欧州のフードデリバリー Deliveroo、注文後20分で自宅に酒類を届けるサービスをローンチ

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上: Deliveroo: Alcohol Image Credit: Paul Sawers / VentureBeat
上: Deliveroo: Alcohol
Image Credit: Paul Sawers / VentureBeat

(本記事はこちらの記事の抄訳になります)

欧州のフードデリバリースタートアップ Deliveroo は、酒類のデリバリーを始めることで、欧州の機会にあふれたフード・ドリンク市場のシェアを増すことを試みている。

2013年にロンドンでWilliam Shu氏と Greg Orlowski氏が創業したDeliveroo がGrubHubやJust Eatといった他のフードデリバリー企業と差は別化をする主な方法は、普通の宅配サービスではない料理を提供するレストランと数多く提携することによって、「プレミアム」な料理の提供に注力している点だ。また、同社は各レストランに自ら宅配担当を採用してもらうではなく、自社のドライバーやサイクリストに料理を配達させている。

DeliverooはこれまでVCから200億ドルの資金を調達している。8ヶ月前には100億ドルを調達した。もともとは英国でローンチしたが、欧州の複数国にも展開しているほか、オーストラリアや香港、シンガポール、ドバイにも展開する。

これまですでに、レストランの通常デリバリーメニュー内のものとしてアルコールのデリバリーをしていたが、同社は今、ユーザーの玄関まで20分以内で酒類を届けることを約束する本格的な酒類デリバリーサービスを始めようとしている。

当面このサービスは英国内に限って提供される予定で、さらなる拡大計画に関しては今のところ口を閉ざしている。

当然ながら、購入者の外見が特に若い場合にはDeliverooのドライバーはIDを見せるように依頼することもある。また、最低注文価格は15ポンド(20ドル)だ。なので、高級ワインや高級クラフトビールなどを注文するのに適しているだろう。

酒類デリバリーを拡大する

私は長い間、オンデマンド酒類デリバリーサービスは英国で爆発的にヒットするだろうと主張してきた。だが、一貫性のあるモバイルファーストのサービスは今日に至るまで現実化していない。

米国での事情はまた異なる。すでにアルコールデリバリーの市場がある程度飽和しつつあり、ここ数年では多くの企業がこの市場に参加している。市場は合併吸収が始まるレベルにまで飽和しつつある。

だが、短時間のアルコールデリバリーというニッチなものに対する需要が十分にないという根本的な問題に対する解決策という点においては、合併は十分な解を示していない。

そこに酒類デリバリーのThirstieが最近になって、プレミアムブランドの酒類の通信販売を開始した理由がある。つまり、スケールするためだ。ThirstieのCEO、Devaraj Southworth氏は次のように語る。

消費者は二時間以内のデリバリーを必ずしも望んでいるわけではありません。多くの人は、限定的で新しいものが欲しいのです。消費者は玄関先まで質の良い製品を届けてもらうという楽しい経験を求めているのです。配達に関する希望がかなう限り。

このスケーラビリティという問題に挑む Deliverrooのモデルはうまくいくかもしれない。料理の注文を配達しているドライバーとサイクリストの既存のネットワークを利用し、自分たちでは配送する気がない酒類の販売者と提携することによって、Deliverooはオンデマンド酒デリバリーを築く上で完璧なバランスを見つけたのかもしれない。

簡単にまとめれば、Deliveroo によるこの新しいサービスは既存のネットワークとインフラの力を活用したサービスで、短時間デリバリーが求められる他の領域にも応用可能なものなのだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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