Tencent(騰訊)が短編動画プラットフォーム「Kuaishou(快手)」への20億米ドルを出資する交渉の最終段階に入っているとLatePost(晚点)が報じた。同ラウンドはプレIPOで、総額30億米ドルを調達することになるという。これによりKuaishouの時価総額は286億米ドルになるとのこと。
重要視すべき理由:Tencentはさらなる市場シェアの獲得に向けて同社運営の短編動画プラットフォーム「Weishi」の販促に努めるほか、Kuaishouを活用して競合「TikTok=Douyin(抖音)」に対抗しようとしている。
- 短編動画プラットフォーム「TikTok」を運営するBytedance(字節跳動)は2019年6月の時点でTencentと検索大手のBaidu(百度)を追い抜き、中国のデジタル広告市場で第2位に躍り出た。これにより先行企業はEC大手「Alibaba(阿里巴巴)」だけとなっている。
詳細情報:年内に完了するとみられる本案件により、TencentのKuaishou持分は約20%となる。
- 20億米ドルという投資規模は8月に報じられていた10〜15億米ドルよりは多いものの、持分はTencentが当初取得を目指していた水準(30〜40%)を下回る。
- 同ラウンドに参加した他の投資家には、Alibabaが出資するYunfeng Capital(雲鋒基金)のほか、Boyu Capital(博裕資本)、Temasek Holding、Sequoia Capital(紅杉資本)などが名を連ねる。
- KuaishouとTencentは、ビデオゲームに特化したジョイントベンチャーを立ち上げる計画を廃止し、代わりにゲーミングでの協力関係を対象にした提携を交わすことになった。
- 12月3日のTechNodeからの取材問い合わせに対して、Tencentは回答を控えた。
背景:Kuaishouは来年アメリカで株式を上場し、 Bytedanceが擁するTikTokとの激しい競争に備えた資金を調達する可能性があると、Bloombergが9月に報じていた。
- LatePostの当初の情報によると、Kuaishouの設立者Su Hua(宿華)氏は、短編動画プラットフォーム買収に関するTencentからのオファーを断ったとされる。
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