シンガポールのエンタープライズ向けヘルスケアスタートアップMyDoc、シリーズAラウンドで520万米ドルを調達

SHARE:

MyDoc-screenshot

シンガポールのエンタープライズ向けヘルスケアスタートアップ MyDoc がシリーズ A ラウンドで520万米ドルを調達した。

2014年の設立以来、同スタートアップはエンタープライズ向けに従業員のヘルスケア管理の問題解決に取り組んでいる。同社の新スイート製品 MyDoc@work は今年末に向けてローンチ予定だと Tech in Asia に伝えてくれた。

この製品では、医師とのビデオコンサルテーションの予約や処方箋のオンライン注文、保険の情報へのアクセスなどができる。ローンチしたばかりのオンライン診断書アプリケーションなど一部機能はすでに以前からあったものだが、新スイート製品の一部として今回使い方が簡単になった。

同社の目標は、患者、ヘルスケア専門家、薬局、保険会社、従業員を単一プラットフォーム上でつなぐことによって、ヘルスケアの全側面を統合することだ。これにより時間が節約でき、当事者全てに関わる貴重なデータを提供できるようになる。

MyDoc の CEO 兼共同設立者である Snehal Patel 博士は次のように話している。

当社は、一部の企業が頭を抱えるヘルスケア費用の増加という問題の解決に取り組んでいます。

現在クライアントには AIA や AXA といった保険会社やシンガポールの Health Promotion Board(HPB)、Guardian Pharmacy、AcuMed Medical Group、Farrer Park Hospital などがいる。

MyDoc はこれまでもシンガポールの自国マーケットに集中してきたが、スリランカや香港でもトライアルを展開してきた。特に香港市場は有望だと Patel 博士は話しており、将来的にもっと積極的に取り組んでいく考えだという。他にもインドネシアのような地方市場への進出も計画中である。

法人向けヘルスケア市場と保険市場はとても画一的です。(Patel 博士)

グローバルに展開している大手企業や保険会社との既存の関係は、MyDoc が新規マーケットに参入する際に助けとなる。

Tech in Asia のデータによれば、グローバル IT サービス企業である UST がリードした本ラウンドは東南アジアでトップ10に入る大型のヘルスケア投資ということになる。

シンガポールはヘルスケア分野では東南アジアのリーダー的存在で、500万米ドル以上の調達実績がある10社すべてがシンガポールの登録企業である。同地域のヘルスケア企業による過去最大のラウンドは今年2,500万米ドルを調達した CXA だが、同社もエンタープライズ向けヘルスケア分野に焦点を当てて取り組んでいる。

アーリーステージ向けベンチャーキャピタル企業の Wavemaker Partners も今回のシリーズ A ラウンドに参加した。過去にはシンガポール政府関連ファンドの Spring Seeds や August Capital Partners なども同社に投資している。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する