全世界でコワーキングスペースを運営するWeWorkの猛進ぶりが止まらない。CEOのアダム・ニューマン氏は先週、今年の売り上げは10億ドルに達する予定であると発表し、具体的な時期については言及しなかったものIPOの予定があることも伝えた(参照:ロイター)。
現在、15カ国で149の場所に展開しており、12万人のメンバーを有するというWeWork。注目すべきは、大手企業ユーザー数の飛躍ぶりである。
「2年前までは、フォーチュン500に入るような企業がユーザーで占める割合は1パーセントだったものの、現在ではその割合は30パーセントまで伸びている」とのこと。また、recodeの報道によれば、1000名以上の社員を持つ法人ユーザーの利用が、この1年で倍増しているという。
WeWorkのチーフグロースオフィサーのDave Fano氏がrecodeに語った内容によれば、「一度に大きなスペース、または階ごと借りる法人クライアントのおかげで、WeWorkは以前よりも高いレント率で新しいロケーションに拠点をオープンすることができている」とのこと。
確かに、私が在住しているベルリンでもWeWorkをはじめ、外資やローカルのコワーキングスペースがここ2年ほどで急増・拡大したが、共通して見られる傾向は大手企業ユーザーの増加だ。
それまでは、コワーキングスペースのユーザーのほとんどが、フリーランサーか、または数名〜10名程度の比較的小さなスタートアップやスモールビジネスのチームだったが、ここ1、2年の大手企業ユーザーの増加ぶりは顕著だ。
大手企業がコワーキングスペースに自分たちのスペースを持つ動機は、「スタートアップやフリーランスのデザイナー・クリエイターとの協業機会を模索している」「最新のテックやライフスタイルのトレンドを知りたい」「イノベーションに積極的である姿勢を示したい」などさまざまだ。
大手企業ユーザーの思惑はどうあれ、コワーキングスペースを運営する側にとっては、安定して大きなスペースを貸せるという点で彼らが借りていくれることは大きなメリットだろう。大手企業ユーザーへの供給が今後も安定して続くかどうかは要注目だ。
先月、WeWorkはコミュニティプラットフォームMeetupを買収し、この半年だけでも買収した会社は建設業界向け通信システムFieldlens、シンガポールのコワーキングスペース Spacemob、マーケティングプラットフォーム Unomy、コーディングブートキャンプFlatiron Schoolと、その勢いは止まらない。
この夏、Softbank GroupとSoftBank Vision Fundから44億ドルの大型資金調達したことは、その加速の大きな要因だろう。
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