独「Rocket Internet」、10億ユーロのファンド設立に向けて資金調達中

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ドイツのベルリンに拠点を置くインターネット企業であり「スタートアップ製造工場」ともしばしば揶揄される「Rocket Internet」が、10億ユーロのファンド設立に向けて資金調達中であるといくつかのメディアが報じている。Tech.euの記事によれば、このファンドはオリバー・ザンバー氏が主導しているファンドで、レイトステージのスタートアップにフォーカスしているとのこと。

改めて、Rocket Internetについて振り返ってみる。同社は2007年にベルリンで設立したスタートアップインキュベーター。マーク、オリバー、アレキサンダー・ザンバーの3兄弟によって立ち上げられた。彼らは、米西海岸のビジネスモデルを誰よりも早くヨーロッパに輸入することで知られている。

1999年にはドイツでeBayのようなオークションビジネスAlandoをローンチし、立ち上げから100日以内に5000万ドル(3000万ユーロ)でeBayに売却。2005年には、Facebookに似たドイツ版ソーシャルネットワークStudiVZを立ち上げ、Holtzbrinck Ventures が2年後に8500万ドルで買収している。その他、Pinterestに似たPinspire、YouTubeのようなMyVideo、TwitterのようなFrazrなどなど、ドイツ版「クローンビジネス」を次々とローンチさせてきた。2014年の10月2日にはフランクフルト証券取引所に上場。IPO調達総額は16億ユーロだった。

Rocket Internetのサイトには「アメリカと中国以外の場所において、世界最大のインターネットプラットフォームになることを目指す」と壮大なミッションを掲げる。

過去のWIREDの取材においては「我々はイノベーターではなく、企業ビルダーなんだ」と言い切り、事業拡大のためにはビジョンなど必要なく、大きな機会の眠っている国、マーケットにおいて誰よりも早くスタートアップを成長させて、事業を成功させるという姿勢を貫いてきた。

現在Rocket Internetが出資する企業は110カ国30社に上り、従業員数は3万3000人に達する。最近のWIREDの取材に対しては「10年後には25万人になることを期待しているし、最終的な目標は100万人かな?」と伝えている。

さて、そんなRocket Inernetが新たに10億ユーロという巨大ファンドの設立に動いているとのことで、彼らのアグレッシブな戦略はこれからも業界にインパクトを与え続けそうだ。

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