フィンランドのフィンテック「MONI」が移民局との試験提携をスタート、難民への手当て支給に活用

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2014年、フィンランドは3000人の難民を受け入れた。その数は今年大幅に増えて5万人になる見通しであるという。来年は更に増えるとも予測されている。

フィンランドで難民登録をした人々は、政府から手当てを受給する。大人一人につき316ユーロだ。だが、ほとんどの場合、彼らはフィンランドに銀行口座をもっていない。そのため、これまでは現金で支給されていた。

こうした非効率で安全ともいえない現金支給の解決に手を挙げたのが、現地のフィンテックスタートアップ「MONI」だ。友人間で利子や手数料なしにお金の貸し借りができるサービスを開発するMONIは、難民が直面する課題を見て、移民局に提携の話を相談した。

驚くのは、最初のミーティングから実現までのスピードだ。「移民局とのやり取りはとてもスムーズだった。政府機関に勤める彼らの頭の良い “よし、やってみよう” という起業家的な対応には驚いたよ。最初の会話から2ヶ月以内には、最初のテスト用カードをユーザーに届けることができたけど、それはすごいことだと思う」と、ファウンダーのAntti Pennanen氏は現地のスタートアップメディアArcticStartupに語っている。

「欧州各国への難民流入が増すにつれて、現代のテクノロジーを通じて決済の効率を高める方法を見つけることは歓迎するべき変化であり、最終的にはフィンランドだけでなく、欧州のすべての国にとってのソリューションになるでしょう」と移民局の担当者もコメントしている。

実際の流れとしては、MONIプリペイドMasterCardsが手当て支給者に渡され、またモバイル上で使える口座も同時に作られる。難民が将来仕事を得た際には、給料もMONIの口座に支払うことが可能であるそうだ。

MONIは今回の移民局との提携のほかに、一般消費者向けの製品「Ciecle of Trust」をローンチした。利息や手数料なしで友人間でお金の貸し借りを実現するものであり、お金の融資が承認され次第、MONI Prepaid MasterCardsを通してそのお金を使うことができる。

MONIは、175万ドルのシードラウンド資金をFormation 8Maxfield CapitalDigital Currency Groupなどから調達している。

via. ArcticStartup

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