
ブロックチェーンインフラを構築するシンガポールのスタートアップ ICHX Tech が、シンガポール証券取引所(SGX)、および Temasek Holdings 子会社の Hecolina Capital Management から資金を調達したことを発表した。金額は非公開である。
この資金調達後、同社は金融業界において長年実績のある、SGX のエグゼクティブ VP 兼株式・債券部門トップの Chew Sutat 氏、Monetary Authority of Singapore(シンガポール金融管理局、MAS)の元特別顧問(財務監督)でアシスタント MD である Chua Kim Leng 氏を取締役員会に迎え入れた。ICHX Tech は今回新たに調達した資金を活用し、資本市場プラットフォーム「iSTOX」のさらなる開発を進めていく予定。iSTOX は、セキュリティ・トークン・オファリング(STO)を通じた新たな資金調達法を企業に提供している。
STO は iSTOX 上で資金調達を目的に発行され、証券先物法により証券として定義される。STO は株式や債券、実物資産など様々な既存資産、あるいは事業・プロジェクトの見込み収益や利益に裏付けされるものである。また、資産を分割所有することもできるので、企業側は将来的により幅広く多様な投資基盤を構築することが可能になる。さらに、iSTOXは二次的プラットフォームを提供しており、投資家はSTOの流動的な活用も可能。
iSTOXは、資金を調達したい企業と希望に合った投資機会を熱望する投資家の両者に大きな利益をもたらす、より柔軟で包括的、効率的なプラットフォームとなるでしょう。
弊社は既存の資本市場の仕組みにより確かな利益性を与える、将来を見据えた資金調達プラットフォームの提供を目指しています。(ICHX Tech CEO の Danny Toe 氏)
iSTOX は STO の発行・管理にブロックチェーンとスマートコントラクトを使用するが、すべての証券は不換紙幣で売買され、仮想通貨取引とは区別される(そのため、より高い透明性が保証され、取引にかかる時間の短縮が生まれる)。
iSTOX はブロックチェーン技術を使用することで、これまで不十分であった投資家と発行者両者のニーズへの対応を可能にします。これは、今日の資本市場が持つ領域が STO によって広がるということで、STO が資本調達の将来を担うことを弊社は確信しています。(Toe 氏)
ICHX Tech は現在、MAS による RMO(Recognised Market Operator)ライセンスの取得を目指しており、iSTOX プラットフォームはこの認可がおり次第公開される予定だ。
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