中国のEVメーカーXiaopeng(小鵬)、広州で配車サービスを開始

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Xiaopeng(小鵬)の電気自動車
Image credit: Xiaopeng(小鵬)

中国の電気自動車(EV)メーカー Xiaopeng(小鵬)は16日、自動車各社が動向に注目し、業界最大手の Didi(滴滴出行)が赤字操業をしている中、中国南部で配車サービスをローンチした。

Xpeng としても知られる Xiaopeng が本社のある広州でローンチしたトライアルサービスは「Pengster」と名付けられた。サービス開始前となる今週、同社は市当局から配車の事業免許を交付されていた。

会社声明によると、Didi とは異なり、Xiaopeng は全員が「訓練を受け、技術の承認を受けた専用運転手」を採用するという。当初は数百台の G3 SUV 車を使ってサービスを展開するが、2019年末までには2,000台規模に増加させる予定だ。

同社広報担当が TechNode(動点科技)に伝えたところによると、現在のサービス提供地域は広州のみだが、徐々に他の都市にも拡大していくという。

Xpeng Motors は Pengster を提供することにより、多様な運転シナリオのほか、顧客行動や嗜好をより深く理解することで、重要な業務経験を積んでいきます。

Xiaopeng では、公道上に多くの車を走らせることでブランド認知度が高まると期待している。街を走るショールームとしての機能を果たすという。配車用車両を運行させることにより、自動運転システムのさらなる開発に向け、利用可能な訓練データにアクセスできるようにもなる。4月時点で、Xiaopeng は中国で2,200台の車を展開していた。

広報担当によると、「当社は EV のデザイナー兼メーカー」だという。

他社とは異なる視点で実践しています。

コンサルタント会社 Sino Auto Insights の設立者である Tu Le(涂楽)氏は TechNode に対し、Xiaopeng が時価総額に見合った規模となり、事業遂行に必要な運転資本を確保するには、4月時点の4~5倍の EV を販売しなくてはならないと述べた。

同社が当初想定していたほどの需要がなかったものと思われます。

(配車サービスは)車を作り、道路を走らせ、活用する、これまでにはない方法です。(Le 氏)

昨年、Didi のカープールサービス「Hitch」を使った運転手が2人の乗客を殺害した事件が起きてから、業界は安全確保に向けたソリューションを模索している。この1年、中国の配車市場は激変に見舞われた。複数の地方政府は配車プラットフォームに規制をかけ、操業する都市で車と運転手を登録するよう求めている。

こうした規則があるものの、自動車メーカーが国中で配車サービスを立ち上げるなど、新規参入は衰えていない。一部の走行で Didi の運営費用が手数料収入を上回ると発表しているにもかかわらずだ。

12月には、メルセデスベンツとフォルクスワーゲンが提携し、上海で高級配車サービスを開始した。他にも、Tencent(騰訊)と Alibaba(阿里巴巴)、国営自動車メーカーの Changan(長安)が南京で100億人民元(約1,600億円)の配車ベンチャーを立ち上げた。Xiaopeng のモビリティプラットフォーム同様、ここでも電気自動車に特化している。

ごく最近では、自動車メーカーのダイムラーと Geely(吉利)が中国東部の都市杭州で合弁会社を立ち上げ、配車とレンタカーサービスを提供している。

しかし業界最大手の Didi は赤字経営が続いている。同社は昨年、2017年の損失規模の約5倍となる110億人民元の赤字を計上した。4月には、2018年第4四半期に配車サービスで得られた運賃収入の約21%を運営費が占めたと発表した。運賃から得られる手数料の比率より2%ポイント高いという。Didi ではさらに、同じ時期、手数料収入の3分の1を運転手への補助金支払いに充てたとも報告した。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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