中国の写真共有アプリ「Kuaishou(快手)」、Tencent(騰訊)のリードで3億5,000万米ドルの戦略的投資を獲得

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Image credit: Kuaishou(快手)

中国の動画・ライブストリーム業界では話題が絶えない。ビデオ編集・共有アプリの Kuaishou(快手)は今週(3月第4週)、Tencent(騰訊)がリードした3億5,000万米ドルの戦略的投資を獲得したと発表した。これまでの情報によると、Kuaishou は今年後半に IPO を行うものと目されていた。

同社の声明によると、今回獲得した資金は製品の品質向上と研究開発に充てられる。また、人工知能やビデオ分析技術のような最先端技術にさらなる投資を続けることで、同社の将来性を確保するとしている。

Kuaishou は以前、Tencent に加えて、Sequoia、DCM、Baidu(百度)などの大企業から投資を受けてきた。これらの企業が今回のラウンドに参加するかは明らかになっていない。

資本協力に加えて Kuaishou は、製品、技術、サービスの分野で Tencent およびBaiduと協力し、ユーザエクスペリエンスの向上に努めることを明らかにした。これら中国テック大手2社の支援により、同社の成長が促進されると見られる。

Tencent の CEO、Pony Ma(馬騰)氏は次のように語っている。

Kuaishou は人々の日常生活の記録と共有に焦点を当て、友人や家族をいつもそばに感じられるようにしています。ユーザの近いところにいて、暖かさと元気を与えてくれる製品です。

Tencent は、TechNode(動点科技)に対し次のように語った。

Kuaishou と Tencent はそれぞれ、非常にユニークなユーザに関するインサイト、技術力、そして運営上の専門知識を持ち合わせています。これらを統合することで、昨今急速に高まっている映像コンテンツに関する需要を俊敏に捉え、将来の発展につなげていけるものと考えています。

Image credit: Kuaishou(快手)

GIF Kuaishou から生まれた Kuaishou は、中国で流行するモバイル写真・動画共有アプリのパイオニアとして、今や世界中で4億人以上のユーザを集めている。食べ物、ショッピング、ヘアチュートリアルといった生活感に溢れるコンテンツから奇妙で面白いパフォーマンスまで、様々な動画クリップやライブストリームが共有されている。

同社のデータによると、デイリーアクティブユーザ数は5,000万人を超え、毎日500万を超える動画が投稿されているという。海外版の Kwai をローンチしたが、このアプリが知名度を得るのはこれからといったところだ。

中国で絶大な人気を誇っているにもかかわらず、同社の行動は比較的控えめで、メディアへの露出に関しては慎重だ。理由の一つとして、不快に感じるようなコンテンツが一部にあり、マイナスイメージを伴う報道がなされたことがあった。大部分のユーザは比較的小さな都市や農村部から来ているとされており、彼らの投稿した一部のコンテンツが農村部や中国全体の印象を悪くする結果となってしまった。

しかし、多くの人々が参加できるプラットフォームを同社が目指していることに変わりはない。

CEOである Su Hua(宿華)氏は TechNode への前回のインタビューでこう語った。

私たちは Kuaishou を万華鏡だと考えています。Kuaishou で共有される動画の種類は多種多様。ほとんどのコンテンツは日常の楽しい瞬間を切り取った楽しいものです。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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