売上ゼロからの挑戦ーースナックミーが老舗メーカーとの協業で大切にした「あること」

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おやつ体験BOX「snaq.me」

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

スナックミーでは全国の50社以上のおやつの生産者様とお取引をしています。

店舗向けやお土産用のおやつの生産を主とされている生産者様の中には、新型コロナウイルスに関する外出自粛の影響を受けている方も多く、観光客の減少による店舗販売の大幅な売上減、百貨店への売上減など、様々なお困りの声が寄せられるようになりました。先日発表した京都の老舗和菓子問屋「美濃与食品」さんもその一社です。

私たちとしても何かできないか。

私たちには自社が持つデータやテクノロジーを活用したノウハウがあります。これと生産者様の培ってきた製菓の技術を組み合わせることで、新たな取り組みができるのではないか。

本稿では、新型コロナウイルスの影響を受けた美濃与食品さんとスナックミーが、約3週間という短い期間で、オリジナル商品を共同開発・オンライン販売を行った裏側をお伝えします。

店舗も卸先も壊滅的な状況に

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美濃与食品株式会社様

スナックミーには、日本全国の生産者様と連携し新商品開発を行うバイヤーがおり、そのバイヤーのもとにはこのような声が届いています。

「行楽シーズンの催事用に用意していたおやつの売り場がない」「店舗で販売できないのでオンライン販売に乗り出したいがノウハウがなく困っている」

美濃与食品さんも同様です。

京都に店舗があるため観光客の激減により、店舗での土産菓子販売は壊滅的な状況で、さらに百貨店の営業時間等の自粛が追い打ちをかけます。残念なことに主要販売先の百貨店での売上はほぼゼロになったそうです。

美濃与さんは、以前よりスナックミーの和菓子カテゴリー(羊羹、おしるこ等)を支えてくださっているお取引先様で、和菓子以外にも老舗の技術を活かしながら、新しいチャレンジを一緒に続けてくださる大切なパートナーです。弊社の目指している素材本来の味わいを活かしたおやつを作ることや、一見するとわがままな要望もスピード感を持って実現していただきました。

当初、美濃与様や他の生産者様の店舗等で売れなくなってしまった商品を、スナックミーのオンラインショップを通じて一時的に販売することも検討しましたが、私たちだからできることを今一度見つめ直し、次のようなもう一歩進んだ協業を提案してみたのです。

  • 老舗菓子メーカー様とプラットフォーマーでもあるスナックミー、双方の価値を活かした新しい事業モデルを作る
  • 一時的な支援ではなく、再現可能かつ持続可能で双方にメリットのあるものにする

最大の困難:「通常の6倍のスピードで新商品を開発」すること

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製餡の達人が作る「新食感!生スイートポテト」販売開始(プレスリリースより)

商品作成が決まってからは先方に次のような難易度の高い依頼をしました。

  • 初夏から夏にかけて、気温が上がるからこそ美味しくなる洋菓子を(和菓子メーカーが洋菓子を作るという挑戦の意味も込めています)
  • 最低限の原料で、焼き時間などの技術の工夫で、特徴のある食感を出して欲しい

技術面では原料が芋と砂糖だけの2つで「スイーツ感」を出すことに苦戦し、1回目の試作では要ブラッシュアップとなり、「甘すぎてしまい、素材の旨味が出しきれていない」ことを伝え、砂糖の種類と量・芋の調整を何度か行い、発売の状態へこぎつけました。

上記だけでもとても大変なのですが、何より困難を極めたことは「早く商品を世に出さなければならない」ということです。

通常、製菓業界では新商品に対して、数カ月~半年などの時間をかけることが一般的です。しかし、今回は「経済復興」という意味合いが強く、1日も早くおやつを完成させて早く商品を世の中に出し、それによって双方に売上を立てて持続可能な取り組みの第一歩にしたいという想いがあったため、猛スピードで開発をしていただきました。

同時に、スナックミー側もオペレーションの構築(梱包・配送などの体制作り)、各種クリエイティブ作成などを行い、発売直前まで文字通りバタバタの状態でしたが、無事に「新食感!生スイートポテト」を発売し、想定を上回る売上を実現することができました。

大切なことは「継続すること」

「今自分達にできることで、お取引先様やお客様に喜んでいただける可能性があるのであれば、やれることはやろう」。

今回の共同開発は確かに緊急事態における避難措置的な部分もあります。その一方で、大切なものも見失いたくありません。困難な中、これだけのスピード感で協業が実施できたのは、こういったベストを尽くそうという考えが双方にあったからだと思います。

実は新型コロナウイルスが世の中に影響を及ぼし始めた頃、スナックミーとしてもできることを模索していました。しかし、この影響で自社のオペレーションが止まってしまう可能性もあり、また、明るくないニュースが続く中で新商品の発表が本当に求められているのか、という迷いもありました。

そういった障害や迷いもありましたが、やはり大切なのはユーザーであり、多くのステークホルダーのみなさまです。これからも、スナックミーのユーザー様はもちろん、全国のおやつの生産者様にとってのプラットフォームとしての役割を果たし、それによって「おやつの時間をもっと価値のあるものにする」というミッションを実現していきたいと考えています。

本稿はおやつ体験BOX「snaq.me」を運営する株式会社スナックミー代表取締役、 服部慎太郎氏によるもの。Twitterアカウントは@haztr。彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい。