1000億円被害のウォレットを追えーーブロックチェーン警察の「Chainalysis」がAccelから3000万ドル調達

by Taishi Masubuchi Taishi Masubuchi on 2019.2.27

police army commando special task force
Photo by Somchai Kongkamsri on Pexels.com

ピックアップCrypto Detective Firm Chainalysis Raises $30 Million, Cites Growth of ‘Stablecoins’ 

ニュースサマリー:ブロックチェーンにおける資金の流れや情報を追跡するChainalysisは12日、3000万ドルの資金調達を公表した。調達ラウンドはシリーズBで、Accelがリード投資家を務める。調達した資金は独自に進めるKYC(Know Your Customer:顧客確認)プロセスのシステム開発などに使われる。同技術は既に100を超える金融機関また暗号通貨取引所にて採用されている。

同社はブロックチェーン上の悪意あるトランザクションを探し出し事前に犯罪を抑止する。近年では、金融機関向けのプロダクト開発に乗り出すなど、新たなフィールドへ活躍の場を広げている。

同社CEOのMichael Gronager氏はFortuneの取材に対し、去年までは法的機関からの収入が9割を占めていたが、現在では全体収益の4割をそれ以外の顧客から得られているとしている。その一例にはステーブルコイン事業者を挙げている。

話題のポイント:Chainalysisが進めるのはステーブルコイン関連のKYC事業、つまり「Know Your Transaction (KYT) for Stablecoins」です。

具体的にChainalysis KYTはステーブルコイン発行の全てをリアルタイムでモニタリング可能で、アンチマネーロンダリング(AML)の面で特に役立つことが想定されています。

ブロックチェーン上のトランザクションデータを分析する事業は、Chainalysisに限らず数多く登場しています。過去のハッキングの要因分析や、ハッカー、マネーロンダリング手段の傾向を分析し、業界発展をしていくためにも必要な事業セクターなのでしょう。

例えば、Chainalysisは今までに発生した1000億円を超えるハッキング被害に大きく関与している2つのハッカーグループが使ったウォレットのアドレスを見つけ、両者をアルファとベータと呼ばれる2つのグループに分類し分析を実施しました。以下のグラフ「Share of Hacked Funds Cashed out over Time」は、同グループの動きをチェーンの動向から導き出したものです。

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Credit: Chainalysis Blog

アルファのハッカー集団の資金の動きからは、徐々に資金を移動させキャッシュアウトさせていることがわかります。組織がきちんと統率されていて、一度のキャッシュアウトを狙っていないことなどから金銭獲得以外の狙いがあるのかもしれません。

逆にベータのハッカー集団は一定期間後、一気にキャッシュアウトを試みていることから何らかの資金獲得が大きな目的だったと想定できます。

チェーンの監視を進めるとトランザクションデータの傾向や動向を読み取れるので、ハッキングを防ぐためのヒントとなるデータを抽出できます。Chainalysisなどのブロックチェーンモニタリング企業に勢いがあるのはこのあたりが理由になりそうです。

 

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