地域情報検索サービス「Pathee」、三井物産などから6.5億円を調達——リアル店舗チェーン向けデジタルマーケティング支援事業を強化

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.9.25

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左:Eight Roads Ventures Japan の村田純一氏、Pathee 代表取締役の寺田真介氏、三井物産の大久保忠治氏
Image credit: Pathee

地域情報検索サービス「Pathee」を提供する Pathee(パシー)は25日、6.5億円を調達したと発表した。ラウンドは正確には不明だが、ポストシリーズ A ラウンドと見られる。このラウンドに参加したのは、三井物産、Eight Roads Ventures Japan、地域創生ファンド、第一勧業信用組合、シークウェル、SMBC ベンチャーキャピタル。Pathee にとっては、2017年6月に実施したシリーズ A ラウンド(3億円を調達)に続くものとなる(当時の社名は trietrue)。これまでの累積調達金額は、公開されているものだけで約11億円に上る。

Pathee は、地域情報に特化した検索エンジンとしてスタート。THE BRIDGE では5年ほど前、Innovation Weekend Grand Finale 2013 のファイナリストとして紹介している。ユーザがある商品やサービスを近場で購入したいとき、通常のエンジンで検索してみても、店名に冠していたり、明確に基幹商品にしていたりしないと検索するのは難しい。飲食店であれば何らかの形で web サイトを持っていることが多いが、飲食業以外の小売店はこの限りではなく、検索エンジンでクローリングしても情報がとれないのだという。

ここに目をつけ、今年に4月に同社がリリースしたのが「Pathee パートナー」だ。飲食業以外の小売店に特化して、お店の Web サイトに代わる一次情報を簡単に作れるサービス。Pathee の検索結果のみならず、他の検索エンジンのクローリングにも引っかかるように設計されている。Pathee パートナーを採用する事業者の案内ページが、商品名やサービス名を契機に検索されるケースで、検索上位5位以内に出てくるため実店舗への顧客誘導につながっている。

お店へ行ってから商品を探すよりも、商品契機で検索をしてから、そのお店へ行くという人が増えている。スポーツショップというキーワードでスポーツショップを探すのではなく、欲しいものや目的でお店を探せるようにした。検索結果は Pathee パートナーが作ったものばかりになっていくはずで、ある程度、認知が高まったらアプリも作りたいと考えている。(代表取締役 CEO 寺田真介氏)

飲食店を支援するバーティカルはレッドオーシャン化している一方、飲食店以外のリアル店舗はデジタルからマネタイズする方法が明確には定まっていなかったため、寺田氏に言わせれば、まだまだ手付かずなのだという。

飲食店では、顧客誘導でもお金が取れるだろう。しかし、飲食店以外の小売業では粒度が荒すぎる(O2O 的には、数の上でどれだけ売上に貢献できたかはわかりづらい)。したがって、SaaS という形で料金をいただくようにした。(中略)オンラインコマースの世界では Amazon が席巻する一方、リアル店舗に Pathee パートナーを使ってもらうことで、求めているお客にリアルでリーチしてもらえる導線を作れるのではないか。

Pathee の検索結果に小売店舗の情報が表示されなかったため、半ば副産物的に生まれた Pathee パートナーだが、リリースから半年が経って、このサービスの引きがすごく良いのだとか。顧客にはチェーン店舗が多く、主に東京にある本部と話をつければ、すべての店舗のページを一括で受託できるので営業効率がよい。

Pathee パートナーには、コンテンツの簡易作成機能のほか、SNS 一括管理機能、トラフィック一括分析機能など、リアル店舗が全てのデジタルマーケティング施策を一括して管理できる機能が備わっている。今回の資金調達を受けて、Pathee では Pathee パートナーの営業体制の整備を図るとともに、現在約60社いる Pathee パートナーのユーザ企業をさらに拡大する考えだ。

ここまで読んで、Pathee は小売業向けのデジタルマーケティングのスタートアップに完全にピボットしたのか、と思う読者もいるかもしれないが、そうではないようだ。地域情報に特化して情報をセマンテックに再構成し、ユーザが求める本来の検索結果(例えば、「新宿」というキーワードに対し、Pathee のエンジンはユーザが「新宿駅周辺」を意図しているのか「新宿○丁目」を意図しているのかを見極められるという)を返却できる同社の技術は、今後も研ぎ澄まされて行くだろう。寺田氏によれば、Pathee パートナーの拡販で経営財務基盤を堅固なものにした上で、検索エンジン技術の精度向上などにも注力していきたい、とのことだった。

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