外国語個人指導プラットフォーム「Preply」、シードラウンドのフォローオンで400万米ドルを調達——ビジネスパーソン向け40カ国語に対応

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Image Credit: Preply

ビジネスの言語といえば、英語が脚光を浴びることが多い。だが製品やサービスを世界規模で市場に出し販売するには、他にもいくつかの言語を手札に加える必要がある。

実際、ビジネスに必要不可欠な言語としては、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、そして標準中国語のほうが英語を上回る。

それを念頭に置いて、世界的な言語個人指導のプラットフォーム Preply は本日(7月24日)、サービスとチームの拡大に向け400万米ドルを調達したと発表した。

Preply が参入する市場は Duolingo や Memrise、Quizlet といったプラットフォームが支配的ではあるが、同社は会話スキルや休暇に最適な学習といったものをターゲットにするのではなく、若いビジネスパーソンが40の言語でビジネスを行えるように教えるという点に注力している。

CEO 兼共同設立者の Kirill Bigai 氏は筆者にこう語った。

弊社の目標の1つは、世界中の学習者と講師を結びつけることで、平等なオンライン学習環境を作り上げることです。コロラド州の小さな町に住んでいながら、バルセロナやボゴタ出身の講師からスペイン語を学びたいと思うような人には素晴らしい機会となります。

即時予約機能の Preply カレンダーの改良やモバイルアプリのローンチなど、将来の製品の長期的な開発を今回の資金は支えることとなる。

Bigai 氏はこう述べた。

携帯機器ベースのレッスンは旧来の教室に比べて安価です。直接対面してのレッスンよりも安全で時間もかかりません。学習者は所定の場所に通ったり誰かを家に招き入れたりする必要がありませんから。いつでもどこでもレッスンを受けることができるため、柔軟性が高いのです。また一方では、講師が独立して正当な報酬を得られるようお手伝いすることで、Preply は古めかしい力学を改革しています。講師がやりたいことに時間を使えるよう、現在地や時差に制限されることのないきちんとバランスの取れたスケジュールを弊社は提供したいと考えています。

この資金は、Preply がベルリンに2つ目のオフィスを開き幹部チームを強化するのにも使用されている。新たなプロダクトマネージャー、デザイナー、開発者の追加、ならびに切迫した課題であるマーケティング部門バイスプレジデントの雇用だ。この雇用は同社の集客戦略の助けとなることだろう。

Bigai 氏は次のように述べた。

学習者が弊社を見つけるのは通常、インターネット検索や口コミを通じた有機的なものです。弊社の集客努力にはまだ大きな改善の余地がありますし、弊社は正しい方向へと進んでいると考えています。

とは言え、Preply はプラットフォームに追加する講師を比較的簡単に見つけている。

講師の間では、弊社はすぐに人気になりました。Preply の開始以来、およそ10万人の登録がありました。弊社の厳格な条件と検証プロセスのため、すべての講師の登録申請のうちごく一部しか受け入れておりません。これによって、最良の講師陣と協力することに専念できています。

Preply の国際的マーケットは5箇所から15箇所にまで成長している。同プラットフォームが擁する講師は2万5,000人以上、教えている言語は40種類。学習者は160以上の国々にまたがり1年あたり10万人を超える。ユーザ数は2016年から300%の伸び率だ。マーケティングの VP 不在にしては良い数字である。

同社は2015年の Techstars ベルリンプログラムに参加していた。この資金調達ラウンドはベルリン拠点の Point Nine Capital がリードした。さらなる投資家には Arthur Kosten 氏(Booking.com、2003年~2012年)、RTAventures VC(ポーランド)、Mariusz Gralewski 氏(DocPlanner、ポーランド)、Przemysław Gacek 氏(Grupa Pracuj、ポーランド)、Diligent Capital Partners(ウクライナ)、そして SMRK (ウクライナ)が含まれる。

では、Preply の次のステップは?

Bigai 氏は次のように述べた。

弊社は現在、受講者が仕事で、または外国の家族と、そして旅行中に自信を持って外国語を話すことができるよう専念しています。将来的にはまずプログラミング言語、そしてビジネススキル、ひいてはK-12(幼稚園から高校まで)の教育といったように、他のテーマにも注力したいと考えています。

それだけではない。多くのスタートアップと同様に、AI や機械学習も Preply の未来の一翼を担うことになる。

対象言語、母国語、タイムゾーン、学習の目的など幅広いパラメーターにおいて、学習者と講師のマッチングの効率性を向上させるため、弊社は機械学習のアルゴリズムに取り組んでいます。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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