Twitchが規制を緩和、ゲームと無関係のブイログ形式コンテンツの配信が可能に

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Twitch が最も厳しい規則の一部を緩和し、ストリーマーはさらに多くの方法で他の視聴者と関わることができるようになった。

Amazon が所有するライブストリーミングサービス企業 Twitch は本日(12月15日)、ゲームのプレイ(もしくは風景画の制作スパイシーチキンの食事など)をしなくとも、カメラとオーディエンスに向かってチャットで話しかけたいブロードキャスター向けに IRL カテゴリーをローンチした。かつて Twitch のモデレーターは、ユーザが「ゲーム関連のコンテンツ」を生み出すことなく長々と話をするのに規制を設けていたが、この IRL カテゴリーでは、定められた場所にとどまる限り、ゲーミングとは直接関係のないブイログの配信も可能になった。この動きはまさしく、Twitch のもともとの姿であるライブの「ブイログ」サービス、Justin.tv を思い起こさせる。しかし Twitch のマーケティング部門ヘッド Matthew DiPietro 氏は、Twitch の IRL ストリームと Justin.tv は根本的に違うものであると説明している。後者がコンテンツにフォーカスしたものであるのに対し、前者はコミュニティ第一のアプローチを採用しているからだという。

DiPietro 氏は GamesBeat に次のように語っている。

Twitch を立ち上げたのはそもそも、コミュニティが向かおうとしているところへ私たちを導いてもらいたかったからです。Justin.tv には熱狂的で、有機的に成長しているグループが存在し、彼らが熱中していたのがこのゲーミングというものでした。つまり、私たちが Twitch でしようとしていることと、かつて Justin.tv でしていたこととの大きな違いは、(コミュニティ主導の戦略という)基本理念です。

根本的に Justin.tv は、あらゆる種類の風変わりなインターネットコンテンツを作ることができるよう設計されていた。しかし Twitch の設計時には、コミュニティ向けプラットフォームを構築した。そして現在、そのコミュニティはゲーム以外のブイログができるまでになっている。

Twitch のチーフエグゼクティブ Emmett Shear 氏は次のように述べている。

人気のコミュニティを作り、何百万という視聴者に魅力的なコンテンツを生み出しているクリエーターには驚かされます。ゲーミングがコアのアイデンティティであるとはいえ、クリエーターから何度も耳にしているのは、日常生活、思考、意見をコミュニティ内でシェアすることに関心があるということでした。IRL は、そのようなコミュニティ内でのやり取りを手助けするよう設計されています。

ゲームに極端に特化することから始め、その後、より広いオーディエンスに向けて徐々に拡張していくという戦略は、何も Twitch 特有のものではない。Facebook も VR 企業 Oculus で同様に行っている。同社 CEO の Mark Zuckerberg 氏はこれまで、スマートフォンの次にくる主要なコンピューティングプラットフォームは VR だと述べているが、Oculus Rift ヘッドセットの現時点での用途はゲームだ。

他の市場で確立された地位を持つ企業がゲーミングブランドを構築しようとする、逆の動きもあった。パソコン向けメモリ製品メーカー Kingston はここ数年、HyperX というゲーミングにフォーカスした部門を構えている。ゲーマーがゲーミングをテーマとするハードウェアに多くのお金をつぎ込む傾向があることを Kingston は把握しており、HyperX は成長を続けている。

しかしながら、この手の戦略を採用する事例として Twitch はおそらく最も優れたものだろう。同社は、200万のブロードキャスターと1億の月間視聴者という巨大なコミュニティを作り上げた。今では彼らの関心や要望こそが、同社がかつて撤退したマーケットセグメントでの成長を牽引している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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