中国のアパート賃貸マーケットプレイス「Danke Apartment(蛋殻公寓)」、ニューヨーク証取へのIPOを申請

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Image credit: Danke Apartment(蛋壳公寓)

中国のアパート賃貸マーケットプレイス「Danke Apartment(蛋殻公寓)」は28日、米国証券取引委員会(SEC)にニューヨーク証取への上場申請をしていたことを明らかにした。

重要視すべき理由:米中間の貿易の緊張が高まっているにもかかわらず、この数週間で、アメリカの市場に上場申請する中国のテック企業が相次いでいる。中国でアパート賃貸サービスを提供する Qingke(青客)は28日に上場申請しているため、Danke は今月アメリカに上場申請する2つ目の中国のアパート賃貸プラットフォームとなる。

  • この流れに加わる他の中国テック企業には、NetEase(網易)の教育部門「Youdao(有道)」、中国のオーディオプラットフォーム「Lizhi(荔枝)」、仮想通貨マイニング機器製造会社 Canaan(嘉楠) などがいる。
  • 今回の IPO 申請の1日前、Danke は China Media Capital(華人文化産業投資基金)と Primavera Capital(春華資本)がリードしたシリーズ D ラウンドで1億9,000万米ドルを調達したことを発表した。

詳細情報:Danke は今回の IPO で最大1億米ドルの調達を目指している。これは IPO 申請時によく使われる数字でしかなく、今後、変更される可能性はある。

  • Danke によると、調達する資金は市場拡大、住居改修、技術開発、ブランディングに使用される。
  • 目論見書によれば、Danke は現在、上海、北京、広州を含む13の主要都市で約407,000戸の住居を管理している。
  • Danke は現在、主に家賃とサービス料から収入を得ている。2019年9月末までの9ヶ月間の収益は、前年同期の16.7億人民元(約256億円)から198.8%増の49.9億人民元(約766億円)だった。
  • しかしながら、同社は依然として損失を計上しており、2019年の最初の9ヶ月間は住居の賃貸・マーケティング費用が高いため、純損失で25億2,200万人民元(約387億円)を記録している。
  • 引受証券会社は、Citigroup Global Markets、Credit Suisse、JPMorgan の3社。

背景:2015年に設立された Danke は、若年層の社会人を対象にシェアハウスを賃貸している。

  • 同社はこれまでに6回にわたる調達ラウンドをクローズしており、スタートアップデータベースの Crunchbase によれば、Tiger Global Management、Ant Financial(螞蟻金融)、Gaorong Capital(高榕資本)などトップ投資家から約9億ドルを調達している。
  • 中国の賃貸住居市場では主要プレーヤーが急速に拡大している一方、データ盗難、隠しカメラ、アパート内のホルムアルデヒド濃度の上昇など、一連のスキャンダルが相次いでいる。
  • 5i5j.com(我愛我家)のような他の住居賃貸会社と共に、Danke は偽情報や誤解を招く情報掲載が原因で、政府による追放対象に含まれていた。
  • 今年6月、Baidu(百度)のコア検索部門に在籍した主要人物 Gu Guodong(顧国棟)氏が参画したのを契機に、Danke は人材獲得を加速している

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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