ストックマーク、AIが営業業務の自動化と企業の意思決定を支援する「Asales(エーセールス)」を正式ローンチ

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Asales
Image credit: StockMark

東京を拠点とするストックマークは、人工知能を使って営業業務の一部機能を自動化したり、営業現場の声をもとに企業の意思決定を円滑にしたりできるクラウドサービス「Asales(エーセールス)」を正式ローンチした。ストックマークにとっては、C 向けの記事管理自動化アプリ「StockMark(ストックマーク)」、B 向けのニュースクリッピングサービス「Anews(エーニュース)」に続く3つ目のサービスとなる。

営業のプロセスは属人的であることが多く、既存の業務分析も定量データを解析したものに留まっていることが多い。営業現場の声を AI を使って定性的に分析し、それを企業の意思決定に反映しプロセスを高速化することを意図して、CRM や SFA と連携して使えるツールが Asales だ。

ローンチ当初は Salesforce との連携により利用が可能で、近日中には Salesforce AppExchange 上でモバイルアプリとしても公開される見込み。顧客からの要望があれば、ソフトブレーンの e-Sales Manager、Microsoft Dynamics との連携も進めるという。Asales が提供する機能は次の通り。

<営業現場向け>

  • 情報武装
  • 社内検索/レコメンド(同業種、同規模企業への営業資料)

<営業マネージャー向け>

  • 日報解析/対話解析(失注しそうな顧客を指摘)

<営業企画向け>

  • ST 分析、ヒートマップ分析

Asales では、多くの営業業務が自動化可能となっている。商談スケジュールを SFA に投入すると、その顧客と自社商材に関連するニュースなどが SFA のダッシュボード上に表示される。Box などオンラインストレージに保存された資料ファイルから、関連しそうなものを自動的に抽出してくる機能も有しており、営業担当者は顧客向けの提案資料作成に要する時間を大幅に削減できる(オンプレミス環境のファイルストレージには対応していないが、ユーザの要望に応じて API を提供する用意があるようだ)。

また、営業担当者と顧客とのやりとりを、メールや会話の録音などから抽出、営業マネージャーには自然言語分析によりネクストアクションを支援する機能を備える。ストックマークでは、インサイドセールスなどよりも、営業プロセスにおいてより上流フェーズに位置することが多いフィールドセールスでの利用を想定しているという。

料金は、導入初期に必要となる3ヶ月間のチューニングのためのコンサルティングが100万円。さらに、情報武装や社内検索機能を提供する Asales Basic が6,000円×ユーザ人数/月、日報解析・対話解析や受注失注分析を提供する Asales Insights が80万円/月となっている(ASales Basic と AsalesInsights は二者択一的なものではなく、両方セットでのサービス提供となる)。

ストックマークによれば、これまでにも、市場分析や対話解析のソリューションは存在したが、業務全体を包括的にサポートできるサービスは多くないそうだ。また、SFA が発達するアメリカにもこの種のソリューションは存在するが、英語対応のみで定量的なデータ解析に終始していることが多く、同社では日本市場で直接的な競合は少ないと見ている。ストックマークは Asales をこれまでクローズドβ版として数ヶ月間提供しており、ユーザには既に大手金融、システム開発会社、製造業、旅行会社などがいるという。

ストックマークは2016年4月、日本の大手商社に勤務していた林達氏をはじめ、技術者4人が中心となって設立され、リクルートホールディングスのスタートアップ・アクセラレータ「TECH LAB PAAK」の第3期から輩出された。2017年4月にローンチした Anews がキャッシュカウとして順調に成長しているようで、外部からの大きな資金調達は確認されていない。

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