デジタルヘルス製品Withingsの買収から見えるNokiaのビジョンとは?

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 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
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<ピックアップ>Nokia enters the digital health realm with $192 million acquisition of France’s Withings

Nokiaがデジタルヘルス関連製品を開発するフランスのスタートアップWithingsを買収する予定であることを発表した。

2008年にパリで創業したWithingsはこれまで3000万ドルの資金を調達しており、パリの他に米国、香港などの複数の拠点で200名ほどの社員がいるそうだ。同社はこれまで、スマートウォッチやフィットネスバンド、睡眠トラッカー、体温計などといったデジタルヘルス関連の製品を開発してきた。Nokia によるWithingsの買収額は1億9200万ドルといわれる。

今回の買収から見える、Nokiaの事業戦略はどのようなものだろう?

これまで地図事業のHereを売却したり、携帯電話事業をMicrosoftに売却したりと、スマートフォンの波に乗り遅れてかつての携帯電話業界の王座を失ったNokiaは事業の立て直しに奔走してきた。

Nokia には現在ブロードバンド事業のNokia Networksと、これまでのNokiaブランドを維持するためのNokia Technologiesの二つの柱がある。360度VRカメラのOzoもNokia Technologiesの事業に含まれ、今回買収したWithingsもまた、Nokia Technologiesの事業に加わることになる。

Withingsの買収でNokiaが目指すのはIoT事業の強化であると、Nokia はコメントしている。今年2月にバルセロナで開催された Mobile World Congressでは、3億5000万ドルのIoTファンドを設立を発表。昨年秋にはフランスのネットワーク機器企業Alcatel-Lucentも買収し、「次世代ネットワークテクノロジー・サービスの開発」への意気込みを語っていた。

今回の買収はIoTへのNokiaのシフトを加速させるものであることは間違いない。

スマホの登場後に失速したNokiaがまた大きな存在感を示すようになる日が近づいているのかもしれない。

関連記事:Nokiaが5Gネットワーク対応を宣言、3億5,000万ドルのIoTファンドを設立、そしてセキュリティ企業Nakinaを買収

via VentureBeat

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