Facebook MessengerのWeChat(微信)化計画がソースコードに隠されていた?

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Image Credit: Mirror Daily
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Facebook Messenger にまもなく新しいグループチャット機能が追加されるかもしれない。

Rooms という新機能が実現されると「自分の興味のあるトピックやイベントについて」の部屋をユーザが作れるようになる。

Messenger のソースコードには「Rooms はテーマや興味について開かれた会話をするためのものです。各部屋には Messenger にいる誰でも会話に加われるようシェアできるリンクがあります」とある。

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これが事実であれば、Messenger は中国のライバルである WeChat(微信)にみられるような会話型コマースの台頭に必要不可欠な機能を取り入れることになる。Tencent(騰訊)によって2010年にリリースされた WeChat は7億人のユーザ数を誇り、その多くはグループチャットを楽しんだり、また買い物の支払いや情報へのアクセスに QR コードを日常的に使用したりしている。

「私の最大の疑問点は、Facebook はグループスレッドのボットをどうやってサポートするのかということです」と言うのは VentureBeat に v87のソースコードを提供してくれた Chris Messina 氏だ。

Rooms がボットを使うのかどうかわかりませんが、Groups はかなりデスクトップでの使用に縛られているようなので、Rooms はプライバシーのハードルが下がるグループ会話でボットを走らせるための真新しいキャンバスなのかもしれません。(Messina 氏)

Rooms は Twitter や Telegram と競合するだろうと Messina氏。

ソースコードにあった Rooms の特徴は、Facebook が以前作った同名のアプリとほとんど同じであるように思える。Facebook 内に以前存在した Creative Labs の製品だった Rooms は、各公開フォーラムやチャットルームごとにモデレーターを置くスタイルのグループチャットだった。

Creative Lab の閉鎖直後の2015年12月23日、Facebook は Rooms を終了した

Facebook の広報担当者は、新しい Rooms が以前の Rooms の特徴を引き継いでいるのか、また Messenger ユーザがいつからグループのボットとチャットできるのかなど新しい Rooms の機能の実現性に関するコメントは明らかにしていない。

Rooms が少数の参加者で会話できるシステムになることは容易に想像できるが、ある日ボットが加わるかもしれないし、Reddit がやっているようなモデレーター形式の公開フォーラムになることもできる。

VentureBeat が先月行ったインタビューで Messenger のプロダクトマネージャーである Seth Rosenberg 氏は、プラットフォームにグループチャットを加えることを考えている、と語っている。

現在見受けられる多くの使用事例では、ボットがかなり上手く機能しています。しかし、ニュースの定期購読やフライトのカスタマーサービス、写真にフィルタをかけるといった経験の多くが、ボットのおかげで非常に上手く使えるようになります。そういうものを目指しているのです。(Rosenberg 氏)

Messenger は、特に Messenger API を4月に公開してから大きく進歩した。

  • ボットを利用しての支払い機能が月曜(9月12日)、Messenger に追加された。ボットのプラットフォームが公表される前の4月には、P2P 支払い機能が Messenger に追加された。
  • カルーセルやボタン、メニューもこの夏に追加された。デベロッパーが Messenger ボットをカスタマイズする新しい方法が今週初頭(9月12日)のアップデートで追加された。
  • Messenger を利用するビジネスでは、Messenger 内でマーケティングやプロモーションを実施することができる。これは、先月のボットプラットフォーム β 版の登場までは禁止されていたことだ。

これらすべてのことが備わっていても、Messenger はある一点において他のチャットプラットフォームと区別される。ボットとのグループチャットオプションがないということだ。Skype や Kik は今年初めグループチャットにボットを追加したし、Slack や Telegram にとってグループチャットは初期からの機能だ。

Messenger でボットとグループチャットできないことで、動きが鈍くなっているボット開発スタートアップもある。

コマースプラットフォームの Kip は Messenger、Slack、Telegram、Kik で利用できる。現在 Slack ではボットで商品の共同購入ができるが、Kip 側は家族や同僚と一緒に商品を共同購入するために e コマースボットを使えないか、Messenger でグループチャットができるようになるのを待っている状態だ。

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スポーツチャット会社 GameOn の CEO である Alex Beckman 氏は、同社と Sports Illustrated で連携して複数のチャットチャネルで一連のボットを使えるようにしている、と語った。

GameOn によると、ボットがグループチャットに参加できるプラットフォームではボットの参加率も稼働率も高いという。リオオリンピック中継の最初の1時間で使われた GameOn の Skype ボットのうち90%がグループ間での利用であった。

Beckman 氏は VentureBeat にこう話してくれた。

Facebook がグループチャット機能を追加してくれるよう期待しています。Facebook は本当に強いプラットフォームで、彼らとぜひ仕事をしたいと思っています。(中略)私たちと協業している他のどのプラットフォームでもグループ機能が備わっているのですから。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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