ライブ配信で失敗する2大ケース

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高まるライブ配信の必要性(Image Credit : bravesoft

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

2020年2月より猛威を奮っている新型コロナウイルスの影響拡大に伴い、イベントやセミナーの自粛が相次いでいます。ぴあ総研の発表によると、3月23日時点で文化・スポーツ業界で中止・延期となったイベントの数は少なくとも8万1000件。5月末まで現状が続けば、9000億円の市場においておよそ4割が消失するという試算も出ています。このような状況を受け、拡大しているのがライブ配信を使用したオンラインイベントです。

ライブ配信は「どこからでも配信・視聴できる」「何人でも参加できる」などのメリットがあります。しかし、いざライブ配信をしてみようとすると次の大きな2つの落とし穴にハマるかもしれません。

  • 配信トラブルで失敗するケース
  • 進行・運営で失敗するケース

私たちはeventosというサービスを通じ、大手企業含め様々なイベントをアレンジして来た実績があります。そこで本稿ではその躓きを防ぐ方法をお伝えしたいと思います。

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スムーズな視聴体験がオンライン配信の鍵を握る(Image Credit : bravesoft

ケース1:配信トラブルでの失敗

ライブ配信を見る上で「快適な動作」というのは極めて重要なポイントです。しかし、初めてのライブ配信では配信側の設定がうまくいかないなどの環境構築に戸惑うケースが多く、見る側が不快または見ることすらできない事態に陥ります。これを防ぐための留意点を項目毎にご紹介します。

通信速度が重くなってしまう
解決方法:有線LANがある場所を使う

実はライブ配信において有線LANの確保は最優先事項です。有線LANでは(1)高速通信ができる、(2)電波の干渉が起こらないので安定性が高い、(3)外部から勝手に接続される心配がないというメリットがあり、配信環境を快適にしてくれます。目安として、アップロード速度が最低でも20Mbpsの回線は確保したいところです。

配信が落ちてしまう
解決方法:スペックの良いPCを使う

ライブ配信では映像をリアルタイムに変換して配信ソフトで流すことになるのですが、これはPCにとって非常に負荷のかかる作業となります。よってPCのスペックは必然的に高いものが推奨されるのですが特にメモリとCPUが重要です。具体的にはメモリ16GB以上、CPU Core i7以上、可能であればグラフィックボードは NVIDIA GeFOrce 1660Ti(メモリ6GB以上)を推奨しています。さらにこれからPCを購入する方へはMacよりもWindowsをおすすめします。

動画がカクつく
解決方法:配信ビットレートとキーフレーム間隔を適切にする

配信が開始できたと思っても、いざ配信された動画を見るとカクついてしまっている場合があります。それは配信ソフトの「ビットレート」設定に問題がある場合が多いです。ビットレートは高くすれば高画質になりますが、むやみに高くすると視聴する側のダウンロード速度が必要となってスムーズに視聴できる人が限られるほか、配信サイトの上限ビットレートに引っかかり逆にカクついてしまいます。

これには配信サイトの上限ビットレートを調べ、かつ自分の上り速度を調べ、低い方のビットレートに合わせて設定すると回避できるのですが、基本的には「512Kbps」をおすすめしています。また、その際キーフレーム間隔も「0(自動)」ではなく「1」に設定するとよいでしょう。

音質が悪い
解決方法:マイクをつける

意外と見落とすポイントに「音質」があります。ライブ配信ではリアル以上に「音」の印象が重要で、音質の良し悪しにより視聴し続けてもらえるかが決まったりします。PCのスピーカー機能ではなく、ノイズキャンセリング付きのヘッドセットや、USBコンデンサーマイクを使うと音質の改善が見込め、またPCに直接挿入できるため手軽にはじめることができます。

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参加者との質問コミュニケーションは必須(Image Credit : bravesoft

ケース2:進行・運営での失敗

ライブ配信をする場合、リアルと違って「参加者の反応が見えない」ということを念頭にいれる必要があります。このポイントを忘れてしまうと、セミナーを通して主催者側の一方通行となってしまうケースに陥るのです。参加者の満足度を最大化するため、押さえるべき留意点をみていきましょう。

反応をリアルタイムに確認できない
解決方法:チャット機能など双方向コミュニケーションを取り入れる

リアルのセミナーでは、発表者は参加者の表情や反応を見つつ、発表を進めていくことができます。しかしライブ配信の場合、発表者は参加者の反応を確認できないまま進むため、時に参加者が飽きてしまったり、一方通行の発表になってしまうケースがあります。

この対処方法としては、発表中に何らかの方法でリアルタイムに参加者とコミュニケーションを取ることです。例えば、私たちが提供しているサービスでは、ライブ配信中に「Live!アンケート」という機能を使って参加者からリアルタイムにコメントやアンケートを受け付けることができます。実際にこの機能を活用したライブ配信を実施しているのですが、参加者の満足度が非常に高く、いかにセミナー中の双方向のコミュニケーションが大切かが伺えます。

参加者同士のネットワークができない
解決方法:オンラインでネットワーキングができるツールや取り組みを促す

リアルのセミナーにおける参加目的の一つに「終了後のネットワーキング」が挙げられます。登壇者や参加者同士で名刺交換や会話をすることで繋がりを作る、というのもセミナーに参加する大きな目的の一つです。そこで最近のオンラインセミナーでは、例えばRemo等のサービスを利用してWeb懇親会を実施することも注目されていたりします。

また、第2部と称し、セミナー終了後ZoomやGoogle Hangouts Meetなどのツールに切り替えて懇談会を行っているケースもあります。私たちが行ったセミナーでは「オンライン名刺交換」として、参加者がTwitter内で相互フォローをしあったり、共通のハッシュタグ内でコミュニケーションが取れるよう、主催者側から積極的にネットワーキングが作れるように促していく取り組みを実施したりもしています。

最後に

オンラインセミナーをいざ開催しようと試みた時、リアルのセミナーでは想像もできなかったハプニングや失敗が起こります。そのような時に対処ができるよう、日頃から練習を行い様々なノウハウを貯蓄しておくことが重要です。

アフターコロナの世界では、セミナーのあり方はオンライン+リアルのハイブリッド化がなされ、今までリアルでの開催が主流だったセミナーは、改めてデジタル化の流れを取り入れることになるでしょう。これには実際にセミナーに訪れる参加者だけでなく、オンラインからの参加者によって指数関数的な集客・拡散に繋げられる可能性を秘めていると考えています。

自分達で開催するセミナーの未来を成功へと導くため、是非今から準備と実践に挑戦していただければと思います。

本稿は誰でも簡単にイベント・ライブ配信向けアプリを作れる「eventos」を提供するbravesoft株式会社 代表取締役CEO/CTO、 菅澤英司氏によるもの。Twitterアカウントは@braving。彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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