ビジネスの観点からは、大麻はそれ自体が市場でもあるが、加工の段階によっては、高価な医薬品や農業に属するという点を考慮すべきだ。高価な市場で実験的なアイテムやスキル、ビジネスモデルが成功し、市場に定着する場合、徐々に一般的な農業・医薬品分野に広がる可能性も大きいからである。Tesla が電気自動車市場を開拓し、一台当たり1,000万円を超える Roadster モデルからはじめ、最近では400万円相当の Model 3を開発したのは、スタートアップが市場開拓した代表的な事例だ。
LED を活用した家庭用栽培施設「Leaf」
LED 照明の話をしてみよう。まだ一般的ではのいものの、照明市場は、LEDに急速に転換されるものと考えられる。白熱電球の生産・販売は地域毎に禁止されつつあり(EUは2009年、アメリカ・日本は2012年、韓国は2014年にそれぞれ禁止)、政府主導の LED 照明への転換は継続的に拡大しているからだ。2020年現在の世界の LED 市場規模は、7兆円相当になると推定されている。
LED 照明市場の成長に応じて、さまざまな関連市場が得られている。 そのうちの一つが、LED 照明を活用した植物栽培だ。それでも LED 照明を活用した栽培施設は非常に大きなコストがかかり、その植物を野菜で買うことに比べて経済性に乏しい場合が多い。ところが、市場価格が高い大麻ならどうだろうか? 経済性の確保が可能にある。これにより初期市場が形成されれば、徐々に栽培施設の価格が下落し、価格の下落に応じて、さまざまなな植物を栽培することができるようになるだろう。冷蔵庫の形をした家庭用栽培施設「Leaf」は、そのような面で実用化が期待される製品である。