
欧州のフードデリバリー企業 Deliveroo は、時価総額20億米ドル超で3億8,500万米ドルもの資金を調達したと今朝(9月24日)正式発表した。
同社はこれまでに、昨年8月に行われた前回のシリーズ E ラウンドで調達した2億7,500万米ドルを含め、4億7,500万米ドルを調達している。今回の3億8,500万米ドルと合わせて、3つの「優先的な成長分野」全体に投資していくという。それは、4月にロンドンでローンチした厨房のみの店舗に特化した Editions プログラムのほか、人工知能(AI)システムを含むテクノロジー人材の拡大、そして新規市場開拓だ。
同社共同設立者兼 CEO の Will Shu 氏はこう話している。
最初に料理を届けた時の高揚感は今でも覚えています。人々が地元でお気に入りのレストランから直接、玄関先で料理を受け取れることを喜んでいただけたらいいなと思いました。4年が経過して、世界150以上の都市で何百万もの人が当社のサービスを利用してくれていることを誇りに思います。
同氏と Greg Orlowski 氏によって2013年にロンドンで設立された Deliveroo は、デリバリーの対象となる料理の多くがこれまで持ち帰りや配送の対象でなかった、料理の中でも「最高級」のものに特化しているという点で GrubHub や Just Eat といった同業との差別化を図っている。また、全ての輸送サービスや注文インフラを自社で行っており、自社の配送ドライバーや自転車スタッフを採用している。
今年、レストランが出前専用の調理場を開設できる最新プラットフォームをローンチしたが、その直後に同社初となる買収を行った。買収先企業は、レストランの運営をせずに料理を準備、配送するマンハッタン拠点のスタートアップ Maple だ。
Deliveroo のサービスを利用できるのは世界150都市超。ほとんどが欧州となっているが、オーストラリア、香港、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)でもサービス展開している。
今回の資金調達は、同社が2016年に611%の増収を達成したという決算発表時に明らかにされたが、積極的な事業拡張は費用の増加ももたらし、昨年の損失は3,010万ポンド(4,000万米ドル)から1億2,910万ポンド(1億7,400万米ドル)に拡大した。
Deliveroo の資金調達ラウンドをリードしたのは、資産管理会社の T. Rowe Price Associates や Fidelity Management & Research Company ら「ファンドおよびアカウント」企業。DST Global、General Catalyst、Index Ventures、Accel Partners など既存投資家も同ラウンドに参加した。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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