進むAI人材格差、企業によるAI導入は過去4年で270%増【ガートナー調べ】

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ガートナーのレポートによれば、過去4年間にて、AI人材に対し最も需要が集まったのはIT部門でなく他のビジネス部門であるらしい。同レポートによれば、IT部門による人材募集は他の部門に比べ半分以下であり、採用戦略とAI労働市場とのミスマッチが起きていることを示している。

2015年7月のデータによれば、IT部門によるAI人材募集はたったの1万4900件だったのに対し他の部門では計8万9895件と大幅に上回っている。また、2019年3月には、IT部門による募集数は363%増の6万8959件となったが、同時に他部門においても74%増の15万6294件となっている。

AI人材を大量採用している部門には、マーケティング、セールス、カスタマーサービス、財務やR&Dに多く見られる。同部門での採用は、顧客モデリング、収益分析、セグメンテーション、需要計画、リスクマネジメントなどを前提に実施されているとされる。特に資産を中心とする業界では、AIのユースケースが高まっており予知保全、ワークフロー、最適化、品質管理等のプロジェクトにおける需要が高まっている。

AI人材格差は既に顕著となっている。

International Data Corporation(IDC)の調査によれば、既にAI事業に取り組んでいる事業者の内25%がコスト超過、候補者不足、データの偏り、スキル不足により包括的なAI戦略を組み込めていない状態にあるという。また、2017年12月に公開されたTencent Research Instituteが公開した報告書によれば、現状世界には30万人のAI研究者がいるが、企業の需要は数百万に達しているという。

ガートナーは2019年1月、企業によるAI導入は過去4年で270%と驚異的スピードで増加し、過去1年だけでも37%増加したと報告している。同数値は2015年の10%から明らかな増加傾向にあり、背景にはエンタープライズAI市場が2022年までに61.4億ドルまで成長する予想が立てられていることにあるとされる。McKinsey Global Instituteによれば、AIによる労働市場の変化により今後10年の国内総生産(GDP)成長率は1.2%増加し、今後12年間における経済的純利益は20〜25%成長すると予想されている(13兆ドル)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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