100元(約1500円)で宿泊できる体験をーーEUの次に中国を攻めるOYO、オンライン旅行代理店「Ctrip(携程)」と戦略的提携

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ピックアップIndian hospitality unicorn OYO now joins

ニュースサマリー:インド発ホスピタリティー企業「OYO」は28日、中国においてOTA(オンライントラベルエージェンシー)を運営する「Ctrip(携程)」との戦略的パートナーシップを発表した。これは、トラベルメディアSkiftがシンガポールにて主催したカンファレンス「Skift Forum Asia 2019」にて同社創業者CEOのRitesh Agarwal氏が公表したもの。

OYOとCtripの両社は、オンライン・オフラインにおけるサービス統合、両ブランドに対するアクセス流動性、データオペレーションなど多岐に渡りユーザー需要に即した形でコラボレーションを進めていくという。

話題のポイント:今月初めに、OYOがEU市場にて存在感の高い@Leisure Groupの買収を完了しヨーロッパ市場へ進出したことを報じたばかりでした。さらに、OYOの投資家でもあるSoftbank Vision FundはGetYourGuideやKlookなどの各国をリードするトラベルスタートアップにまとめて投資を進めるなど、同市場に対して積極的な姿勢をみせています。

<参考記事>

さて、今回OYOが中国市場を本格的に獲得するため、選んだパートナーは中国OTA市場において2番手とされる「Ctrip」でした。OYOは昨年より中国市場へ参入を開始。同社ブログによれば、参入からたった18カ月間で国内320都市に45万もの「部屋」を貸し出すことに成功しているとしています。

一見、市場障壁もなくスムーズに参入している印象ですが、やはり国内におけるレピュテーション・知名度の面での難易度は高かった模様。Skift Forum Asia 2019にて、同社創業者のRitesh Agarwal氏は「Ctripの知名度は、若い世代また都市部以外の地方でも申し分ない」と発言しており、同社とのパートナシップの主な目的が伺えます。

加えて同氏は「パートナシップを通じ、100元(約1500円)で宿泊できる、そんな体験を中国で実現していきたい」と発言しており、格安ホテルを地方の若者向けに提供していくことで、『まず使ってもらう』を実現させようとしていることが分かります。

また、中国国内にてブランド力をミレニアル世代に構築することで、彼らが海外に出る際にもOYOプラットフォームを利用してもらう、そういった相乗効果な狙いがあるのではと考えるのが妥当でしょう。

今までOTAが同業界を市場規模の面でリードしてきた中で、現在市場を実際に「動かす」立場に成りつつあるOYOやAirbnbのようなホスピタリティー系スタートアップ。彼らが、同業界にてデータもユーザー数も、ブランド力も併せ持っているOTA企業達とコラボレーションし、どのようなイノベーションを起こしていくのか楽しみです。

 

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