中国の配車サービス最大手Didi Chuxing(滴滴出行)、乗客の殺害事件を受けて相乗りサービス「Hitch(順風車)」を一時休止

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Didi Chuxing(滴滴出行)
Image credit: Didi Chuxing(滴滴出行)

中国の配車サービス大手 Didi Chuxing(滴滴出行)は、Hitch サービス(順風車)を「調整」のため1週間休止すると声明で発表した。また、調査過程に関する詳細情報も以下のように公開した。

弊社による調査で、ドライバーアカウントは容疑者の父親のものであることが判明しました。当アカウントは検証プロセス、犯罪歴チェック、配車依頼の前に行う顔認識、その他セキュリティ対策を全てパスしています。容疑者は配車依頼を受けるため、サービス利用規約を違反し、父親のアカウントを借りたと見られています。

同社は次のように自社側の過失を認めた。

夜間の安全装置に欠陥が見つかりました。配車依頼を受ける前に行う顔認識の夜間モードが正常に作動していませんでした。

さらに事件前、被害者である乗客はドライバーからのセクハラで苦情を申し立てていた。その後、カスタマーサービスは容疑者への連絡を5回試みたが、結局つながらなかったという。

プラットフォームにおける仲裁規則に不備があり、その後数日間、乗客の苦情に上手く対処できていなかったのです。

この凄惨な事件を受け、Didi は一連の対応策を以下のように取っている。

  1. 中国全土で Hitch サービスを1週間休止する。
  2. ドライバーと車両とのミスマッチに絡むいかなる事件をも防ぐため、ドライバーに対し徹底的な調査を行う。
  3. 運営とカスタマーサービスのシステムを見直し、抜本的な改革を行う。

中国最大の配車サービス企業 Didi は5月10日火曜、キャビンアテンダントを務める女性(21)が殺害されたことを受け、公式に謝罪した。容疑者は彼女の Didi Hitch ドライバーだと思われる。同社は「このような悲劇が起きてしまい、深い悲しみを覚えるとともに大変申し訳なく思っております」と述べ、容疑者逮捕のために警察当局と密接に連携を取っていくという。この殺人事件により、安全に対する不安が中国全土に広がり、中国のソーシャルメディアで活発な議論が行われている。

Zhihu(知乎)ユーザの1人は、次のように投稿した。

自分自身がドライバーになって、Didi がプラットフォーム上で人の写真や声を載せる理由が初めてわかった。このプロダクトマネージャーは、明らかに Inter-City Hitch(城際順風車)をソーシャルメディアのソフトウェアとして見ている。

Didi Hitch アプリを通じて、ドライバーは配車を希望する乗客の年齢、職業、プロフィール写真、性別といった詳細情報の閲覧や、何人が同乗予定かを確認することが可能。プロフィールの他に、乗客に関する「レビュー欄」があり、しばしば体型や外見に関する不適切なコメントが散見されるという。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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