
Image credit: Ctrip(携程)
中国のオンライン旅行代理店 Ctrip(携程、NASDAQ: CTRP)は、インドの旅行市場への賭けに強気になっている。同社から4月26日にリリースされた声明によると、テクノロジー投資会社 Naspers との株式交換により、オンライン旅行代理店 MakeMyTrip(NASDAQ: MMYT)の株式を追加取得している。
Ctrip は2016年、1億8,000万米ドルを出資して MakeMyTrip の一部株式を取得している。南アフリカのテックインターネット・コングロマリットである Naspaers との株式交換により、MakeMyTrip の持分を強化した。MakeMyTrip の株式を、Ctrip の新規発行株式と交換することになる見込みだ。この取引により、Naspers が持つ Ctrip の発行済普通株式は約5.6%となり、Ctrip は NASDAQ 上場で評価額26億9,000万米ドルの MakeMyTrip に49%の議決権を行使できるようになる。
Ctrip の上級インベスターリレーションズディレクター Michelle Qi 氏は、Technode(動点科技)に次のように語った。
この投資を通じて、我々は成長の速いインドのインターネット旅行市場への露出を増やし、MakeMyTrip の成長からの恩恵も得られるだろう。
彼女は、Ctrip が持つ中国における消費者購入行動に対する洞察は、MakeMyTrip がより良いプロダクトやサービスをインドの旅行者に提供する上でも役立つだろうと付け加えた。
国内競合の Meituan(美団)や Alibaba(阿里巴巴)傘下の Fliggy(飛猪)との競争が激化する中、Ctrip は新たな成長を求める上で世界進出を加速している。今回の投資はそんな中で実施された。
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数年前に Ctrip が世界戦略に着手して以来、17.4億米ドルに及んだ Skyscanner 買収、Trip.com の買収など、コアビジネスで複数の海外買収を行ってきた。旅行関連の他業界では、超音速旅客機を開発するスタートアップの Boom Supersonic への出資がある。Ctrip はヨーロッパ市場への拡大を強化する計画だ。Ctrip CEO Jane Sun(孫潔)氏の発言を引用した中国メディアの報道によれば、(世界戦略開始から)5年を経て、現在では Ctrip 売上全体の約半分を国際事業が占めるようになっている。
MakeMyTrip への出資は、インドだけでなく東南アジア市場への拡大に向けた、Ctrip のより深いコミットメントを示すものだ。中国人の海外旅行先として、インドは周辺諸国と比べ後発だ。
それに加え、インド政府は2023年までに、中国人観光客を60倍に増やすと約束している。成長する観光市場の政府支援は、オンライン旅行代理店にインド市場参入の機会を提供した。インド市場は単独でも、その規模から非常に重要な市場と言える。Ctrip は昨年9月、インドのオンラインフードデリバリ・レストラン検索プラットフォームの Zomato に1億米ドルの出資を計画中だと報じられた。
今回の出資を通じて、Tencent(騰訊)の初期投資家でもある Naspers が、Ctrip の株主にも名を連ねることになる。
Naspers は世界で最も有名なインターネット・エンターテイメント集団の一つであり、世界の最大テクノロジー投資家の一つだ。我々のトップ出資者の一社に Naspers を迎えられたことを嬉しく思う。Naspers と緊密に連携し、将来、相互補完関係を築けるのを楽しみにしている。(Michelle Qi 氏)
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