システム開発やスタートアップスタジオ運営のSun*(サンアスタリスク)、初の外部調達ラウンドを約20億円でクローズ——ソニーらが参加

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左から:取締役 梅田琢也氏、取締役 平井誠人氏、代表取締役 CEO 小林泰平氏、取締役 服部裕輔氏
Image credit: Sun*

システム開発やスタートアップスタジオを運営する Sun*(サンアスタリスク、旧称:フランジア)は、昨年開始した資金調達ラウンドをクローズしたことを明らかにした。同社は昨年12月、農林中央金庫から約10億円を調達したことを明らかにしており、事業会社などから追加資金を集め、最終的に約20億円を調達する意向を示していたが、それが予定通り完了した形だ。

今回、新たに当該ラウンドへの参加を表明した投資家は、ソニーネットワークコミュニケーションズ、Sony Innovation Fund by IGV(Innovation Growth Ventures)、加賀電子(東証:8154)、リバネスキャピタル、15th Rock Ventures。なお、当該調達金額にはみずほ銀行、三井住友銀行、商工中金、きらぼし銀行、千葉銀行、武蔵野銀行からのデットファイナンスが含まれる。

  • ソニーネットワークコミュニケーションズと Sony Innovation Fund からの調達を受けて、Sun* はソニーグループが持つ要素技術を活用した将来有望となる新規事業やサービス開発で協業する。
  • 加賀電子とは、同社が持つエッジコンピューティングや IoT のコア技術を学び、ハードウェア企業である加賀電子とソフトウェアに強い Sun* でシナジーを模索する。
  • リバネスキャピタルとは、親会社のリバネスが持つリアルテックやバイオテックの知見と Sun* の持つソフトウェア開発力とのシナジー、また、リバネスが展開するリアルテック系シードアクセラレーションプログラム「Tech Planter」は東南アジアでも展開していることから、同じく東南アジアにシステム開発・エンジニア養成拠点を持つ Sun* が Tech Planter で発掘された技術の社会実装フェーズで、ソフトウェア面から協力する。
  • 「Human augmentation(人間拡張)」領域に特化するファンド 15th Rock Ventures は、「Spirete(スピリート)」というスタートアップスタジオを運営しており、スタートアップスタジオを運営する Sun* と事業連携で協力する。

Sun* では以前から、ハノイ工科大学、ベトナム国家大学ハノイ校、ダナン工科大学などと組んで学生の人材養成を行っている。人材が欲しい IT 企業にスポンサードしてもらう形で、学生は特別な授業料を必要とせず、即戦力になる最新の IT スキルを Sun* が提供する5年間にわたる講座を通じて習得することができるというものだ。最近では、インドネシアのガジャ・マダ大学、マレーシア日本国際工科院(MJIIT)など東南アジア全域へと活動範囲を広げ、近い将来、南米でも同様のイニシアティブを展開するという。

Image credit: Sun*

同社ではスタートアップスタジオの事業を通じて、大企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する。DX は、既存ビジネスのプロセスのデジタル化にフォーカスする「デジタイゼーション」と、企業そのものを長期的なデジタル化に対応させる「デジタライゼーション」に大別されるが、Sun*では特に後者のデジタライゼーションに注力し、スタートアップと大企業の垣根を超えた、新しいサービスや価値創造を行うとしている。

Sun* 創業者で CEO の小林泰平氏は、BRIDGE の取材に対し次のように語った。

課題解決よりも価値創造のビジネスに傾倒する。大企業と一緒になり、彼らに価値創造を提供できる会社は、世の中にそう多くはない。方法としては、エンタープライズ(大企業)がリーンスタートアップをやっていくようなイメージだ。

アジャイル的に開発を回す、というようなベンダーは他にもたくさんいるが、サービス開発を一貫してワンストップで提供できるところはあまりない。エンタープライズはそれができる会社を探している。

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Image credit: Sun*

Sun* では今回調達した資金を原資として、スタートアップスタジオ事業を通じ、年内に数億円を15〜20社に出資する計画だ。