
Image credit: 空
「ホテル番付」と「MagicPrice」を提供するスタートアップ空(そら)は12日、都内で記者会見を開き、MagicPrice の UI/UX をリニューアルし、ホテル番付を MagicPrice にブランド統合すると発表した。市場分析を主機能とするホテル番付を、ホテル向けに料金設定支援を提供する MagicPrice に一元化することで、認知度向上させることが狙い。また、サービス名から「ホテル」という言葉が消えることで、今後、ホテル以外の分野のダイナミックプライシング事業への進出も提供しやすくなる効果が期待できる。
この日、会見で登壇した空の代表取締役である松村大貴氏は、「PriceTech」という新たな造語を使って、今後同社が進む方向性を示した。ダイナミックプライシングは、さまざまなチケット販売や販売・賃貸不動産の料金設定などにも応用可能で、国内ではメトロエンジンやライトブレイン(サービス名は「満室ナビ」)などのスタートアップが参入している。松村氏によれば、新たなに進出する分野については複数のパートナーと協議中ながら現時点では未確定。法規制などを受けにくいカテゴリから着手することになるだろう、と語った。

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今回のブランド統合と合わせ、MagicPrice は UI/UX が一新される。端的には、システムに詳しくなくても、ホテルの担当者であれば誰もが容易に操作できるようにした WYSIWYG な仕様と言ってよいだろう。新バージョンでは業務の省力化も追求されており、人間の確認と価格のチューニングが必要なところだけがユーザに指摘されるようになっている。新バージョンでは結果的に、料金は従来バージョンから値上がりとなるが、すでにサービスを利用している顧客については据え置かれる可能性があるようだ。
2017年8月のサービスローンチ以降、MagicPrice(旧ホテル番付 + 旧 MagicPrice)は、すでに累計2,000軒を超えるホテルに導入されている。詳細な調査項目は不明だが、空がユーザにインタビューした結果では直近の2ヶ月間で91%の満足度が得られているそうだ。導入ホテルチェーンには、ニューオータニイン、ベストウェスタンホテル(日本国内において、ベストウェスタンブランドで運営するフィーノホテルズのみ)、くれたけホテルチェーンなどがある。空は今後、技術開発のみならず、カスタマーサクセスにも注力するとしている。
新生 MagicPrice は、原則的に日本国内のホテルや旅館など宿泊施設にのみ提供。12月13日から申込受付を開始し、2019年2月以降、サイトコントローラなどとの繋ぎ込みをはじめとして、セットアップやシステム連携が完了したユーザから順次利用が開始される予定だ。
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