VRを用いたオンデマンド3D動画学習「Interplay Learning」にみる、VR学習の相性と今後

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2019-05-23 09.27.13

ピックアップInterplay Learning Secures $5.5 Million Series A Financing Round Led By S3 Ventures

ニュースサマリー:5月22日、VR・3D技術を活用したオンライン学習サービスを運営するInterplay LearingはS3 Ventures、Sierra ventures、Shasta VenturesなどからシリーズAラウンドで550万ドルを調達した。

同社のサービスを利用することで、企業及び個人ユーザーはHVAC(空調機器を操作する技術)、ソーラーパネル設置に関連する技術をオンデマンドで習得することができる。今回の調達の目的は、新しい産業における学習教材の開発・提供及びプラットホームの機能拡張だ。

話題のポイント:Interplayの興味深い点は、単なるオンライン技術習得サービス(いわゆるイーラーニング)だけでなく、3Dを用いてユーザーが実践研修できる点です。以下の動画をご覧ください。

この動画を見ると、Interplay Learingのユーザーはソーラーパネルの設置方法を実践的なトレーニングを通して学ぶことができることが分かります。同社のサービス提供形態は月額又は年額で、最近では月に40%利用者が増加しているといいます。

確かに就職活動・職業訓練を行う人達にとってみれば、入社後現実で指導教官に教わるはずの内容を、オンデマンドで現実とさほど変わらぬリアリティで学べるメリットは大きいでしょう。VRを用いればリアリティ・没入感が飛躍的に向上するため、学習効果は高くなるという研究結果も出ていることから、このような学習法には一定のメリットがあると考えられます。

Interplay Learningと似た職業訓練的なVR活用法としては、マネキン人形とViveトラッカーを使い、現実に近い状況に身を置いて心肺蘇生法(CPR)の実習ができる救命訓練アプリケーションを提供するDualGoodHealthというサービスも興味深いです。

Holon IQが公開しているエドテックに関するリサーチ結果では、世界のエドテックの市場規模は今後も拡大し、2030年は10兆ドルに達するとされています。

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加えて、数ある先端テクノロジー(AI,Robotics,Blockchain)の中でも、AR/VR分野が教育に与える影響は最も大きく、今後伸び代の高い分野だとされています。

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以上のデータからも、今後はInterplay LearningのようなVR技術を用いた学習サービスは増加し、教育に大きな変化をもたらすということが予測されます。

例えば日本の学校では現在iPadの導入が叫ばれており、子供達がIT機器を用いて学習する機会が増加していますが、このようなIT化は今後も加速度的に進むと考えられます。VRヘッドセットが全国の学校や研修機関、企業に配備される日は近いかもしれません。

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