
Image credit: Deliveroo
ロンドンに拠点を置くフードデリバリー企業 Deliveroo は、Amazon がリードするシリーズ G ラウンドで5億7,500万米ドルを調達した。T Rowe Price、Fidelity Management and Research Company、Greenoaks もこのラウンドに参加した。
これにより、Deliveroo は2012年の設立以来、総額で15億米ドル以上を調達していることになる。同社は現在の評価額を公表していないが、2017年のシリーズ F ラウンド時点で20億米ドル以上の額が付いていたことは知られており、すでにユニコーン企業として揺るぎないものになっている。
Uber Eats と同様に、どのような規模のレストランでも自分でドライバーを雇うことなしに顧客にデリバリーを提供できるようにする、運送のインフラを Deliveroo は提供している。ユーザはモバイルアプリを通じて、エリア内のどのレストランが Deliveroo に登録しているのかを見ることができ、注文、そして地図上で食品のリアルタイム追跡を行うことができる。同社はヨーロッパ、アジア、中東の十数か国で営業している。

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2017年に Deliveroo は、レストランがデリバリーオンリーなキッチンをオープンできるようにする新たなプラットフォームを発表した。Deliveroo Editions と呼ばれるこの仕組みは、Deliveroo のデータを活用して特定のタイプの料理に対する顧客の需要が最も高いところを検証し、その後 Deliveroo はそのエリア付近で適切な料理店が小さなキッチンをオープンすることを促進する。拡大を目指しているレストランにとっては、必要な設備を備えた小さな小屋で営業が行われるため、Editions は地価が高い地域に店を構えるリスクを減らすものである。Deliveroo はインフラ、キッチン、マーケティングサポート、ソフトウェア、そして配達員らを提供する。
このコンセプトは、Deliveroo のような企業が作り上げた運送網のインフラ周辺で、いかにビジネスが発展しているのかを浮き彫りにしている。例えば、デリバリーオンリーのキッチンを運営することは、以前はもっと困難で費用がかかるものだった。Deliveroo は新たに入手した資金を使いこの取り組みを持続させ、ならびにイギリス本社のエンジニアリングチームの強化も行う予定だ。
Deliveroo の CEO 兼共同設立者 Will Shu 氏はこう述べている。
今回の新たな投資は Deliveroo を成長させ、顧客にはもっと多くの選択肢や個人の好みに合わせた料理を、レストランにはビジネスの成長と拡大のより大きな機会を提供し、配達員にはより柔軟で高給の仕事をもたらすものです。

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論争
急成長を遂げているオンデマンドなデリバリー業界の他のプレイヤーと同じく、Deliveroo は配達員への支払いや待遇における公正さに関する論争に直面している。2017年、Deliveroo は裁判で配達員に最低賃金や休日手当を保証しなくてもよいとする判決を勝ち取った。
また、Amazon はまだいくつかの国で Deliveroo スタイルのレストランデリバリーサービスを提供しているが、昨年イギリスでの営業を停止したことも注目に値する。これは市場の競争が激化している証であり、Uber Eats、Deliveroo、Just Eat は揃って市場シェアの奪い合いをしている。実際に Uber は Deliveroo を買収しようとしていたとする報告が昨年あったが、昨年のある四半期でフードデリバリーが Uber の収益の約17%を占めていたと推計されていることを考えれば、大手配車サービスである同社にとって非常に理に適った動きだ。
Amazon は3社との争いを続けるよりも、既存のプレイヤーに賭けることを選んでいるのは明らかだ。そして株式を公開している Uber や Just Eat への投資は明確に避け、資金を投入する候補としては Deliveroo が残った。
Amazon U.K.のカントリーマネージャー Doug Gurr 氏はこう付け加えている。
Deliveroo のアプローチ、増加を続ける素晴らしいレストランのセレクション、そして便利なデリバリーオプションといったものに弊社は感銘を受けました。Will 氏と彼のチームはイノベーティブなテクノロジーとサービスを作り上げています。彼らが次に何を見せてくれるのか、弊社もワクワクしています。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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