ホテルの適正価格を教えてくれる価格戦略支援AIプラットフォーム「MagicPrice」「ホテル番付」運営、複数投資家から8,000万円を調達

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空の経営チームと、投資家の人々
Image credit: 空

MagicPrice」と「ホテル番付」は、共にホテルが高過ぎず安過ぎない、その時点で最適な価格を顧客に提示できるようにする価格戦略支援人工知能プラットフォームだ。両サービスを提供するスタートアップ空(そら)は3日、500 Startups Japan、大和企業投資、エンジェル投資家複数からの出資、および、日本政策金融公庫からの融資(資本性ローンと推定される)で8,000万円を調達したことを明らかにした。調達ラウンドは不明。

空は2015年、ヤフーでアドテク関連の業務に従事していた松村大貴氏らにより設立。2016年3月に TECH LAB PAAK 第3期デモデイでコロプラ賞を獲得、2016年7月に Incubate Camp 9th への参加チームに採択、2016年8月に 500 KOBE PRE-ACCELERATOR への参加チームに採択されている。この3つのイベントへの参加が契機となって、同社は2016年7月に、500 Startups Japan、インキュベイトファンド、千葉功太郎氏(TECH LAB PAAK 第3期デモデイでコロプラ賞を授与する審査員を務めた)から、シードラウンドで約2,000万円(推定)を調達している。

MagicPrice のスクリーンショット
Image credit: 空

2016年7月にβ版として開始された MagicPrice は、予約履歴などの自社データをインポート、周辺ホテルなどの競合データをクローリングし、機械学習で最適な価格をリアリタイム計算する。計算された価格は、自社サイトのほかサイトコントローラを経由して、旅行予約サイトや OTA にも反映させるしくみだ。ホテルの現場は多忙であるため、操作にあたってリテラシーを必要とする機能は実装せず、運用を限りなく自動化できるように設計されている。ホテル向けの RPA(Robotic Process Automation) という表現ができるかもしれない。今年3月には、ホテルシステム大手のダイナテック(ヤフーが親会社)と提携している。

ホテル番付のスクリーンショット
Image credit: 空

一方、ホテル番付は8月29日に開始したプラットフォームで、ユーザであるホテルオーナーは周辺の競合ホテルと比較して、同じ日に各ホテルがどのくらい予約され、売上があったのかを知ることができる。インターネット上に公開されている客室価格と販売室数を用いた計算により、毎日1万軒以上のホテルのデータが自動算出されている。ホテル番付は完全無料で提供されており、おそらく、MagicPrice の呼び水的なプロモーションツールとしての位置付けなのだろう。

空は、MagicPrice の現在のユーザ数を明らかにしていないが、当面は日本のホテル・旅館の約10%にあたる5,000ユーザの獲得を目指すとしている。ホテル番付については、ローンチからの約1ヶ月間で500人以上の宿泊施設関係者がユーザ登録を完了したことを明らかにしている。

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