チャットボットのKik、1,000名の無作為抽出ユーザで独自暗号通貨「Kin」をテスト

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Kik の新たなチャットテーマのプレビュー
Image Credit: Kik

チャットアプリの Kik は本日(6月27日)、初めて仮想通貨の Kin を顧客数限定で提供開始した。無作為に選ばれた1,000名のユーザが、仮想通貨を最初に使用する人たちとなる。

アプリの全ユーザに無償供与される初回発行の Kin 通貨は新しいアプリのテーマにのみ利用できる。月間のアクティブユーザが1,500万人にも及ぶこのチャットアプリでバックグラウンドをカスタマイズできるようになるのはこれが初めてのことだが、このユースケースは Kik が自社の仮想通貨に抱く意欲的な計画からはかけ離れたものだ。

ユーザは雑学クイズで正解するか、世論調査に回答するか、自由時間にしていることや Kik アプリに対する全般的な意見などといった質問に答えることで Kin を獲得する。

プロダクトマネージャーの Laura Newton 氏は VentureBeat の電話インタビューで次のように語った。

とても新しい技術なので1,000人のユーザから始めています。全ての面でちゃんと規模を大きくしていけるか、しっかりできているか確認したいと考えています。こうした面が大丈夫であれば、ユーザ数はあっという間に増やせるはずです。ですので、現段階は1,000人ですが成長性があります。

Kin のローンチへの道のりが始まったのは、仮想通貨を管理する Kin Ecosystem Foundation を設立した2017年5月にさかのぼる昨年秋には1億米ドル近くのトークン販売も実施されている

Kin の普及は Kin Rewards Engine が推進役となる。Kin Rewards Engine は魅力的なコンテンツやボットをデベロッパーや企業が作りやすくなるエコシステムを成長させることを狙っている。ユーザも同プラットフォームの利用を継続することで見返りを得ることができ、こうして新規ユーザを引きつけ既存ユーザを離さないことになる。

ユーザは、コンテンツの利用や同プラットフォーム上で過ごす時間が増えれば増えるほどより多くの Kin を稼ぐことができ、プレミアムコンテンツやその他のグッズを購入できる。購入先は Kin Marketplace やその他イーサリアム関連の仮想通貨が使えるオンラインマーケットプレイスとなる。

Kin ソフトウェア開発キットも作成された。ゲームエンジンクリエーターの Unity のような他プラットフォームでも Kin Rewards Engine と似たアプローチをとって、関わったゲーマーが仮想通貨で見返りを受けられるエコシステムを構築できるようにすることが狙いだ。

より広範なデベロッパーグループ向けの Kin Rewards Engine 公開予定日はまだ未定だ。

Newton 氏は以下のように語った。

私たちはこの Kin のローンチによって初となる SDK のインテグレーションを開始し、それによって得られる知見に取り組む予定です。その後、アプリを進化させることを検討しようと思いますが、そこではボットが常に不可欠な要素となるでしょう。ですので、ロードマップ上の計画はありますが、今すぐ取り組むというほどには重要ということでもないのです。

5月には Kik はイーサリアムベースのブロックチェーンと連動するステラベースブロックチェーンを作成し、イーサリアムが直面するスケーラビリティの問題に対処している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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