
ニュースサマリ:おやつの定期購入(サブスクリプション)サービス「snaq.me」を運営するスナックミーは5月28日、W venturesをリード投資家とする第三者割当増資の実施を公表した。同ラウンドに参加したのはSpiral Ventures Japan、SMBCベンチャーキャピタル、LINE Ventures、朝日メディアラボベンチャーズの5社。調達した資金は総額2億円で、おやつ商品の開発体制、システム開発のための人員強化に使われる。
snaq.meのサービス開始は2016年2月。おやつの商品開発から生産・販売まで一気通貫でサービス提供するD2C(Direct to Consumer)モデルを採用するスタートアップ。約1000通りの組み合わせから独自のアルゴリズムでユーザーの嗜好に合わせたおやつBOXを作って定期的に送付してくれる。女性中心に顧客層が広がっており、月次10%の成長を示している。
話題のポイント:昨日資金調達を公表したOWNERS同様、W venturesがまたまた食料品のD2Cへのリード投資を実施しました。OWNERSは生鮮産直ですが、スナックミーが提供するのはその名の通り「おやつ」です。
W venturesの代表パートナーの新和博さんに投資の理由を聞いたところ、即答で「おやつが美味しいから」とメッセージを返してくれました。もちろん、サブスクリプションのユーザーフィードバックが高い確率で返ってくることや、商品開発のPDCAサイクルが確立されており、今後のヒット商品に期待が持てるという理由もあるのですが、こういう直感に基づいた感想を投資家と共有できているのは強いなと。
スナックミーの代表取締役、服部慎太郎さんはボストンコンサルティングやディー・エヌ・エーのベンチャー投資業務に携わった事業開発側の方なんですが、戦略ばかりかというとそれ以上におやつ愛があるんですよね。リリースに記載されてるメッセージとかなかなか胸熱です。ちょっと長いんですが全文掲載します。
snaq.meは「おやつを変えたい!」という想いからはじまりました。
きっかけは“おやつを心から楽しめていない“というちょっとした(でもおやつ好きにとっては大きな)課題でした。
創業メンバーは大のおやつ好き。でも、コンビニにおやつを買いに行ってもあまり変わり映えしないラインナップ、裏面の原材料をみるとできれば食べたくない原材料や成分。
何も買わずに返ってきて素焼きのナッツを食べながら、もっと美味しく楽しいおやつが手軽に手に入れば、と思う日々でした。。
3歳になる娘からおやつをねだられても、気持ちよくあげられる(そして一緒に食べられる)おやつが少ないのも悩みでした。
他のメンバーも何かしら似たような悩みを抱えていました。だれよりもおやつ好きだけど、一度からだを崩してから食に気をつけるようになり、気持ちよく食べられるおやつが減ってしまった。海外に住んでいた時に普通に食べられたナチュラルなおやつが日本だとなかなか見つからない。とにかくおやつ好きだけど飽きっぽい。。
食へのこだわりや味覚、嗜好は人によって様々。
でも、普段おやつを買うお店の販売スペースは限られているのでみんなに好かれるおやつばかり。作ってからお店の棚に並んで、お客様が召し上がるまでの時間が長いので保存料などを入れざるを得ない。そういったいろいろな制約があることがわかりました。
そこでスナックミーは、そういった制約に縛られない(でもとてもチャレンジングな)取り組みをはじめました。
ビジネス的には商品数を絞るのが鉄則ですが、数百種類のおやつを用意し、商品を毎月入れ替えることで飽きずに楽しめるようにしました。本当にお客様が望んでいるものを知るために、おやつは嵩張るのに価格が低めなので通販に向かないと言われていますが、販売をネットのみに限定しました。在庫コントロールのためには保存料などを入れるほうが良いのですが、Real Foodにこだわり、賞味期限が短くなっても、保存料や人工添加物を使わないことにしました。
一番の特長はテクノロジーとおやつの融合。テクノロジーをフル活用して、お客様ごとにお届けするおやつをシステムがセレクトしています。セレクトはお客様からこれまで頂いた評価データを活用しており、そのデータを使って新商品の開発もしています。
スナックミーが目指すのは、おやつを提供する新しい仕組みを作って、おやつの時間を心から楽しめるものにすること。難しいチャレンジですが、実現できると信じています。
ディー・エヌ・エー出身者と言えばミラティブの赤川準一さんが非常に熱い思いでサードプレイス開発に取り組まれていますが、何か共通するDNAみたいなものがあるのでしょか。
日本では農林水産省の公表しているデータで、毎日国民一人がちゃわん一杯のごはんを無駄に捨てているそうです。この数字は世界で年間に支援される食糧320万トンの倍以上で、同省も毎年統計情報を公開するなど課題に取り組んでいます。
日本は長らく幸せで平和な時代を過ごし、食べ物で困ることはほとんどなくなったと思います。しかしそれがアダとなって飽食というよくない傾向も生まれました。食べ物を捨てたり、食べること自体を楽しめない生活は人生にとって大きなマイナスだと思います。
今後、スナックミーは調達した資金でネット発・テクノロジー活用のおやつブランドを目指すそうです。これが実際にどういうものになるのかはまだ分かりませんが、服部さんの言う「おやつを心から楽しめる」体験になることを祈ってます。
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