シアトルで始まる次のカーシェア戦争「ドッグレス」とはーーQRコードでチョイ乗りできるLimePodが参戦

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ピックアップLime launches new LimePod car-sharing service to all users in Seattle

ニュースサマリー:シェアサイクル事業を展開するLimeがカーシェア事業にも本格参入する。19日に米テックメディアなどが報じているもので、シアトルを中心に展開を開始する。昨年末よりシアトルにてベータテスト版を開始しており、一部ユーザーにはサービスを開放していた。19日からはLimeのアプリから誰でも利用できるようになっている。

新サービスは「LimePod(ライムポッド)」と呼ばれ、自転車と同じくドッグレス、つまりどこでも乗り捨て可能となっている。シアトルではLimePodの他にも、ReachNowやcar2goといった同様サービスが存在するが、中でもLimeの値段は1分あたり40セントからと最安値となっている。ただし乗車時に1ドルが毎回チャージされる。

話題のポイント:Amazonの無人コンビニに然り、何かとテクノロジーの実証実験なフィールドとして使われるシアトルですが、次に勃発したのはドッグレスカーシェア戦争のようです。

シアトルではBMW子会社が運営するReachNow、ダイムラー運営のcar2goがドッグレスカーシェアを開始しており、Limeは3社目の参入となりました。基本的なサービス面ではほぼ同じなのですが、いくつか違いを見つけたのでご紹介します。

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利用体験・利便性:ReachNowまたCar2goも、専用アプリから即座に停めてある車に乗車できる、といった面ではLimePodと変わりありません。しかし前者はアプリに表示される認証コードを打ち込まなければ運転を開始することができません。対してLimeは、同社が提供している自転車・スクーターで用いている技術を応用し、自動車にあるQRコードをスマホアプリで読み込むだけですぐに出発することが可能です。

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アプリを実際にダウンロードしてみると、まさにQRコード決済の画面と変わらないなという印象で「車」をレンタルするまでの時間的・精神的コストが格段に下がる大きな1歩だなと改めて感じます。シアトルの街にはいろいろな「テック」がこぼれ落ちていて、探し出すのが楽しいです。

値段:ReachNowとCar2goが1分45セントであるのに対し、LimePodは1分40セント(初期乗車で1ドル必要)となっています。ただ、ReachNow・Car2goは1時間帯での最大利用料が15ドルですから、利用スタイルによって選択することになりそうです。

利用条件:各社料金にガス代や保険料が含まれているのは同じなのですが、唯一Limeだけ利用後(パーキング後)に車の写真を撮影しアプリを通して送ることが必須となっています。意図は分からなかったです。

以上3点が主なLimePod、ReachNowそしてCar2goの違いです。料金的には20分9ドルまでの乗車であればLimePodの方が初乗り料金がある分高く、そこから35分15ドルまでは安くなります。以降はReachNowそしてCar2goの方が15ドルで定額になるのでこちらの方がお得、という計算です。

乗り捨てサービスですから長時間の乗車は想定されておらず、価格的にも対して変わりありませんから、好きな車種を提供しているところを選択すればよいかと思います。

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