野への思い入れは強いとBajarin氏は述べる。

その他、Bajarin氏がAppleが影響を強める分野として挙げているのはデザインと小売分野。デザインのディテールに限界までこだわるAppleの姿勢は、建設中の新キャンパスApple Campus2のプロジェクトにも徹底的に反映されているという関係者の声を紹介している。

世界中のAppleウォッチャーが氏の予測にどれほど同意するかは分からないが、ジョブズの生前の強い願いが今もAppleの事業戦略に大きな影響を与えているという分析は興味深い。5年後にはその分析の正否が明らかになっているはずだ。

via. re/code

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