Spotifyは2019年第3四半期の決算報告書を公開し、月間アクティブユーザー(MAU)の合計が2億4800万人に達したことを明らかにした。2019年第2四半期では2億3,200万人であったことから約7%の増加となる。また、昨年同四半期の1億9,100万人を約30%上回る結果となった。
同社サービスの課金ユーザーは全体の45%を占めている。第2四半期では1億1,300万人が課金ユーザーであった。これは昨年同四半期の8,700万人から31%の増加。
Spotifyは有料課金の中にも、学生や家族割りなどいくつかのプランを用意している。たとえば今年8月には家族プランに対してコンテンツフィルターの導入を始めた。この機能により、親が子供の利用するプレイリストに音楽コンテンツ制限を付けられるようになった。
売上は19億ドルを計上し、YoYで28%、QoQで4%の上昇を達成。営業利益として6,000万ドルを計上。これは粗利益の向上とマーケティング費、コンテンツPR、R&Dにて「予想を下回る」支出となったことを意味している。ただ同社は、第4四半期に損失状態へ戻ると予想しており、営業損失額は3,400万ドルから1億4,500万ドルの範囲となるとしている。
また、決算報告書では同社CFOのMcCarthy氏が来年1月をもって退社し、現在FP&Aを取り仕切っているPaul Vogel氏が引き継ぐことが発表された。
Apple Musicとの違いは無料か有料化
Appleは今年6月に同社が運営する音楽ストリーミングサービス「Apple Music」のユーザー数を6000万人と発表した。現段階では多少の増加をしていることは想定されるが、それでもSpotifyが世界的に多くのシェアを占めている状況に変わりない。
Spotifyは報告書にて「公開データに基づけば、弊社はApple社と比較して月間2倍ほど有料ユーザーの獲得に成功している。加えて、ユーザーエンゲージメント数も約2倍程度、解約数は1/2程度に抑えられている」とAppleを牽制。
Spotifyは無料版を提供していることに長い間批判を浴びてきたが、課金ユーザー数の獲得のためには必要なプランで今後も継続して提供していく意向だ。事実、同社の主要利益源はプレミアムユーザー(課金ユーザー)であることに変わりはなく、第3四半期における90%の売り上げは同ユーザーからであった。
「利用初期時に無料で簡単に始められることが、結果的にエンゲージメント、リテンション、コンバージョン、満足度などにいい影響を与えていると考えています。最終的に、生活の一部としてサービスを取り組んでもらうためにも、無料プランは非常に大事な役割を担っていると思っています」
同社は近年盛り上がりを見せているポッドキャストの導入にも積極的。報告書では全体の14%に当たる3,500万人がポッドキャストを利用しているといい、今後も投資対象であると述べられている。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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